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人はなぜ「美しい」がわかるのか の商品レビュー

3.3

38件のお客様レビュー

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「美しい」とは結局ど…

「美しい」とは結局どういう事なのか。古典や芸術をよく知る著者の解説。しかし、芸術論は哲学に似ていて、解読が難しい。

文庫OFF

2024/03/21

読んでいて自分は理解できているのか、わかって読んでいるのか、文字の羅列を追っているだけじゃないかと不安になった。途中で(芸能知識的に)わからない例が出てきてわかならいと思う部分があるなら他はわかってるのか、よかった。と思った。要するに、「知っているか知らないか」「知らないと判断で...

読んでいて自分は理解できているのか、わかって読んでいるのか、文字の羅列を追っているだけじゃないかと不安になった。途中で(芸能知識的に)わからない例が出てきてわかならいと思う部分があるなら他はわかってるのか、よかった。と思った。要するに、「知っているか知らないか」「知らないと判断できない」と言うところかと思う。人は全てを知らないくせに全てを知ったかのように何かを好きだと言う。判断材料が揃った思えるかどうかは人それぞれではあるが…。みたいなぐるぐるする思考回路を本にしたような読み物。よく言語化できたな…と驚く。国語の問題に話が面白かった。小学生の時から疑問だった。同じ事考えてる人がいて嬉しかった。もう一回読みたい。そもそも題名が素敵。

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2023/09/24

美しいとは何か、を言語化しようと読書。自分の思う答えはみつけられなかったが、美しいとは合理的、機能美、主観、整っている、落ち着かせる、幸福、これらキーワードかなと思う。

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2023/05/15

美的感受性を育てるには 「リラックスを実現させる人間関係(幸福の実感)」+「自分の所属するもの以上に良いものがあるという実感・期待」が必要。 美しいと感じるのにも↑は必要なんだと思った。 失われた幸福を実感させてくれるような、孤独を忘れさせてくれるような、 やるせない・寂しいよ...

美的感受性を育てるには 「リラックスを実現させる人間関係(幸福の実感)」+「自分の所属するもの以上に良いものがあるという実感・期待」が必要。 美しいと感じるのにも↑は必要なんだと思った。 失われた幸福を実感させてくれるような、孤独を忘れさせてくれるような、 やるせない・寂しいような美しさを感じるには、幸福を実感した経験があるからなのかもしれないなと感じた。 そう思うと、やるせない・切ない気持ちになることは、 幸福を知っている証明なのでポジティブなことなのかもしれない。

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2022/10/28

128 『枕草子』を書いた清少納言が「時代の中に生きた美の冒険者」であるのに対して、『徒然草』を書いた兼好法師が、「時代の中に生きなかった美の傍観者」であるという違いです。  だから、兼好法師は出家してしまう。 →徒然草=「隠者の文学」はつまんねぇ 146 『徒然草』は「王朝の...

128 『枕草子』を書いた清少納言が「時代の中に生きた美の冒険者」であるのに対して、『徒然草』を書いた兼好法師が、「時代の中に生きなかった美の傍観者」であるという違いです。  だから、兼好法師は出家してしまう。 →徒然草=「隠者の文学」はつまんねぇ 146 『徒然草』は「王朝の美学」を語ることに挫折した男による、日本で最初の「人間世界」を語るエッセイ集です。気がつけば「王朝の美学」はもう遠くに去っていて、自分の目の前には「美」を欠いた雑な「人間世界」があった。つまり、「現実に目を向けた」です。 →出家=世を捨てることの意味 245 批評に必要なのは、「終わってしまった領域の確定」で、だからこそ対象化は、「過去にする」を必須とするのです。 国破れて山河あり

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2020/10/03

橋本さんの著書は好きでよんでいると気分が良くなり「そうそう」と思うんだけど、読み終わって「…だから…」とうまく説明できないんだな でも、それでいいんじゃないかな とにかく、社会的、経済的に「美しい」とされるものには気をつけたいし、そう思うと楽になることは確か 「美しさ」に世界が満...

橋本さんの著書は好きでよんでいると気分が良くなり「そうそう」と思うんだけど、読み終わって「…だから…」とうまく説明できないんだな でも、それでいいんじゃないかな とにかく、社会的、経済的に「美しい」とされるものには気をつけたいし、そう思うと楽になることは確か 「美しさ」に世界が満ちていると思えばなんかいいな

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2019/07/14

不思議な本だ。タイトルからして妙だ。 「美しい」は理解するものではなく感じるものだと言っているのに「わかる」とは一体どうしたことか?結局最後まで訳がわからなかった。 認めたくないことだが、自分は「美しい」がわからない方の人間なのかもしれない。何を見ても分析・解析が先に立つ性分では...

