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蘆屋家の崩壊 の商品レビュー

4.2

87件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2020/09/06

幻想怪奇短篇集。 食の嗜好が似通っていて意気投合する猿渡と伯爵。ふたりが食べ物につられて方方を巡り、奇っ怪な出来事に遭遇する。『カルキノス』は、紅蟹の描写が、昏い磯の香りまでふと感じるほどの気味の悪さ。『水牛群』は、「恐怖」の修辞に圧倒された。

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2018/04/01

幻想小説・怪奇小説の短編集。 豆腐好きというところから仲良くなった小説家の「伯爵」と30歳を過ぎても定職に就かない猿渡の二人が、様々な怪奇な事件に遭遇する。 なめてかかって読んだら意外に面白くてびっくり。表題作の『蘆屋家の崩壊』は設定が面白くてよい。『猫背の女』はふつうに怖すぎ...

幻想小説・怪奇小説の短編集。 豆腐好きというところから仲良くなった小説家の「伯爵」と30歳を過ぎても定職に就かない猿渡の二人が、様々な怪奇な事件に遭遇する。 なめてかかって読んだら意外に面白くてびっくり。表題作の『蘆屋家の崩壊』は設定が面白くてよい。『猫背の女』はふつうに怖すぎて面白い。『カルキタス』は「は? ばかにしてんのか」という感じ。最後に収録されている『水牛群』は解説で絶賛されているように、夢と現が混在したような不思議な体験をうまく表現していて秀逸。『ケルベロス』は最後の科白(「一緒に帰ってきました。これからはひとつの人生を生きようって」)が誰が発したものか書かれていないが、おそらく犬と融合した葉子なのであろう。悲しくて泣いた。

Posted byブクログ

2018/01/20

定職を持たない猿渡と小説家の伯爵は豆腐好きが縁で結びついたコンビ。伯爵の取材に運転手として同行する先々でなぜか遭遇する、身の毛もよだつ怪奇現象。飄々としたふたり旅は、小浜で蘆屋道満の末裔たちに、富士市では赤い巨人の噂に、榛名山では謎めいた狛犬に出迎えられ、やがて、日常世界が幻想地...

定職を持たない猿渡と小説家の伯爵は豆腐好きが縁で結びついたコンビ。伯爵の取材に運転手として同行する先々でなぜか遭遇する、身の毛もよだつ怪奇現象。飄々としたふたり旅は、小浜で蘆屋道満の末裔たちに、富士市では赤い巨人の噂に、榛名山では謎めいた狛犬に出迎えられ、やがて、日常世界が幻想地獄に変貌する―。

Posted byブクログ

2017/11/11

トヨザキ社長が色々薦めていることもあり、とりあえずどれか読んでみたいなってことで、”ミステリマストリード”に取り上げられた本作をチョイス。ポーの”アッシャー家の崩壊”からきてるんだろうけど、断然こちらの方が楽しめました。本家は内容をあまり覚えていないんだけど、面白くなかった記憶だ...

トヨザキ社長が色々薦めていることもあり、とりあえずどれか読んでみたいなってことで、”ミステリマストリード”に取り上げられた本作をチョイス。ポーの”アッシャー家の崩壊”からきてるんだろうけど、断然こちらの方が楽しめました。本家は内容をあまり覚えていないんだけど、面白くなかった記憶だけはある。それはまあ良いとして、本作はミステリというか、ホラー寄りの内容。そして登場人物を一にする短編集でした。とりあえず思い浮かんだのは、京極堂シリーズの主人公たち。伯爵の俗世離れした感じがそう思わせるのかも。扱っている内容が結構ダークにも関わらず、主人公2人のやり取りが結構コミカルで、その隔たりも面白かったです。これ、シリーズにはなってないのかな?幾らでも続けられそうだし、長編も含めて、もっと楽しませてもらいたいと思いました。

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2017/07/28

幻想怪奇短篇集。 定職を持たない猿渡と怪奇小説家の伯爵は豆腐好きコンビ。伯爵の取材の運転手としてあちこちへ行き、その都度 不思議な怪奇現象に巻き込まれる。伯爵が出て来ない猿渡だけの話もある。 ホラーというジャンルは苦手で避けていましたが幻想文学のジャンルだったので気になり手に取...

