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キヤノン特許部隊 の商品レビュー

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57件のお客様レビュー

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2014/02/28

キャノンの知財部門を築き上げた丸島儀一に、キャノンの特許戦略を、その歴史的経緯と共に語ってもらい、まとめた本。 著者は丸島儀一となっているものの、予想に反してインタビュー形式となっており、強力なテーマ性に基づいて取材が行われているわけでもないため、内容は「私の履歴書」のそれに近...

キャノンの知財部門を築き上げた丸島儀一に、キャノンの特許戦略を、その歴史的経緯と共に語ってもらい、まとめた本。 著者は丸島儀一となっているものの、予想に反してインタビュー形式となっており、強力なテーマ性に基づいて取材が行われているわけでもないため、内容は「私の履歴書」のそれに近くなっている。 丸島氏は2011年に名著「知的財産戦略」を執筆しているが、その9年前に執筆された本書は、前者の内容を薄めて読み易くしたものに等しく、氏の特許戦略への導入として最適である。逆に、本書の内容は、キャノンの歴史的経緯に纏わる詳細を除いて、全て「知的財産戦略」に(濃度100倍で)記載されているため、先にそちらを読んだ場合、本書を読んでも得るものほぼない。 著者本人が特許マン人生の集大成として、自身の哲学を体系的かつ詳解に記述した「知的財産戦略」には当然及ばないものの、技術部の源流に入り込むことを重視する点や、特許を「攻めの特許」と「守りの特許」に分類しそれぞれの戦略的運用方法が異なる点、交渉の際は相手に「欲しい」と言わせることが重要でありその方法として如何なるものがあるか、など、極めて重要な点がいくつか本書でも触れられている。 丸島流特許論が要領良くまとまっている好著。☆4つ。

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2013/09/05

(2003.05.02読了)(2003.04.04購入) (「BOOK」データベースより)amazon 一九五〇年代には未だカメラ専業メーカーであった、キヤノンの奇跡ともいえる六〇年あまりの歴史に、丸島の展開してきたビジネスはどのような役割をになったのか。企業戦略として特許を活用...

(2003.05.02読了)(2003.04.04購入) (「BOOK」データベースより)amazon 一九五〇年代には未だカメラ専業メーカーであった、キヤノンの奇跡ともいえる六〇年あまりの歴史に、丸島の展開してきたビジネスはどのような役割をになったのか。企業戦略として特許を活用するとは、具体的にどのようなことなのか。昭和九年生まれの日本人が、朝からステーキを喰うアメリカのビジネスマンたちとどのように渡り合ってきたのか。そして私たち日本のビジネスパーソンは、特許あるいは知的財産権をどのように考え、仕事に生かすべきなのだろうか。

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2013/11/10

キャノンの成長を特許から支えた丸島氏の体験談。 企業活動における特許は、自らの事業を守るために独占的に使うのが本道。 アメリカ企業とのクロスライセンス契約時の交渉術を惜しみなく公開している。 本書を通して、日本企業を影ながら応援しているよう感じる。

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2013/05/27

半分丸島さんのキャノン特許部時代の話で、半分丸島さんの日本の知的財産戦略に対する提言。なんというか、2002年の段階でここまで明確な特許戦略を立てていたのに驚いたし、丸島さんの考えが今でも基本的な特許戦略になってると思う。特許に関わる人も、そうでない人も読むべき良書。

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2013/05/22

これからのビジネスは、特許をはじめとした知的財産が非常に重要になると思っている。この本はキャノンで特許に関わる仕事をしていた著者が、当時ゼロックスの独占だったコピー機に対して、新しいアプローチによる技術開発で独占状態を切り崩した話を中心に書かれている。 しかし、ビジネスの話は少な...

これからのビジネスは、特許をはじめとした知的財産が非常に重要になると思っている。この本はキャノンで特許に関わる仕事をしていた著者が、当時ゼロックスの独占だったコピー機に対して、新しいアプローチによる技術開発で独占状態を切り崩した話を中心に書かれている。 しかし、ビジネスの話は少なく、特許や他社との交渉すると気の心構え、また現在の法律の不備の指摘、改善案、大学との協業における課題、ネットワーク機器の標準化技術に参加した場合と利用した場合の競争力の違いなど幅広く問題提起している。 これからのビジネスマンは、得意分野を1つではなく、2つ以上持つことで、貴重な人材として認識されるようになるのだと思った。

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2012/11/07

特許、リバースエンジニアリング、NDA、クロスライセンスを駆使して、一企業として事業を運営していく術を丸島儀一氏の経験に基づいて語られている。時には少々姑息とも言えそうな手段も必要となるのが現実というところか。 国家として反トラスト法(独占禁止法)によって、企業の利益保護よりも...