不思議な本だ。タイトルからして妙だ。 「美しい」は理解するものではなく感じるものだと言っているのに「わかる」とは一体どうしたことか?結局最後まで訳がわからなかった。 認めたくないことだが、自分は「美しい」がわからない方の人間なのかもしれない。何を見ても分析・解析が先に立つ性分では仕方がないか。

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2018/06/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 分かっている人間は、「自分はもう分かっているから」という理由で、さっさと重要なことをすっ飛ばしてしまいます。ところが分からない人間というのは、「一体あいつは“なに”が分かっているんだ?こっちは“なに”が分かっていないんだ?」という悩み方をするものです。分かっている人間には、この分かっていない人間の悩み方自体が理解できないのですが、分からない人間は、「なにを分かるんだ?」というところでつまずいているのです。(pp.12-13) 「美しい」は、直接的にはなんの役にも立たない発見です。役に立たないものだから、「美しい」なんてことは分からなくてもいいということになります。だから、「美しい」が分かる人は、「美しいが分からないなんていう悲しいことがあってもいいもんだろうか」と思いますが、分からない人は分からない人で、「それがどうした?分からないものは分からない」で終わりです。それで片がついてしまうのは、「美しい」が、直接的にはなんの役にも立たない発見だからです。  直接的にはそうですが、しかし、「美しい」には重大な役割があります。それは、「自分とは直接に関わりのない他者」を発見することです。 直接的には関係がないーしかし、それは存在する。「関係がない」という保留ぐるみ、「存在する他者」を容認し、肯定指定しまう言葉ーそれが「美しい」なのです。もちろん、この「他者」には、「ゴキブリ」とか「小石」といったものまで含まれています。「それがどうした?」と言いたい人もいるかもしれませんが、「美しい」がそうした言葉である以上、これを捨ててしまうと。一切の存在が無意味になります。存在していても「存在していない」と同じになって、この世に存在するのは、「自分の都合だけを理解する自分一人」になってしまいます。「美しい」はその程度のもので、直接的には「なんの役にも立たないもの」なのです。(pp.48-49)  兼好法師は、日本で最初に登場した「駐留てきで平均的な日本の中年男」でしょう。「美しい」が分からないわけではない。「美しさ」への自負心もある。その「知識」だけはあって、でも気がつくと、いつの間にか「美しい」とは遠いところに来てしまっている。だから、自分が「美しい」を分かるのかどうかが、根本で危うくなりかかっている。「美しさ」への自負心ーー「自分にはそれが分かる」という、自分自身への自負心が、いつの間にか、「無難が一番」という社会的な調和へと落ちている。しかもそれは、「“無難が一番”と思っているわけではないけれど、気がつくと“無難が一番”という選択をしてしまっている」という微妙さです。もちろん、『徒然草』の作者には、その微妙さが歴然としています。第19段の冬の部分—既に挙げた「年の暮れはてて人ごとに急ぎあへるころぞ、またなくあはれなる」と、それに続く、「すさまじきものにしてみる人もなき月の寒けく澄める廿日あまりの空こそ、心細きものなれ」です。(p.153) 「美しい」という感情は、そこにある者を「ある」と認識させる感情です。「美しい」と思わなければ、そこにある者は、「なくてもいいもの」なのです。(中略)「美しい」という感情は、そこにあるものを「ある」と認識させる感情で、「ある」ということに意味があると思うのは、すなわち「人間関係の芽」です。「美しい」は、「人間関係に由来する感情」で、「人間関係の必要」を感じない人にとっては、「美しい」もまた不要になるのです。(pp.173-174)  歴史上の有名人の内実をつつき出すと、「なるほど、こういう風にも孤独か」ということが分かって、興味は尽きません。あまりにも当たり前に「孤独」なので、「孤独ということはどうってことのないことなのだな」と思うくらいです。なんでそうなるのかと言えば、近代の以前に「孤独」というモノサシがないからです。(p.188)

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2015/01/07

同年代、というか、僕より年下の小説家さんで、津村記久子さんという人がいます。 もう6年くらい前に友人に本を勧められたのがきっかけで、新刊が出るたびに愉しみに読んでいる、大好きな小説家さんです。 その津村記久子さんが、橋本治さんの「人はなぜ「美しい」がわかるのか」について、 「最近...