幻想怪奇短篇集。 定職を持たない猿渡と怪奇小説家の伯爵は豆腐好きコンビ。伯爵の取材の運転手としてあちこちへ行き、その都度 不思議な怪奇現象に巻き込まれる。伯爵が出て来ない猿渡だけの話もある。 ホラーというジャンルは苦手で避けていましたが幻想文学のジャンルだったので気になり手に取りました。最初の「反曲隧道」はストレートにホラーで初っぱなから参りましたが、後の話はそれぞれ不思議な雰囲気が漂い話の最後に冷んやりゾッとし…。自分は「蘆屋家の崩壊」「超鼠記」「ケルベロス」が好きです。特にケロベロスの最後ははっきりとは書かれておらず、想像を巡らせるとゾッとします。

Posted byブクログ

2015/09/11

ホラーありテラーありと楽しい短編集。 何気なく購入した今作、大当たり。 読書の神の導きに感謝! もう何編かこのコンビの物語が読みたいので続編なんぞ出てはいないのだろうか? ぞっとする「猫背の女」と物悲しくしかも怖い「ケルベロス」がお気に入り。 美味い豆腐が喰いたくなる一冊。

Posted byブクログ

2015/06/19

個人的に短編集はあまり好まないがこれはそれぞれ話が繋がっていて面白かった! 1番印象に残ったのは最後の話。 たまに突然、自分も頭の中で蓋が無くなってしまうような感覚があります。 美味しい豆腐が食べたい!(笑) この方の他の本を読みたいと思った!

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2015/03/03

面白かったー! 幻想小説の中には、文章が修飾過多で今どうなっているのか把握しにくいものがあるけど、これは文章が読みやすい!「何が起こっているのか」がよく分かってよかったです。(もっとも起こるのは、よくない怪異ばかりw 怪異にぞっとして、事件の真相に驚かされ、ラスト数行でさらに「あ...

面白かったー! 幻想小説の中には、文章が修飾過多で今どうなっているのか把握しにくいものがあるけど、これは文章が読みやすい!「何が起こっているのか」がよく分かってよかったです。(もっとも起こるのは、よくない怪異ばかりw 怪異にぞっとして、事件の真相に驚かされ、ラスト数行でさらに「あっ!?」となって…いやー贅沢。 怖い対象が怪異であったり人であったり○であったり…ってのも飽きなくて◎。 救いのある話ばかりじゃないですが、最後の「水牛群」がうまく締めていて読後感はよかったです。 あと皆さん書かれてますが豆腐。豆腐が食べたくなります。

Posted byブクログ

2020/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なーんていうんでしょ。 お、平均台。あの幅って普通ならまっすぐ歩けるのに、なぜか平均台の上だと意味なく揺れを感じません? 平衡感覚を奪われる感じとでもいいましょうか。 「レプトスピラ症が出てくるお話」っていうのが気になります。レプラとは違う病気みたいだし。 ↑ならダールの「訪問者」、ドイルの「白面の兵士」があるけどなー。唯一、揚羽猛「魔獣」っていうミステリーに出てくるみたいです。 解説が皆川博子ってのも美味しいですな。

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2014/10/28

初めての作家さんだったけれど、予想以上に面白かった。 幻想ホラーというべきか?雰囲気が皆川博子さんに似てると思ったら、 解説がまさに皆川さんでビックリしました(笑) 「蘆屋家の崩壊」…閉塞的な集落とある隠された秘密。 「猫背の女」…常軌を逸した女の恐ろしいまでの執念。 「埋葬虫...

初めての作家さんだったけれど、予想以上に面白かった。 幻想ホラーというべきか?雰囲気が皆川博子さんに似てると思ったら、 解説がまさに皆川さんでビックリしました(笑) 「蘆屋家の崩壊」…閉塞的な集落とある隠された秘密。 「猫背の女」…常軌を逸した女の恐ろしいまでの執念。 「埋葬虫」…虫、虫、虫!!!とにかくおぞましすぎる。 「水牛群」…読んでいるだけで酔ってきそう(笑)夢か、現実か… このあたりが特に好み。 こうやって思い返してみると、生理的に気持ち悪い作品が多い。 特に「埋葬虫」は、貴志祐介さんの「天使の囀り」に匹敵する気持ち悪さ。 他の津原作品も読んでみたいです。

Posted byブクログ