悪の読書術 の商品レビュー
『悪の読書術』 福田和也 虚栄心というもの、評判の悪い心根ですが、しかし人間の向上心を考えた時に虚栄心というのは、なかなかに頼もしい味方なのです。(p28) ★マイナスな面も飼いならしてしまうということ。一理ある。 本を読む、本を選ぶというのは、自らの内面の表明であると同時...
『悪の読書術』 福田和也 虚栄心というもの、評判の悪い心根ですが、しかし人間の向上心を考えた時に虚栄心というのは、なかなかに頼もしい味方なのです。(p28) ★マイナスな面も飼いならしてしまうということ。一理ある。 本を読む、本を選ぶというのは、自らの内面の表明であると同時に、どのように自分自身を、その精神面を作っていくのか。という選択と戦略にも関わっているのです。(p228) ★そうなる為に、本を読むというのは決して間違っていない。 イノセントに読書を楽しむ、自分はこの本が好きだから読む、ではなく、自分を自分として作り、向上させるために何を読むべきか、ということを、客観的に考えるべきでしょう。(p231) ★本書の要約でもある。面白い。
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個性のあるファッションをしたり ランキングに入るような 流行りの音楽は聞かないこだわりがあるのに、 本に関しては。。。。 ? 意識が低い人が多い。 “「自分がどう見られるか」を意識せよ” ・公共の場でカバーもかけず自己啓発本や 話題の本なんかを読んでしまってる。 ...
個性のあるファッションをしたり ランキングに入るような 流行りの音楽は聞かないこだわりがあるのに、 本に関しては。。。。 ? 意識が低い人が多い。 “「自分がどう見られるか」を意識せよ” ・公共の場でカバーもかけず自己啓発本や 話題の本なんかを読んでしまってる。 ・好きな作家は村上春樹!なんて堂々と言っている。 なんていう人は、この本を読んだほうがいいですねぇ。 勉強になります。 毒舌気味なので、精神的に弱い人は気をつけて下さい。 共感する部分も多く、とてもおもしろかったです。
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20130302読了。 『どんな本を読んだことがありますか』『好きな作家は誰ですか』と質問された時になんと答えるか。 服装や化粧でもそうだけど、要は年相応、社会的地位にふさわしい本を読め、ということなのだろうと。 なぜその本が好きなのか、なぜその作家が好きなのか、とことんまで語り...
20130302読了。 『どんな本を読んだことがありますか』『好きな作家は誰ですか』と質問された時になんと答えるか。 服装や化粧でもそうだけど、要は年相応、社会的地位にふさわしい本を読め、ということなのだろうと。 なぜその本が好きなのか、なぜその作家が好きなのか、とことんまで語り尽くせない人は中途半端な読書はするな、無難に教養がある人ぶれる本を読みなさい、ということだと理解した。 そういう視点で読むことで自分の読書の幅が広がるんならそれもよし。 でも、読書ぐらい自由にさせてくれ!!とも思う。
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若かりし頃ww自分の本棚を見せるのが裸を見せるより恥ずかしいと思っていたので、意味は解る。 読んでる本は、その人を表す。 でも、もうちょっと突っ込んだ内容を期待してた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
愛読書はその人を表すものであり、外殻を表象するものである。低俗な書物社交界で言えば、汚れたジャージを着てくるようなものである。 更にその人を表す衣服として、私は、著作した本人の本が該当すると考える。なぜならば、読書の動機よりもより強い動機を持つ、能動的な活動であるから。 この作者が着る衣服は、浩瀚な書物の中で高貴なもののリストで編まれているに相違ない。
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作者の他の作品、『悪の~』を読んでいないので、タイトルと内容の乖離をちょっと感じてしまった。ただ、それすなわち質の低さってことは全くなく、読書論を通して、作者のスタンスっていうか考え方も窺い知ることが出来る。自分がそういう読書の仕方をしてるか?と考えると、かなり懐疑的だけど、少な...
作者の他の作品、『悪の~』を読んでいないので、タイトルと内容の乖離をちょっと感じてしまった。ただ、それすなわち質の低さってことは全くなく、読書論を通して、作者のスタンスっていうか考え方も窺い知ることが出来る。自分がそういう読書の仕方をしてるか?と考えると、かなり懐疑的だけど、少なくとも知的読書の必要性を感じていることは確か。そこに向けての道しるべとなるべき書籍が、この中から見つけられそうな気もしています。
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とても読みやすい、そして興味深い本でした。 どの作家、作品が好きということを公言することで、一体どういう人間に見られるのか、という自分にとっては新鮮な視点。 確かに、日本は特にそのことに対して無意識で、いい年したオッサンが本屋大賞受賞した作品を勧めたりする。 …悪くはないんだが、...