同年代、というか、僕より年下の小説家さんで、津村記久子さんという人がいます。 もう6年くらい前に友人に本を勧められたのがきっかけで、新刊が出るたびに愉しみに読んでいる、大好きな小説家さんです。 その津村記久子さんが、橋本治さんの「人はなぜ「美しい」がわかるのか」について、 「最近読んでとても面白かった」と昨年おっしゃっておられたのがきっかけで、この本、読んでみました。 橋本治さんの、2014年の本。 いわゆる新書本ですね。 表題通り、どうして「美しい」という想いをひとは抱くのだろうか?というのがお話のはじまりです。 なんですが…まあ、65歳も過ぎて、橋本治さん、知とことばの地平線を自由わがままに爆走、という感(笑)。 ●美しい、というのは、何の得にもならない観念でしかない。当然ながら、知識偏光の受験エリート的な考え方では、「美しい」という感じ方はあまり育成されない。 ●美しい、というのは、ある種の合理性、ヒトの体、世界の成り立ちの合理性から感じられるところもある。 ●美しい、というのは、ある種の余裕、精神的余裕、愛情に恵まれたゆとり、みたいな隙間から生まれるものであろう。 ●そして、美しい、という判り方は、自分の都合だけで回っていない世界を認識することと重なってくる。他者を、世界を受け入れる、という受容性や寛容性が無いと、育まれない。 ●つまり、美しい、というのが分からない人、判っているつもりでも、判っていない人と言うのも大勢いる。 と、言うような考察部分は、いつもながらの橋本節の剛腕さと相まって、楽しめるところでした。 そこから話は、飛ぶというかどんどん発展していきます。 ●美しい、というのは、かつて王侯貴族が権威づけに使っていたもの。現代になっても、結局は美術品を始め、それと変わらない部分も多い。 ●いわゆる民芸運動などは、人間の歴史ではごくごく最近のマイナーな、それこそ観念的な運動に過ぎない(だから価値がない訳ではないが)。 ●美しい、と感じる心の動きには、孤独みたいな個人性が絡んでいる。 ●そして、孤独の歴史。近代以前は、「孤独」という観念は存在できなかった。生きるために共同体が必要で、そこからこぼれおちて個人になることは、生きていけないこと。それが狂乱として芸術では記録されることになる。これ、かけおちものを含めて、前近代の日本の物語論とも相まって。 ●結局は、20世紀もずっと、前近代の制度を否定しようとして、新しい制度を作れずに前近代制度に組み込まれていく運動に過ぎなかった。例として、全共闘世代が会社員になっていく、的な。 ●21世紀になって、恐らくは経済等のグローバル化から、外部的に「前近代の枠組みでは立ち行かなくなる」という状況に現れて、「次なる枠組みは見えないけど、今の制度では立ち行かない」という変革受難期に入っているのでは。 ●そこから話は「美しい」が判ることから教育論にも足を踏み入れる。内田樹さんの「修業論」じゃないけれど、「基礎」を会得しないとそこを超えていけない、そして「基礎」はつまらないし理不尽なものだ、みたいなオハナシ。 ●そこから、ぐぐぐっと「清少納言と吉田兼好」に。「美しい」を享受する枕草子と、「美しい」の彼岸で世をすねる徒然草。この考察は、桃尻娘の作者的感性爆発で、前後の文脈関係なく面白い。判りやすい。 と、いうような内容が実に相前後して語られて、 ●ひとはなぜ「美しい」がわかるのか、…というか、なぜ私橋本治は「美しい」が分かるのか、という、幼年期まで回想しての自分史が自由に語られます(笑)。いやあ、自由だなあ。  その例が、「例えば若い青年の友人がウチに泊まった時に、キスまでして…」みたいな言及があって、内容結論以前にそのたとえに「ちょっと待ってちょっと待って」と読みながら慌てたりしたり(笑)。  いやあ、ほんと自由だなあ(笑)。 というような感じでさくさく淡々と読みこなせちゃった一冊。 …ですが…総論としては、面白くなくはなかったし、部分的に「へー」はいっぱいあったけど、読み物としては比べれば小説の「結婚」の方が全然、破壊力がある一冊だったなあ、という感じ。 自由に語る、橋本治さんの人生論的な一冊、そのつもりで斜めに愉しみながら読めば、愉快なのではないでしょうか。

Posted byブクログ

2014/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「美しい」と思う感覚はどこから来るのか。著者によると、「美しい」を感じるには「リラックスを実現させる人間関係」と、自分の所属するもの以上にいいものがあるという「外への憧れ」が必要とのこと。なんとなく分かる。そして、どういうわけか日本では「美しいが分かる人」は敗者との位置づけらしい。そうであれば、圧倒的な敗者にこそなりたいものだ。 橋本治はあまり読んだことがないので分からないのだけど、うねるような、伸縮するような文章が特徴なのか、思考の流れをそのまま文章にしたような感じと、言葉を多義的に使ったりしている部分とが少し読みにくかった。

Posted byブクログ