特許、リバースエンジニアリング、NDA、クロスライセンスを駆使して、一企業として事業を運営していく術を丸島儀一氏の経験に基づいて語られている。時には少々姑息とも言えそうな手段も必要となるのが現実というところか。 国家として反トラスト法(独占禁止法)によって、企業の利益保護よりも社会の発展を優先するアンチパテント政策から、バイ・ドール法による産学連携による研究開発と特許取得・活用の促進とともに、企業の利益を重視するプロパテント政策へ転換することで自国の利益を保護しようとしたアメリカの政策を参考に、日本へ向けた政策、司法制度の改革などへの提言も興味深い。さらに国際標準・コンソーシアム標準などへの取り組み方など幅広く語られている。 それぞれの要素の関連性をみながらより深く掘り下げた考察が聞きたいところだが、それは読者自身がそれぞれ掘り下げるべきなのだろうか。 エンジニア個人の、一企業の、社会の自由と平等はどこにあるのか。

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2012/11/10

丸島氏が書いたのではなく、インタビュー形式で聞き取った体裁。 特許の使い方や、外国企業との交渉など特許実務を覗くことができる。 「司法とプロパテント」(176頁)以下は、特許法改正で手当された部分もあるので、少し古い内容になっている。 最後に、職務発明について、「裁判で相当...

丸島氏が書いたのではなく、インタビュー形式で聞き取った体裁。 特許の使い方や、外国企業との交渉など特許実務を覗くことができる。 「司法とプロパテント」(176頁)以下は、特許法改正で手当された部分もあるので、少し古い内容になっている。 最後に、職務発明について、「裁判で相当額を決めるべきではない、市場原理に任せるべき」旨述べている。twitterでも,複数の特許実務家が職務発明規定は廃止すべきと主張していたなぁ。実務を知らない私には何ともいえないが、説得力はある。

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2012/07/16

特許はその成立性、侵害性においても政治的判断が常について回るため、一企業の特許戦略だけを議論する訳にはいかない。丸島氏の功績は誰もが認めるものではあろうが、当時の時代背景を反芻しながら読むと、面白さは倍増する。 1960年代から1970年代にかけては、高度経済成長時代ということも...

特許はその成立性、侵害性においても政治的判断が常について回るため、一企業の特許戦略だけを議論する訳にはいかない。丸島氏の功績は誰もが認めるものではあろうが、当時の時代背景を反芻しながら読むと、面白さは倍増する。 1960年代から1970年代にかけては、高度経済成長時代ということもあり、日本企業が海外へ盛んに進出するとともに、日本の特許を含む様々な制度を改革する必要があったであろう。現在の韓国企業が世界で特許訴訟を起こしている状態というのは、韓国経済の成長度合いを物語っているとも言える。 この本が上梓されてから10年経つが、丸島氏の当時の思いは実現されているであろうか。プロパパテント戦略等の国家戦略と大学・企業の技術力強化は両輪で推し進めなければならないが、長引く不況の為に思う様に噛み合ってはいないと思う。 当時は想像できなかったICTへの主戦場の変化や、経済低迷と共に加速しつづける産業の空洞化があったことは事実である。しかし、日本における技術の一旦を担う身としては、先人が特許をモチーフとして語った技術への思いを受け継ぎたいと思う。

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2012/04/21

私が知財部一年生の時に読んだもの。 巨匠丸島先生が、若手の時にどのように活動していたかを知ることができ、知財部員としての立ち回りを勉強させていただいた。

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2012/01/09

Canonが特許戦略に強いことは知っていたが、それまでの経緯は知らなかった。知的財産というものをどのように考えるのか?ということは、我々のような研究者が日々実験を行っていく中で常に意識しなければならないと再認識させられた一冊。これから米国の特許制度が先発明主義から先願主義へ移行し...

Canonが特許戦略に強いことは知っていたが、それまでの経緯は知らなかった。知的財産というものをどのように考えるのか?ということは、我々のような研究者が日々実験を行っていく中で常に意識しなければならないと再認識させられた一冊。これから米国の特許制度が先発明主義から先願主義へ移行していく中で、参考になる事例も多々あった。

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