象は忘れない の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ポワロが、親友の推理作家の名づけ子にまつわる昔の事件の謎を解くという話。 事件の周囲の人々の記憶を解きほぐしながら推理していくのだが、事件自体は新たに起きることはないため全体的にストーリーはゆっくりと進む。真相も中盤で読み取れるなど謎解きという面では物足りないが、記憶の断片同士を読みながらつなぎ合わせていくのは新鮮で楽しめた。
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今起きた事件ではなく過去の事件の真相を、ポワロの灰色の脳細胞を使って解いていく。結末は驚くものではなかったが、オリヴァ夫人の働きぶりはおもしろかった。
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図書館で。 英語のイディオムなんだろうなぁとは思うけど象が記憶力が良いというのはちょっと面白い言い方だなぁ。確かに長生きは長生きだと思うけど。 それにしても精神疾患が先天的な遺伝によるものと随分考えられていたんだろうなぁ。でも母も伯母も血筋から言ったらそう変わらない気がするんだ...
図書館で。 英語のイディオムなんだろうなぁとは思うけど象が記憶力が良いというのはちょっと面白い言い方だなぁ。確かに長生きは長生きだと思うけど。 それにしても精神疾患が先天的な遺伝によるものと随分考えられていたんだろうなぁ。でも母も伯母も血筋から言ったらそう変わらない気がするんだけどそこは良いんだろうか?(しかも双子だし) 人のうわさが大抵役に立たない割に何割か真実も含んでいる、というのが面白かったです。私は又、イヤミな婦人の実子が被害者だったのかとか穿った事考えてましたよ。
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ポアロとオリヴァが、過去の出来事を忘れない"象"を探し出して聴き取り調査を行い、過去の事件の真相を追求する話。 私は普段、ミステリーを読んでいて、ほとんど真相がわからないのだが、この作品に関しては、マーガレットとドロシアの関係がわかった時点である疑いを持ち、そ...
ポアロとオリヴァが、過去の出来事を忘れない"象"を探し出して聴き取り調査を行い、過去の事件の真相を追求する話。 私は普段、ミステリーを読んでいて、ほとんど真相がわからないのだが、この作品に関しては、マーガレットとドロシアの関係がわかった時点である疑いを持ち、それ以降、それを補強してくれる事実が次々と出てきたので、最終章の手前では真相の大部分を予想できていた。 ヒントがわかりやすく、真相が予想しやすい作品ではないだろうか。 事件の背景にあるもの、時間的拡がり、人物配置、真相のまとまりなど、よくできた作品だと思う。
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『五匹の子豚』や『杉の柩』と同じ過去の事件の真相を明らかにする話で関係者に昔の話を聞いていくのですが、結局のところ全てを知る人を探し出してみんなの前で語って貰う流れなので、度肝を抜くようなトリックもなければロジカルな謎解きもありません。 ただ、真相が明らかになった後のポアロとオリ...
『五匹の子豚』や『杉の柩』と同じ過去の事件の真相を明らかにする話で関係者に昔の話を聞いていくのですが、結局のところ全てを知る人を探し出してみんなの前で語って貰う流れなので、度肝を抜くようなトリックもなければロジカルな謎解きもありません。 ただ、真相が明らかになった後のポアロとオリヴァ夫人の台詞が印象的で、なかなか味わい深い作品になっていると思います。
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今となってはかなり陳腐なトリックで、正直言ってあのオチにはがっかりした。 でも結末の、あの切ない人間模様はすぐれた文学の香りが漂い、読後感はとてもよい。満足。 やっぱ僕はマープルよりポアロが好きだなあ。
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ポワロシリーズ。 過去の作品「五匹の子豚」のように、10年以上前の事件の真相を推理する内容。ポワロの友人である推理作家が過去の自殺事件の真相を一緒に推理していく。夫婦二人の自殺として処理されたこの事件は、当時から疑惑が残されていた。そこで、当時の関係者の話を聞いて謎解きをする。象...
ポワロシリーズ。 過去の作品「五匹の子豚」のように、10年以上前の事件の真相を推理する内容。ポワロの友人である推理作家が過去の自殺事件の真相を一緒に推理していく。夫婦二人の自殺として処理されたこの事件は、当時から疑惑が残されていた。そこで、当時の関係者の話を聞いて謎解きをする。象は忘れない、、、とは、象は何年経っても忘れないことから、関係者も何かしら覚えていることがあるという話。この殺人は、愛情絡みであり、ポワロシリーズで初めて途中経過から犯人がわかってしまった。読み上げていくうちに、自分の推理が正され、今までにない感覚であった。それでも、続きが読みたい気持ちは最後まであり、満足のいく結末でよかった。
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ポワロ作品。 クリスティーが最後に書いたポワロ作品でもある。 【あらすじ】 小説家のオリヴァ女史はパーティーで初対面の女から「あなたが名付けた娘の両親は心中したが、どちらが殺したのか確認して欲しい」と依頼される。オリヴァ女史から相談を持ちかけられたポワロは、オリヴァ女史とともに...
ポワロ作品。 クリスティーが最後に書いたポワロ作品でもある。 【あらすじ】 小説家のオリヴァ女史はパーティーで初対面の女から「あなたが名付けた娘の両親は心中したが、どちらが殺したのか確認して欲しい」と依頼される。オリヴァ女史から相談を持ちかけられたポワロは、オリヴァ女史とともに心中事件と両親の過去を知る人物を辿り始める。 【感想】 タイトルに象が含まれるから、動物園かインドで起こった殺人事件の話かと思ったがそうではなかった。象の記憶力はすごい=象のように当時の状況を詳細に記憶している人がいるはず、という意図であり、捜査担当者や両親の関係者に聞き込みに行くきっかけになっている。話の構成としては、関係者と話すことで心中した両親を取り巻く情報が増えていき、ポワロがその情報を組み合わせて辻褄の合う結論を導き出すものになっている。そのため、危険と対峙するような緊迫した展開はなく、読者は謎解きに専念できる。ただし、事件の真相は想像できる範囲であり、ポワロの名推理を期待して読んでたら物足りないかも。
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「過去の事件」と言っても関係者全員の話をよく聞いて回る、という点では実はいつもと同じような捜査方法なんですね。となると、一番の面白みは、終わったはずの過去をどう現在に帰結させるか、というところなのかもしれない。もちろん、事件そのものも面白いです。クリスティは本当に動機にこだわりが...
「過去の事件」と言っても関係者全員の話をよく聞いて回る、という点では実はいつもと同じような捜査方法なんですね。となると、一番の面白みは、終わったはずの過去をどう現在に帰結させるか、というところなのかもしれない。もちろん、事件そのものも面白いです。クリスティは本当に動機にこだわりがあるなあと、改めて。
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久々にアガサ・クリスティー。 夏の暑さを忘れるミステリーを急に読みたくなっただけだが そういえば小説の舞台はオリンピックに湧くロンドン。 流れに乗っていた。 1970年代になりポアロはずいぶん年を取ったが 灰色の脳細胞は衰え知らず。 ミセス・オリヴァもでてきて変わらぬ様子が嬉し...
久々にアガサ・クリスティー。 夏の暑さを忘れるミステリーを急に読みたくなっただけだが そういえば小説の舞台はオリンピックに湧くロンドン。 流れに乗っていた。 1970年代になりポアロはずいぶん年を取ったが 灰色の脳細胞は衰え知らず。 ミセス・オリヴァもでてきて変わらぬ様子が嬉しい。 昔起きた夫婦の銃殺遺体が見つかった事件。 今になって暴かれる死の真相は? 結末も満足のいくものであった。
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