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二重人格 の商品レビュー

3.3

33件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2023/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドストエフスキーは自信満々だった作品らしいが、当時世間からは酷評だったらしく…。 あらすじをみた感じすごく面白そうな話だなと思って読み始めて、最初の方はまだ動きもあるしわかりやすいから楽しく読めてたけど、途中からはそりゃ酷評だったろうな…という気持ちになってくる。 あまりにも冗長で反復的。 ドストエフスキーはそういう作風ではあるとおもうけど、これは特にそうで、その上反復する内容が無意味で支離滅裂なことばかりなのでしんどくなってくる。 あとゴリャートキンは読点感覚で相手の名前を連呼してくるので、台詞の半分近くが相手の名前になっちゃってることもあり、そこもうっとおしく感じた。 新ゴリャートキン氏は、最初は実在してるとおもって読んでいたけど、あれ?幻覚か?と思わせる部分もあり、解説でも『完全な精神錯乱を起こし、ついに幻覚が現れるようになる。』と書いてあるからやはり幻覚なのかな? 自分には敵がいると思い込んだり、呼ばれてもいないパーティーに参加して醜態をさらしたり、初っ端から精神になにか異常をきたしている気配はあった。 どこまでが現実でどこからが幻覚だったのかわからないのでもう一度読みたいけど、いま読み返す気力はないのでまたいつかあらためて読んでみたい。 テーマ自体は好きな部類なので、冗長さをもっと減らしてこざっぱりとした短編にしていたら、もしかしたらもっと楽しく読めたのかもしれない。

Posted byブクログ

2021/05/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドストエフスキー作品の中でも読みづらさでは上位にくるように感じた。中々入り込めない上に主人公も好きになれなかった。

Posted byブクログ

2020/08/26

小心な下級官僚の主人公が、官庁、住む都市から、思わぬ圧迫感を受け、自分の分身を幻覚に見るようになる。病なのでやむを得ないところもあるやに感じるが、環境が違えば救済が得られたかは不明である。ドストエフスキーの「貧しき人々」に次ぐ第2作とのこと。著者として自信作だったらしいが、あまり...

小心な下級官僚の主人公が、官庁、住む都市から、思わぬ圧迫感を受け、自分の分身を幻覚に見るようになる。病なのでやむを得ないところもあるやに感じるが、環境が違えば救済が得られたかは不明である。ドストエフスキーの「貧しき人々」に次ぐ第2作とのこと。著者として自信作だったらしいが、あまり知られていない。2020.8.26

Posted byブクログ

2020/05/25

ドストエフスキーの第2作目。 1846年。作者25歳の時。 内容からすると、「二重人格」よりも「分身」の方がぴったり。 ドイツ語に直すとドッペルゲンガーだそうだし。 ゴーゴリ風の文体で書かれた作品という訳者の説明だが、前半はとくにそうなのだろうが、後半になると、主人公のモノロ...

ドストエフスキーの第2作目。 1846年。作者25歳の時。 内容からすると、「二重人格」よりも「分身」の方がぴったり。 ドイツ語に直すとドッペルゲンガーだそうだし。 ゴーゴリ風の文体で書かれた作品という訳者の説明だが、前半はとくにそうなのだろうが、後半になると、主人公のモノローグに近くなり、不安と葛藤と焦燥にかられて暗鬱なペテルブルグを彷徨う主人公ゴリャートキンの内面描写は、後年の「罪と罰」のラスコーリニコフを思い起こさせる。 だが、デビュー作の「貧しき人々」の大好評に反して、この作品はさんざんな評価だったらしい。 ドストエフスキーは終生この作品を気に入っていたというから、もともとこういう病的な心理描写が好きでもあり、余人には真似できないという自負もあったのだろう。ドストエフスキーの魅力の一つである支離滅裂にのたうちまわる内面を描写する手法を、ここで発見したということもあるのかもしれない。 もちろん、作者も主人公も、まだ深淵に、地下に降りておらず、たんに地上を駆け回っているだけという感じ。 発表当時、冗長という批判があったそうだが、そのせいもあるだろう。 その一方で、すでにゴーゴリ的世界を抜け出て、現在の都市生活者の不安と幻想を持つゴリャートキンの心理的リアリティを、当時の感覚ではまだ理解できなかったということもあるのではないか。

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2016/09/22

怖すぎる。予想を超えた結末の悲惨さ。卑屈さとその裏返しの羨望が生んだ悲劇か。 主人公ゴリャートキン。 ドッペルゲンガーがモチーフ。 職場の席がなくなるなんて象徴的。

Posted byブクログ

2014/12/25

長い、まさに冗長。 くどくどくどくどくどくどと続く自分語り。何度でも同じことを言う。しょうもなさが侵食してこれを読んでいる自分もしょうもない人間なんだと感じるぐらい凄い。最後まで読む人間の気が知れない。読んだけど。 という風になるところまで含めて、主人公のゴリャートキン氏と同じ...

長い、まさに冗長。 くどくどくどくどくどくどと続く自分語り。何度でも同じことを言う。しょうもなさが侵食してこれを読んでいる自分もしょうもない人間なんだと感じるぐらい凄い。最後まで読む人間の気が知れない。読んだけど。 という風になるところまで含めて、主人公のゴリャートキン氏と同じように靴に雪が入ってグチャグチャになった時のような惨めさを体験できる優れたツールです。

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2018/12/30

人付き合いが苦手で、コンプレックスの塊のような下級役人が、ある大失敗を機に、自分がこうなりたいという理想像を分身として出現させてしまう。分身は本人を先回りして手柄を立てたり、本人をバカにしたりし、ついに発狂してしまう。 一人称ではないが、発狂する本人目線で書かれているので、読者...

人付き合いが苦手で、コンプレックスの塊のような下級役人が、ある大失敗を機に、自分がこうなりたいという理想像を分身として出現させてしまう。分身は本人を先回りして手柄を立てたり、本人をバカにしたりし、ついに発狂してしまう。 一人称ではないが、発狂する本人目線で書かれているので、読者はまさに本人が見ている幻覚を見させられることになる。まったく前に進まず、なにごともうまくいかない様が、自分のことのように痛々しい。 「二重人格」というタイトルは人格が入れ替わることを想起させるので少しずれている。「分身」も少し違うが、主人公目線で言えばこちらの方がよいかな。客観的に見ると(別の登場人物目線で見たら)、うーん、ただの「発狂」になるか。状況を描写するとしたら、「もう一つの人格」「新しい人格」「分身」かなあ。

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2014/01/05

そしてあの悪人、堕落した人間の手から私をお救いくださいまし・・・。 あれは別の人間なのでございます。 かっか、それに私もやっぱり別の人間なのでございます。 あの男も独立した人間なら、私もやはり独立した別個の人間なのでございます。 それにちがいないのでございます。

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2012/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドストエフスキーのなかでも冗長とされる作品。実際読んでもあまりいい作品とは思えない。主人公と、もう一人の主人公とが顕れ、自分はなんて嫌なやつなんだと思い込む作品。 ドストエフスキーの作品全体に云えること(であろうこと)であるが、たしかに真実を云っているが、そこまで云わしめなくとも良いだろうということだ。 ドストエフスキーにとらわれず、他の作品も当たってみたい。特に好きな作家になるということもないだろう。

Posted byブクログ

2012/04/23

この小説の主人公は内的な自尊心が強いものの、臆病者である。それがある悲劇の原因になるのだ。 正直この主人公と自分は似ていると思う。

Posted byブクログ