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権利のための闘争 の商品レビュー

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40件のお客様レビュー

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 主観的不法と客観的…

 主観的不法と客観的不法とに区別し、悪意の不法である主観的不法に対しては闘って権利を防衛すべきだ、とのテクストにおいて書かれた書(読めば誰でも分かるが、客観的不法に対しては、闘って権利を防衛すべき、とは言ってない。なのでとにかく権利侵害には闘わなければいけない、という読みは完全な...

 主観的不法と客観的不法とに区別し、悪意の不法である主観的不法に対しては闘って権利を防衛すべきだ、とのテクストにおいて書かれた書(読めば誰でも分かるが、客観的不法に対しては、闘って権利を防衛すべき、とは言ってない。なのでとにかく権利侵害には闘わなければいけない、という読みは完全な誤読)。 ただ、若干(大衆向けなので)無駄に長いのが難。

文庫OFF

権利は闘争によって得…

権利は闘争によって得られるものであり、権利を侵害された場合は闘争することが人間の義務であるとまで言っています。たとえ経済的に損をしようと労力がかかろうと、人びとが闘争し続けていかなければ権利は守られないのだ、それは社会ひいては国家のためにも必要なのだ、と言っています。権利感覚が鋭...

権利は闘争によって得られるものであり、権利を侵害された場合は闘争することが人間の義務であるとまで言っています。たとえ経済的に損をしようと労力がかかろうと、人びとが闘争し続けていかなければ権利は守られないのだ、それは社会ひいては国家のためにも必要なのだ、と言っています。権利感覚が鋭くない国民は他国との関係においても常に損をしていくであろうからです。貧乏人には実行困難な主張である気もしますが、権利について考える際欠かせない一冊です。権利のもともとの性質ってなんだろうと考えて見たい人向けです。薄くて論旨

文庫OFF

表題のとおり、権利を…

表題のとおり、権利を得るためには闘争する義務がある、というような主張をしています。とても熱い主張でなるほど、と思わせるものがありますが、どこか見落としている点があるような・・・。

文庫OFF

権利が蹂躙されるなら…

権利が蹂躙されるならばその権利の目的物が侵されるだけではなく己れの人格までも脅かされるのである。権利のために闘うことは国家・社会に対する義務であり法の生成・発展に貢献するのだ。

文庫OFF

少し難しかったが、一…

少し難しかったが、一度読んでみてもいいと思う。権利のために闘うことは自身ことだけではなく、国家や社会に対する義務でもあるという考え。

文庫OFF

2024/11/10

イェーリング著、村上淳一訳『権利のための闘争(岩波文庫)』(岩波書店) 1982.10発行 2020.6.3読了  イェーリング(1818-1892)はドイツの民法学者である。「目的こそすべての法の創造者である」という言葉が特に有名で、井田良著『刑法講義学・総論』にも紹介されて...

イェーリング著、村上淳一訳『権利のための闘争(岩波文庫)』(岩波書店) 1982.10発行 2020.6.3読了  イェーリング(1818-1892)はドイツの民法学者である。「目的こそすべての法の創造者である」という言葉が特に有名で、井田良著『刑法講義学・総論』にも紹介されていた。『権利のための闘争』の原題は「Der Kampf ums Recht」であり、本書に収録されているものはイェーリング死後の1894年刊行の第11版である。初版は1872年に刊行されている。普仏戦争(1870~1871)でプロイセンを中心とする北ドイツ連邦・南ドイツ連邦連合とフランスが戦い、プロイセン側が勝利すると、1871年にドイツ統一によりドイツ帝国が誕生する。そうした歴史的経緯を踏まえて本書に臨まないと、この本は誤解を生むだろう。  本書の根幹は、村上淳一氏が解説で述べているとおり、「権利者の自分自身に対する義務」すなわち倫理的な人格の自己主張として「権利のための闘争」を要請している点にあろう。そして、そうした権利を国家によって付与されたものと見る前提(現代国家においては、大多数の権利についてそのような前提がとられている)の下においても、その国家を法治国家たらしめるために国民個人が自己の正当な権利を積極的に行使すべきこと、そのための諸制度が国家によって整備さるべきことを説いている点が、今なお意義を持っているものと思われる。  しかしながら、自己の権利が法によって蹂躙される時、権利に味方するための闘争は、法律に敵対するための闘争となる(p101)。また、国際紛争の解決手段としての武力行使は際限なく許容されることになってしまう。現在、香港では反体制的な言動を取り締まる「国家安全法制」の導入を巡って、デモが繰り広げられている。トランプ大統領は香港の優遇関税措置の撤廃をちらつかせて中国に圧力をかけている。しかし、そのアメリカでも、ミネソタ州ミネアポリスで黒人のジョージ・フロイド氏(46)が白人警官に殺害され、平和的デモのほか、大規模な略奪も発生している。国民的権利感覚がそうした権利=法状態に対して行う告発と抗議は、国家的制度の民衆的代替物・補完物であるとイェーリングは言っている(p101)。  我々は流血を見ない方法で我々の権利を守らなくてはならない。その方法について、イェーリングは何も語らない。我々個人一人ひとりが考えて行かねばならない。  不法に対していかに対抗すべきか。 https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001587525

