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カルチェ・ラタン の商品レビュー

3.7

41件のお客様レビュー

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16世紀パリ。セーヌ…

16世紀パリ。セーヌ河左岸に広がるカルチェ・ラタンでは、怪事件が相次いでいた。初心なぼんぼんの夜警隊長ドニ・クルパンは、難事件にぶつかるたびに、師匠と仰ぐ秀才、ミシェルに頼っていた。そんな中、その怪事件をたどっていくと、ある人物が浮かび上がってきた。分裂と改革を繰り返してきたキリ...

16世紀パリ。セーヌ河左岸に広がるカルチェ・ラタンでは、怪事件が相次いでいた。初心なぼんぼんの夜警隊長ドニ・クルパンは、難事件にぶつかるたびに、師匠と仰ぐ秀才、ミシェルに頼っていた。そんな中、その怪事件をたどっていくと、ある人物が浮かび上がってきた。分裂と改革を繰り返してきたキリスト教談義を交えた、秀才達の溜まり場カルチェ・ラタンで起きる事件。天才修道士ミシェルと、可愛いドニ・クルパンの活躍は、最後まで目が話せない感じです。

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パリの学生街カルチェ…

パリの学生街カルチェ・ラタンの様子が活き活きと描かれていて、自分も当時のパリにタイムスリップしたような気持ちになれる。どうしようもないダメ男の主人公と完璧男の二人組がユーモラスでおもしろい。

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パリのカルチェ・ラタ…

パリのカルチェ・ラタンで、靴職人が行方不明に。どうやら背後の黒幕には、大きな宗教改革のうねりがあるようだ。女タラシのミシェルとお堅いドニの捜査がはじまる。どうもミシェルのキャラに嫌悪を感じてしまう。

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ミシェルの女たらしぶ…

ミシェルの女たらしぶりや、勝手な女性に対する扱いの高尚なお話には、ほとほとうんざりするんだけれど、それを上回るくらい、ドニのへたれ具合にあきれてしまった。全ての舞台は、この時代、この場所カルチェ・ラタンだったからこそ起こりえたものだったのでは?と感じました。

文庫OFF

2023/08/14

舞台は1500年代のパリ、セーヌ左岸の学生街「カルチェ・ラタン」。新米夜景隊長のドニ・クルパンの奮闘記であり青春群像劇です。 学生街の雰囲気は『グイン・サーガ』のアムブラを思い起こさせます。おそらく、モデルの一つ。そして、青春群像劇ということでは、『四畳半神話大系』のような作品...

舞台は1500年代のパリ、セーヌ左岸の学生街「カルチェ・ラタン」。新米夜景隊長のドニ・クルパンの奮闘記であり青春群像劇です。 学生街の雰囲気は『グイン・サーガ』のアムブラを思い起こさせます。おそらく、モデルの一つ。そして、青春群像劇ということでは、『四畳半神話大系』のような作品に通じるものがあると思います。『四畳半〜』はアニメ勢なので、齧っただけですが。 正直、モラトリアムの悶々とした日常というものには、あまり馴染めてこなかったのですが「カルチェ・ラタン」はするすると読めてしまいました。歴史ものという点で馴染みがあり、入り口を開いてくれたのかもしれません。 ジュブナイルは好きなのですが、モラトリアムは苦手。言葉の意味では、同じようなものかもしれませんが、自分の感覚の話なので。 理想とするものに、真剣になることができるかどうか、が違いなのかな。理想が手に届かないと知りつつ諦めきれずにいるものの、そのこと自体から目を逸らし理想を追っているのだ自分は、という逃げ道の中で右往左往している様が好きではないからでしょう、モラトリアムは。 自分勝手な区別ですよ。 その悶々とした感情が誰でも大なり小なり経験したものであるから、共感を強く得られるのでしょうねモラトリアム。 となると、共感しづらい自分の人生経験はいかがなものか、ということになるな。それを自己分析なり自己対話なりで鬱々としてゆくのは、モラトリアムの登場人物のそれなのか。 自分自身を突きつけられるのは嫌だなぁ。

Posted byブクログ

2017/11/16

謎解きあり、哲学あり、青春あり、友情あり、一冊で何度も美味しい素敵な本だった。でも、女性が本当にロクでもないのしか出てこなくて…ちょっと残念。また、最後ラスボスとの対決と決着も何だかもう少し練れたんじゃないかなと思う。あっさりしてるというか、物足りなかった。

Posted byブクログ

2017/10/30

フランシスコ・ザビエル、イグナチオ・ロヨラ(作中ではイニゴ・デ・ロヨラ)更にはノートルダムのせむし男・カジモドまで登場。パリ大学を中心舞台にし、なにやら神学論争まで盛んに出てきますが、読むのに苦労するほどのことはありません。 主人公のドニ。泣き虫で落第生で小男、何の取り柄も無さ...

