プラネタリウムのふたご の商品レビュー
とても描写がきれいで惹きこまれました。 だましだまされることの幸せと哀しみ、そんなことを考えました。
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空に輝く星が、 ここでは見えない!と言うのなら、 プラネタリウムに行きましょう。 (所詮、偽物の星でしかない?) (窮屈な有限の宇宙?) 捨てられた双子の赤ちゃんの泣き声までどっかから聞こえてくるし! あぁ、 でも… その解説員の声はとても優しくて 「目を閉じて」 偽物...
空に輝く星が、 ここでは見えない!と言うのなら、 プラネタリウムに行きましょう。 (所詮、偽物の星でしかない?) (窮屈な有限の宇宙?) 捨てられた双子の赤ちゃんの泣き声までどっかから聞こえてくるし! あぁ、 でも… その解説員の声はとても優しくて 「目を閉じて」 偽物の星に騙される事の面白さを思ってごらん。 ひょっとしたら、より多く騙される才能のある人程、 幸せなのかも知れないよ。 双子はいつの間にか泣きやんで、 どこかでじっ…と星を見ている。 この子達の成長と共に、有限の宇宙がゆっくりと広がる様を魅せてくれる温かい物語。
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星座の本をみながら読んだ。空の上にはいつの時代もロマンがある。 ショコラもそうだけど、私はこういうおばあさんにものすごく弱い。 分かることのできる、暖かく見抜くことができる、素敵な人。 見透かせて冷たくならないってできないなぁ
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だまされる才覚もだます才覚も、生きていくには必要だ。 誰にでも生まれ持った役割がある。この世はそんなにひどいところじゃない、と、証明するための役割が。命をつなぐ方法は一つじゃない。この世の美しさを証明することはその方法の一つだ。
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星のみえない村にある一軒のプラネタリウム。そこで拾われた双子の赤ちゃんは、彗星にちなんで、テンペルとタットルと名づけられた。2人が14歳になった年のこと、魔術師のテオ一座が村に公演にやってきたことがきっかけで、二人は別々の運命を歩む事になり・・・・。 童話のような語りに反して...
星のみえない村にある一軒のプラネタリウム。そこで拾われた双子の赤ちゃんは、彗星にちなんで、テンペルとタットルと名づけられた。2人が14歳になった年のこと、魔術師のテオ一座が村に公演にやってきたことがきっかけで、二人は別々の運命を歩む事になり・・・・。 童話のような語りに反して不思議とリアル。
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山間につくられたパルプ工場。そこで働く人々は、村に唯一あるプラネタリウムを愛している。工場から吐き出される煙や山々が作りだす霧が星空を隠しても、プラネタリウムには毎日美しい夜空が浮かび、それにまつわる伝説が今日も語り継がれている。そんなある日、双子の赤ん坊がそのプラネタリイウムに...
山間につくられたパルプ工場。そこで働く人々は、村に唯一あるプラネタリウムを愛している。工場から吐き出される煙や山々が作りだす霧が星空を隠しても、プラネタリウムには毎日美しい夜空が浮かび、それにまつわる伝説が今日も語り継がれている。そんなある日、双子の赤ん坊がそのプラネタリイウムに置き去りにされる。泣き男と呼ばれるプラネタリウムの技術者は、その双子を育てることになるのだが。 あいかわらずのいしいしんじ、ぐっときちゃう自分が悔しいなぁと思いながらも、やっぱり心にしみちゃうお話。プラネタリウム、捨て子の双子、それだけでも幻想的なキーワードなのに、サーカスや手品などの夢ごこちの話がさらに盛られてくる。アイスクリームの上に生クリーム乗せるみたいな感じかな。と、同時に工場主のエゴや幻覚剤の入ったお酒、大切な人の死など、大人のモチーフもきちんと軸としてあって、まんまと揺さぶられてしまう。 正直に生きることがかっこ悪いとか子供だとか、そう思っていても、人が見えない場所で歯がみをしながら泣いちゃうときってあるよね。という、だれもがつつかれたら膝くずれちゃうよという場所を良く知っているいしいしんじ。 夜空が綺麗な夏に会う本でした。
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秋ふかいプラネタリウムの薄闇に、耳を破るような赤ん坊の泣き声がひびきわたったのは、午後四時の投影がはしわまってから、十二分ほど過ぎたころだった。西の空にはデネブ、ベガ、アルタイルが、季節遅れの第三角をえがき、テンペルタットル彗星の見かけの軌跡が、南天の端を斜めに横切っていた。
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自分だけにできる役割を立派にやりすごすというのは、ふたごのことだけのように思えて、考えてみると登場人物みんなに、引いては読者にまで言えることなんだろうな・・・。 老女の言葉の後から、ひとつひとつ見つかり始めたような心地がしました。
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1ページ1ページ読み進めるのにワクワクして、 1ページ1ページ終わりに近づくのがいやだった。 泣いた。 悲しくて。 泣いた。 温かくて。 『だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。』 (素晴らしい本なので、文庫ではなく敢えて四六版の方で...
1ページ1ページ読み進めるのにワクワクして、 1ページ1ページ終わりに近づくのがいやだった。 泣いた。 悲しくて。 泣いた。 温かくて。 『だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。』 (素晴らしい本なので、文庫ではなく敢えて四六版の方で紹介。)
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久しぶりのいしいしんじ。 麦ふみクーツェを諦めてしまったので 読めるか心配でしたが(笑)、頭の中に浮かんでくるのは ステキなイメージばかりで、本当にすいすい話が進みました。 ラストには涙が止まらなくて どうしてこんなラストにしたんだー!と憤りさえ・・・。 それくらい、私のなか...
久しぶりのいしいしんじ。 麦ふみクーツェを諦めてしまったので 読めるか心配でしたが(笑)、頭の中に浮かんでくるのは ステキなイメージばかりで、本当にすいすい話が進みました。 ラストには涙が止まらなくて どうしてこんなラストにしたんだー!と憤りさえ・・・。 それくらい、私のなかでテンペル、タットル、泣き男が活き活きと 息づいていたのだと思う。 目の見えないお婆さんも 署長さんも 工場の従業員も 外国から働きに来ている人たちも 郵便局員たちも テオ一座も みーんな格好良い人たちで トリツカレ男のように舞台になってくれないかなぁ、と希望! アニメでも可!!
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