夢十夜 他二篇 の商品レビュー
読んでいる最中も読み終えた後も運慶が明治まで生きている理由を考えているが、とんと分からない。 そも、この夢を見た主は、本当に分かっているのかさえ、だんだん疑わしく思われてくる。 よく、夢を見る。 夢を見て、その中でものを思い、天啓を受けたような、閃光を目の当たりにすることがある...
読んでいる最中も読み終えた後も運慶が明治まで生きている理由を考えているが、とんと分からない。 そも、この夢を見た主は、本当に分かっているのかさえ、だんだん疑わしく思われてくる。 よく、夢を見る。 夢を見て、その中でものを思い、天啓を受けたような、閃光を目の当たりにすることがある。 けれど、果たして夢から覚めてみれば、いったい何に合点が行ったのかさっぱり分からなくなっていることがほとんどだ。 時々覚えていることもあるのだけれど、夢の中で得たような「あっ!」というひらめきはもう消えていて、改めて検討すると「あぁ…?」というがっかりが残る。 いや、夏目先生のことだから、しっかり考察するだろうけれど。 それにしても不思議なのは、運慶が生きていることだ。 運慶が「今日」まで生きていたら、ぜひ、夢の中でお会いしたいものだ。 そうしたら、ほぼ解る気もするのに。
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不思議な夢から怖い夢まで。文鳥は悲しくなりますね。夏目さんの日常は周りにいろんなひとがいるので飽きないです。
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全編を通して不安、脈絡のなさを感じた。しかしそれが夢だ。第三夜が怖い。第一夜と第十夜がすき。 おじいさんが川へ入っていく話がコミカルで面白いけど、ラストが怖い。どこからきたの? 臍の緒 っていう受け答えが面白い。
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漱石には娯楽的作品と幻想的作品がありますが幻想の方。ロマンというのはこういうものでしょう。美しい夢の話。 「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」
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面白い。想像したよりも面白かった。 個人的には一夜と三夜の話が好き。 これは漱石自身の夢をもとに書かれたものらしいけど、本当にこんな様々にみたのかね? ロマンチックだったり、怖かったり、滑稽だったり。 それにしてもどれもたんたんとしていて、それでいてドラマチックなのが流石...
面白い。想像したよりも面白かった。 個人的には一夜と三夜の話が好き。 これは漱石自身の夢をもとに書かれたものらしいけど、本当にこんな様々にみたのかね? ロマンチックだったり、怖かったり、滑稽だったり。 それにしてもどれもたんたんとしていて、それでいてドラマチックなのが流石。
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すこし星新一を思い浮かべながら読んでた。 夏目漱石っぽくなくて、でも理屈っぽいとこはやっぱそうか、とかいろいろ。
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改めて、文章が上手い。嘆息…。 漱石の文章は、ふとした感覚が、的確に美しく表現されているのがすごい。 夢十夜の異様性たっぷりな美しさ、文鳥と永日小品での日常続きの描写、良かったです。
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山のシューレで能楽師の安田登さんが演じたものが、この夢十夜のオマージュ(物語内のいくつかの話が混在している)だったと知って読んでみました。 夏目漱石はあまり読んだことがなかったけど、これはすごく好き。曖昧さの極致を表現してると思う。
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第一夜の夢が好き。 白い百合ってとこがいい。百年も待ち続けて百合って。 なんとなく、小泉八雲の「怪談」を思い出しました。
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