いつか記憶からこぼれおちるとしても の商品レビュー
江國さんの小説のタイトルには、不思議な魅力がある。 6つのストーリーからなる短編集だが、全体を通してつながっている。話ごとに主人公が変わるので、視点も切り替わる。 江國さんは純文学だと思う。内容の面白さ(エンタテイメント性)ではなく、洗練された文章や描写の巧みさを味わう小説ではな...
江國さんの小説のタイトルには、不思議な魅力がある。 6つのストーリーからなる短編集だが、全体を通してつながっている。話ごとに主人公が変わるので、視点も切り替わる。 江國さんは純文学だと思う。内容の面白さ(エンタテイメント性)ではなく、洗練された文章や描写の巧みさを味わう小説ではないだろうか。 というわけで、私は個人的に江國さんの小説が好みである。
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ごくごく普通の女子高校生達10人の日常の心を描いた短編集です。 かみ合うようでかみ合わない。わかってるようでわかってない、彼女たちの心が、さらっと描かれてます。なんでこんなに細やかな描写がさらっと読めるように描けるんだろう・・・・。 自分の女子高時代を思い出しました。 めんどく...
ごくごく普通の女子高校生達10人の日常の心を描いた短編集です。 かみ合うようでかみ合わない。わかってるようでわかってない、彼女たちの心が、さらっと描かれてます。なんでこんなに細やかな描写がさらっと読めるように描けるんだろう・・・・。 自分の女子高時代を思い出しました。 めんどくさいこと考えてたな、学校での立ち位置や、家での振る舞い、部活での自分、友達との自分・・・・ あの時にしか考えられない思考でキラキラした日々を過ごしてたなあと、思うようになった自分は歳をとったなあ(笑)
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女子校独特のなんともいえない空気感が懐かしかったりする。江国香織独特のあまったるい毒々しい赤のキャンディーみたいな文体が、ねっとりしているのにさらっとしている不思議な空気を放出。物語の少女たちには、こぼれおちても完全には消えない記憶になるのだろうとおもう。
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とある女子高、同じクラス10人の女の子が出てくる短編集。 特に大きな事件が起きるわけでもなく、淡々とした日常の風景が描かれる。 女の子は存在自体が謎の塊。 繊細で脆いくせに平気で他人を傷つける。 自分が世界で一番可愛くて一番不幸だと思っている。 誰も自分をわかってくれ...
とある女子高、同じクラス10人の女の子が出てくる短編集。 特に大きな事件が起きるわけでもなく、淡々とした日常の風景が描かれる。 女の子は存在自体が謎の塊。 繊細で脆いくせに平気で他人を傷つける。 自分が世界で一番可愛くて一番不幸だと思っている。 誰も自分をわかってくれないと嘆きながら人に理解されるのは嫌。 このめんどくさい感じが懐かしくなる程度には、大人になってしまいました。 『緑の猫』と『テイスト オブ パラダイス』が好き。 そして良いセンテンスが多い。 いまさら江國香織の力量を理解してきた。 年取ったか。
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読みやすい。 ただ、一つ一つの話が中途半端というかあっけなく感じる。で?結局どうなったの?って思ってしまう。 でも読みやすい。
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女子高生が主人公の話。 章によって主人公が変わります。 自分の高校時代を思い出しました。 高3の時の教室、お昼の風景。 わたしの通った高校は現在建て替え中なので、もうあの教室はないのだけれど。 記憶に一番新しいからなのか一番楽しかったからなのか高3のときのことを思い出します。 ...
女子高生が主人公の話。 章によって主人公が変わります。 自分の高校時代を思い出しました。 高3の時の教室、お昼の風景。 わたしの通った高校は現在建て替え中なので、もうあの教室はないのだけれど。 記憶に一番新しいからなのか一番楽しかったからなのか高3のときのことを思い出します。 電車の駅名から、わたしが通っていた高校とは違う場所にあるということはわかっているけれど、高校に通うために乗った電車、電車が通っていた場所、周りにあるものも思い出しました。 そしてこの本を読んでいる最中に(仕事で)その電車に乗ったという偶然! あの日にあの電車に乗ることは前々から決まっていたけれど、この本を読んでいるときなんて縁を勝手に感じます。
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揺れ動く思春期のそれぞれの思いが綴られています。こぼれ落ちていくほどの些細な記憶なのだけど、その時は大きく自分を左右していたり...親自身、手のかかる育児期を通り過ぎて積み重なる諸々のことで夫婦関係が膠着していたりして、子どもは敏感に察知してるんですよね。切ない。
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記憶の片隅にあって あるのかないのかも分からないような どっちでもなんでもいいような話が多いかな。 べつにきらいというわけじゃない。 世の中は好きな人ときらいな人でできているわけじゃなく、 好きな人と、どうでもいい人とでできているのだ。 -テイスト オブ パラダイス より- ...
記憶の片隅にあって あるのかないのかも分からないような どっちでもなんでもいいような話が多いかな。 べつにきらいというわけじゃない。 世の中は好きな人ときらいな人でできているわけじゃなく、 好きな人と、どうでもいい人とでできているのだ。 -テイスト オブ パラダイス より- いつか記憶からこぼれおちるとしても・・・ この一瞬は今しかなくて、切実に確実に手に入れていたかったんだよね。
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「あぁ、あるよね」と感じた。わたしが女子校出身だからかな?でも登場人物たちの言動は高校生っていうより、中学生っぽい。あくまで実体験と照らしてだけれど。スッキリするお話しではない。
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まあまあだった。個人的には『指』だけでいいくらいだった。まわりの女の子たちの気配が伝わってきて、そこからぼんやりとイメージする彼女たちのあれこれを、そのあとの短篇で遮られてしまったかのようで、なかなか残念だった。
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