とても読みやすい、そして興味深い本でした。 どの作家、作品が好きということを公言することで、一体どういう人間に見られるのか、という自分にとっては新鮮な視点。 確かに、日本は特にそのことに対して無意識で、いい年したオッサンが本屋大賞受賞した作品を勧めたりする。 …悪くはないんだが、年齢を重ねるごとに若い人には“読めない”ような本を勧められる人の方が、尊敬する。 著者が挙げる作品の中で、今まで読んだことあるものが少ないためわからない部分も多かったけど… これから読んでみようという作家さんが増えました。 とにかく、この夏はまた京極さんに染まりたい!!
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この著者とは話が合わなそう。状況に合わせる選択も必要かもしれないけど、本は飾りじゃない。知的に見せたいから読むとかありえないし(個人的な偏見も多いし)、バカに見える本とか、その著者に対して失礼だと思った。
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どうも納得できなので再読するまで1章から3章とタイトルに影響されて誤読しておりました。 読んでいる作品、好きな作家を他人から見られた時に恥ずかしくないものでなければならないという主張が、様々な作品、作家を通して述べらています。どうもその考え方が腑に落ちないのでした。読書とはおもし...
どうも納得できなので再読するまで1章から3章とタイトルに影響されて誤読しておりました。 読んでいる作品、好きな作家を他人から見られた時に恥ずかしくないものでなければならないという主張が、様々な作品、作家を通して述べらています。どうもその考え方が腑に落ちないのでした。読書とはおもしろいから、好奇心があるからの理由で読めばよいのであって、他人の目を気にする必要があるのかという疑問がありました。読む理由なんてそもそも必要なのかとも思いました。 著者は「悪」の定義として「自らの無垢さ、善良さを前提とする甘えを抜け出しより意識的、戦略的にふるまうためのモラルに他なりません」としています。そして、「社交的読書」をしていくことが大切であると述べています。では、その「社交的読書」が何なのであるかということが、ピンとこなかったので私の誤読の原因であるということが判りました。 序章で読書家は少なくなったということが巷間でいわれるようになったと著者も指摘しますが、しかし一方で本好きはたくさんいることも述べています。この部分も序章で書かれているのですが見落としていたため、第5章の「カルチャーの周辺」を読むまで理解できませんでした。 以前は読書は、コミニューケーションのための大事なメディアであったと指摘しています。会話や相手を理解するうえでの「共通の知的基礎」として読書という存在があったという指摘は見事ですね。現在と過去の対比として、現在はマニアックに限定されたコアな世界については詳しく、過去は広範囲に目を通していたという社会情勢の変化とともにおこってきた現象の指摘は的を得ていると思います。 第5章の「カルチャーの周辺」の中の「されどサブカル」が本書の中で特に注目し、すっきりした章でした。 90年代末からオタクよりもっと特殊な集団が増殖してきたため議論の際「歴史的データや資料に対する細部に込み入ったこだわりとか、一般に通じない特殊な議論の仕方とか、仲間うちだけに向けられた対話を拒否した言説などといった要素…」として、彼らがオタクたちが反社会性を認識しているのに対して、彼らは反社会性どこでなく自分達は立派な存在だとして振る舞い、「自分の論点に過剰に拘泥し、些細な差異で争い、対話が成立せずに自己肯定的な言説のなかに立てこもっているわけです。」との警鐘は秀逸ですね。 技術が専門化、細分化していく中で大量の情報をどうさばいていくかとという問題がります。一方、我々が生活する中で基礎知識というものがおろそかになっているを痛感します。他人の目を気にするということは、コミニュケーションを円滑にするためのひとつの方法なのかもしれません。 コミニュケーションを大切にしていくために読書をするというのも一つの方法ですね。そのような読書のために、自分の甘えから抜け出るために、色々な作家や作品がありますよ。それらを少し紹介しますよというのが本書のねらいなのでしょう。
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本にも階級がある。 この本は、本に階級があるというところからスタートする。 スノッブな意味で読んでいてカッコいい本、 持っていてカッコいい本の紹介本だ。 一億総民主化というか、 みんながワンピースを絶賛する異様な状況下で ノーブルでエスプリの効いた 上流の作家の本を学ぶことは意...
本にも階級がある。 この本は、本に階級があるというところからスタートする。 スノッブな意味で読んでいてカッコいい本、 持っていてカッコいい本の紹介本だ。 一億総民主化というか、 みんながワンピースを絶賛する異様な状況下で ノーブルでエスプリの効いた 上流の作家の本を学ぶことは意味があると感じる。 ここに登場する作家は、 須賀敦子を筆頭に白洲正子、塩野七生と続く。 この辺から始めたいものだ。 上流とは何か?教養とは何か? について改めて考えさせられる。 自己啓発の意欲をかきたてられる一冊だ。
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