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2023/05/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「被害者を駆り立てて訴訟を起させるは、冷静に熟考された金銭的利害ではなく、加えられた不法についての倫理的不快感である。」(48頁) 「人格そのものに挑戦する無礼な不法、権利を無視し人格を侮蔑するようなしかたでの権利侵害に対して抵抗することは、義務である。それは、まず、権利者の自分自身に対する義務である」「それは、また、国家共同体に対する義務である、――それは法が実現されるために必要なのだから」(49頁)

Posted byブクログ

2023/04/21

平和を目的とする法=権利は、言語法則のように自然と共有されるものではなく、勢力間の闘争によって獲得されるものである。権利を主張することは、自身に対する義務であり、国家に対する義務である。権利は主張されなければ形骸化してしまうため、権利感覚の涵養が重要となる。 日本人の法意識を読み...

平和を目的とする法=権利は、言語法則のように自然と共有されるものではなく、勢力間の闘争によって獲得されるものである。権利を主張することは、自身に対する義務であり、国家に対する義務である。権利は主張されなければ形骸化してしまうため、権利感覚の涵養が重要となる。 日本人の法意識を読み、日本人の権利意識が曖昧であることを踏まえてこの本を読んだ。日本人は歴史的に見て、闘争によって権利を獲得した経験がほとんどなく、また共同体での生活及び教育の中でも権利感覚を養成する機会が少ないため、権利意識が曖昧なのだろうと思う。多様性や個人主義が生活に入り込んできている現代においては、権利の主張、権利意識の涵養が必要になってくると感じた。

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2023/10/13

むかし学生だったとき、教養課程の法学で日本評論社版がテキストとして使われた。 「権利/法のために闘え。それは社会に対するお前の義務だ」という主張のインパクトが強くて、その後の自分に影響を与えている本だと思う。 専門分野ですら大学で使った書籍の名前なんて全然覚えていないのに、一般教...

むかし学生だったとき、教養課程の法学で日本評論社版がテキストとして使われた。 「権利/法のために闘え。それは社会に対するお前の義務だ」という主張のインパクトが強くて、その後の自分に影響を与えている本だと思う。 専門分野ですら大学で使った書籍の名前なんて全然覚えていないのに、一般教養でたまたま出くわしただけの「権利のための闘争」だけは、何年経っても書名も著者名も鮮明に記憶している。 岩波文庫版で再読して、やっぱりいい本だと思った。

Posted byブクログ

2024/04/22

法はその民族の歴史・精神によって発展する。フリードリヒ・カール・フォン・サヴィニーSavigny(1779-1861) 私人と私人が自分の権利のために闘うことで得た権利は、国民の自由のための憲法上の闘いでも使うことができるし、外国の敵に対する国際法上の闘いにも使うことができる。...

法はその民族の歴史・精神によって発展する。フリードリヒ・カール・フォン・サヴィニーSavigny(1779-1861) 私人と私人が自分の権利のために闘うことで得た権利は、国民の自由のための憲法上の闘いでも使うことができるし、外国の敵に対する国際法上の闘いにも使うことができる。私人が自分の権利のために闘うことで、ひいては社会秩序を守ることに繋がる。▼権利=法の目標は平和であり、そのための手段は闘争である。この世の一切の権利は闘いとられたもの。ルドルフ・フォン・イェーリングIhering『権利のための闘争』1872

Posted byブクログ