眼球譚 の商品レビュー
吐き気を催すようなリ…
吐き気を催すようなリアルな表現だけに気をとられずに何度も読むと、より一層楽しめる小説。しかしグロテスクな表現が苦手な人は読まないほうが良いと思います・・・
文庫OFF
エロティックというに…
エロティックというには、あまりに描写がストレートすぎます。残酷ではありませんが、そういうものが苦手な人には向かないかも。
文庫OFF
淫猥で涜神的な内容が続くが、思うままに性を謳歌しながら欧州を渡るシモーヌの足取りは刹那的かつ軽快で、官能小説より青春小説的な印象の方が強い。思想書として理解するには、背景となる社会の違いと、私の勉強不足もあって2部を読んでも難しかったけれど、生涯付き合っていきたいと思えるくらい衝...
淫猥で涜神的な内容が続くが、思うままに性を謳歌しながら欧州を渡るシモーヌの足取りは刹那的かつ軽快で、官能小説より青春小説的な印象の方が強い。思想書として理解するには、背景となる社会の違いと、私の勉強不足もあって2部を読んでも難しかったけれど、生涯付き合っていきたいと思えるくらい衝撃的で鮮烈な内容。 これは読み取りとしては不正解な感想なのかもしれないが、最後シモーヌが何者にもなれないまま平凡に老いて平凡に惨めに死んでいったことが本当にあっさり書かれていて、その文を読み終えた時うまく言語化できないけどなにか腑に落ちた感覚があり、穏やかな読後感だった。
Posted by
金原ひとみさんと平野啓一郎さんの対談内で バタイユが共通の話題として挙げられていたので手に取りました。 文学的に云々考える以前に 自分はその域には達していないと突き付けられ、放心。 シチュエーションが想像を絶しすぎて 「え、これほんまに合ってる?突飛すぎない?あえ??」 と終...
金原ひとみさんと平野啓一郎さんの対談内で バタイユが共通の話題として挙げられていたので手に取りました。 文学的に云々考える以前に 自分はその域には達していないと突き付けられ、放心。 シチュエーションが想像を絶しすぎて 「え、これほんまに合ってる?突飛すぎない?あえ??」 と終始置いてけぼり。 ちょっとね、苦しかった。 この物語が作者の精神状態を反映していることを想像すると その苦しみはさらに計り知れない。
Posted by
お、おう…。嫌悪と魅惑が同居する久しぶりの感覚を味わった。一度通読しただけだが、今すぐにもう一度ページをパラパラめくってこの物語を振り返る気分にはなれない。まさに暴力的なまでの性描写、理解を拒む放蕩の世界がそこにあったとだけ記しておこう。 バタイユが生きた時代と現代の私たちが常識...
お、おう…。嫌悪と魅惑が同居する久しぶりの感覚を味わった。一度通読しただけだが、今すぐにもう一度ページをパラパラめくってこの物語を振り返る気分にはなれない。まさに暴力的なまでの性描写、理解を拒む放蕩の世界がそこにあったとだけ記しておこう。 バタイユが生きた時代と現代の私たちが常識的に持ち合わせている倫理観や性的な常識というものはそこそこ異なっていると思う。しかし、この中にある性は二部で著者が語ったようにその時代でさえ憚られるような妄想が体を成した代物であって、まともに読もうとすれば脳が焼ききれるような、そんな一冊であった。 陶酔的祝祭、訳者があとがきに残していたことばがしっくり来た。
Posted by
オーシュ卿名義で匿名出版されたバタイユの処女小説とのことです。 エロティシズムと死というバタイユ思想のエッセンスが詰まった作品ではないでしょうか。 玉子、眼玉、牛の睾丸といった球体の象徴するところがなんなのかは第二部や解説を読むと腹落ちします。 女性器と玉子というと大島渚の...
オーシュ卿名義で匿名出版されたバタイユの処女小説とのことです。 エロティシズムと死というバタイユ思想のエッセンスが詰まった作品ではないでしょうか。 玉子、眼玉、牛の睾丸といった球体の象徴するところがなんなのかは第二部や解説を読むと腹落ちします。 女性器と玉子というと大島渚の愛のコリーダが浮かびますが、少なからず影響を受けているのかも。 バタイユの本人談でロード・オーシュ(オーシュ卿)の由来が語られています。 友人の立腹時の口癖が、雪隠へ失せな!(オー・シユオット!)で彼は略してオーシュと言うことに関連していると。 ロードは英語で「主なる神」、ロード・オーシュとは「便所にしゃがんだ神」でいわば「便所神」である。 なんたる瀆神! 本書は小説というより思想書として読む方がよい気がします。
Posted by
16歳の私とシモーヌの理性崩壊と狂気の物語は当時の理性重視の西欧社会に対する批判の書であった。エロティシズムを語る人もいるがそれは手段でしかない。反理性主義、本能を重視し人間の生の本来の目的は非生産的消費であると考えたバタイユがその思想を伝えるのに最も的確で反理性的なものがエロテ...
16歳の私とシモーヌの理性崩壊と狂気の物語は当時の理性重視の西欧社会に対する批判の書であった。エロティシズムを語る人もいるがそれは手段でしかない。反理性主義、本能を重視し人間の生の本来の目的は非生産的消費であると考えたバタイユがその思想を伝えるのに最も的確で反理性的なものがエロティシズムなのだ。バタイユの球体幻想となる眼球への執着は厳格な神父で盲人だった父親が晩年狂って支離滅裂になったときの理性崩壊を父の白目だけの眼に象徴として捉え、睾丸や尻、玉子といったものへと連鎖させ、嫌悪感と性的興奮が同居する〈相反するものは一つに重なる〉と考えたバタイユ思想を表現している。現代日本とは違う時代、文化の中で書かれた思想小説だから、それを考えずに読むとただのエログロ小説になる
Posted by
どこで眼球が作用してくるんだろうと思ったらそういうことかー......最後ちょっとだけ想像したらゾッとした。 作品単体で読むとエロスとタナトス的だな〜って感じるけど、解説とかバタイユの後序を読むとしっかり意味があったりモチーフがあったりしたんだなって合点がいく。
Posted by
開始早々に性の悩みの告白、そこから尻で皿に座るだの、尻で玉子を割るだのマニアックな性癖が続き、普通の行為に興味ないのは流石バタイユ先生。闘牛あたりからは割と好き。そして第2部読むと一気に読了感変わる。本編のイメージとイメージの結びつきの解、何より壮絶な幼年期で興味深い。
Posted by
世の中で一番エロい本はどれだろうか? ということを調べるためと称してあれこれ読んでいた時期があって。(若かったなぁ、あの頃は!) クラスメイトからの情報に基づき、「家畜人ヤプー」「O嬢の物語」「毛皮を着たヴィーナス」「悪徳の栄え」そしてタイトルも忘れてしまったけど大量の『マドンナ...
世の中で一番エロい本はどれだろうか? ということを調べるためと称してあれこれ読んでいた時期があって。(若かったなぁ、あの頃は!) クラスメイトからの情報に基づき、「家畜人ヤプー」「O嬢の物語」「毛皮を着たヴィーナス」「悪徳の栄え」そしてタイトルも忘れてしまったけど大量の『マドンナ文庫』『富士見ロマンス文庫』などなどを読んだ。 でも、それから数年して、なんの前情報も無く、単に題名に惹かれて読んだこの本が1番ガツンときた。 そんなことをここの某さんの本棚で見かけたこの本のタイトルを見て、鮮やかに思い出しました。ありがとう。
Posted by