フランシスコ・ザビエル、イグナチオ・ロヨラ(作中ではイニゴ・デ・ロヨラ)更にはノートルダムのせむし男・カジモドまで登場。パリ大学を中心舞台にし、なにやら神学論争まで盛んに出てきますが、読むのに苦労するほどのことはありません。 主人公のドニ。泣き虫で落第生で小男、何の取り柄も無さそうです。一方で相手役のミシェル。頭脳優秀で美男子で大男で女にもてて喧嘩に強い不良。しかも元を正せば貴族の息子。その対比で事件を解決します。 ミシェルがホームズ、ドニがワトソンの役廻り。しかしこのドニ、何の取り柄も無いようで、向上心と人を思う心はたっぷりです。そしてユックリながら確実に成長していきます。一方のミシェル。どこか余りの自尊心があだになり、身近な人間も救えずに。。。そのあたりの爽やかさが良いですね。

Posted byブクログ

2017/09/01

のっけから、『三銃士』のパロディめいた勿体ぶった「序」ににやにやしてしまい、テンションが上がった。 主役2人がとても魅力的でなんともいいコンビ。この人の書く「男」は本当にかっこいいなと思う。 余談だが、ミシェルは私の知人に似ている。頭が良く、享楽的で人をくったようなところがあり...

のっけから、『三銃士』のパロディめいた勿体ぶった「序」ににやにやしてしまい、テンションが上がった。 主役2人がとても魅力的でなんともいいコンビ。この人の書く「男」は本当にかっこいいなと思う。 余談だが、ミシェルは私の知人に似ている。頭が良く、享楽的で人をくったようなところがあり、大勢の人を惹きつける人間的魅力と人望があって自信に満ちているように見えながら、実は自己評価が低く、人生観や社会観がどこか悲観的。はたから見れば得られないものなどなさそうなミシェルの厭世的な様子を読んで、その知人にも本人しかわからない闇があるのだろうな、などと思ったりしてしまった。 難をいうならば、女性の登場人物がステレオタイプで魅力がない。男はあれほどいろいろ個性的で深みがあるのに、女はなぜ「男とは思考回路が違う生き物」的に片付けられ、パターン分けしたかのような単純な人間に描かれてしまうのかなと残念に感じた。 全体を通して「昔のパリ」の猥雑な雰囲気も伝わってくるようで楽しかった。終盤はやや切ないが、温かい結末と爽やかな読後感はさすが。(2008.8.10)

Posted byブクログ

2015/12/18

 1536年のパリ。新米夜警隊長のドニ・クルパンとその元家庭教師ミシェルは、パリで起こる様々な事件に挑む。  しかし、ある事件でミシェルが犯人として疑われ、ドニはカルチェラタンの神学生たちとともに、パリの裏にうごめく陰謀に挑むことになる。  主人公のドニは、他の佐藤作品と違い女...

 1536年のパリ。新米夜警隊長のドニ・クルパンとその元家庭教師ミシェルは、パリで起こる様々な事件に挑む。  しかし、ある事件でミシェルが犯人として疑われ、ドニはカルチェラタンの神学生たちとともに、パリの裏にうごめく陰謀に挑むことになる。  主人公のドニは、他の佐藤作品と違い女性にかなり奥手。そんなドニに事件の指南と共に、女性指南もするのがミシェルです。このミシェルの女癖はかなり悪く、それだけにドニとのデコボココンビぷりが際立ちます。この二人のやり取りが面白いです。  そして、登場人物たちも豪華です。神学生として登場するのは、フランシスコ・ザビエルやイエスズ会の創立者、グナチオ・デ・ロヨラ、といった実在の有名人も登場させるなど、歴史とフィクションをごちゃまぜとしたエンターテインメントになっています。彼らがドニと共にパリの街を右往左往し、巨大な陰謀に迫る姿もいいです。  泣き虫かつ女性に奥手のドニが、徐々に成長していき、ザビエルたちと友情を深めていく様子や、ミシェルとの師弟関係、そして、女性に対しても成長していき、そしてそれぞれの岐路を迎える。舞台はヨーロッパで、神学や宗教の話も出てきますが、しっかりとした青春小説になっています。  佐藤さんらしい女性と性に関する独自の観点にも注目です。ここの切れ味も何というか、相変わらずですね(笑)

Posted byブクログ

2015/02/05

凝った枠組みの中で展開される西洋歴史小説。 パリ観光の経験がある当方からすると、ちょっと聞いたことのある登場人物などへの親近感と相まって何となく身近に感じられる。この辺りは娯楽小説としてのツボを押さえているということ。 またこの間読んだ『チェーザレ』、そして日本の戦国時代と同じよ...

凝った枠組みの中で展開される西洋歴史小説。 パリ観光の経験がある当方からすると、ちょっと聞いたことのある登場人物などへの親近感と相まって何となく身近に感じられる。この辺りは娯楽小説としてのツボを押さえているということ。 またこの間読んだ『チェーザレ』、そして日本の戦国時代と同じような時代と考えると、日本の思考がいかに狭い場所で蠢いていたか(あるいは現在形のいるか)、本書がおそらく意図しないものであろうが思い知らされる。 しかしこの作家のポルノチックなエロ描写、少々何とかならんのかと思わなくもない。

Posted byブクログ