きよしこ の商品レビュー
吃音を抱える少年きよしの物語。重松清の作品の中でも特に好きになりました。吃音という暗くなりがちなテーマなのに、読み終わったあと優しい気持ちになります。図書館で借りたけど、とてもよかったので買おうと思います。
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吃音(どもり)のある少年の小学生〜高校生までを書いた連作短編。 時代は違うけど、どっか懐かしかった。
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5/100 泣きながら読む(特に北風ぴゅう太)。私は重松清さんの子供の成長を描いた小説が好きみたい。
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小説を一度も読んだことがなかった。いや、読まされたことはある。だけど、能動的に読んだことはなかった。本書は初めて読んだ作品だ。とにかく泣きまくりながら読んだ覚えがある。 「吃音(きつおん)」というコミュニケーション障害がある。いわゆる「どもり」というやつだ。著者自身吃音者で...
小説を一度も読んだことがなかった。いや、読まされたことはある。だけど、能動的に読んだことはなかった。本書は初めて読んだ作品だ。とにかく泣きまくりながら読んだ覚えがある。 「吃音(きつおん)」というコミュニケーション障害がある。いわゆる「どもり」というやつだ。著者自身吃音者で、ある意味で自伝的な仕上がりの小説になっている。作中に登場する「少年」は転校のたびに嫌な思いをする。自己紹介があるからだ。自分の名前が言えない。いつもきよしの「き」でつっかえる。言葉がつっかえる度にクラスから笑いが漏れる。他人とうまく交流ができなくて打ち解けず、いつも孤立している。 少年は夢の中ではすらすらしゃべれた。自分の友達である「きよしこ」がいるからだ。きよしこには何でもしゃべれる。いつもきよしこに会うことを切望していた。自分の居場所は学校にも家庭にもなく、ただ夢の中にだけあった。そんな少年の思いが心に素直に入ってきて涙腺が緩んでしまう。 小学生から高校3年までの少年の成長記録を書いた作品だが、やはり少年を著者自身とだぶらせて書いてある。小説のあとがきにかいてある。「いつか、個人的なお話をかいてみたい。僕とよく似た少年のお話を、少年によく似た誰かのもとへ届けて、そばに置いてもらいたい」と。本書はその”少年によく似た誰か”へのプレゼント作品でもあるのだ。 少年と似ている僕にとって、数々のエピソードはまるで実体験のように心にグサグサと刺さってきた。カ行が発声できないので、友達の名前を加藤くんから「佐藤くん」に変えたり、クリスマスのプレゼントに本当は魚雷船ゲームが欲しいのに、「ぎょ」が発生できないから「飛行船」に変えたり。似たような体験を何度も体験している僕は、すんなりとページをめくることができず、しばらくそのまま固まってしまった。 少年は「僕」だった。僕はこの本の中に入り込み、少年が体験する様々な出来事を一緒になって体験した。そして、出来れば少年の話し相手になりたかった。「きよしこ」になって、少年の話を聞いてあげたかった。
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重松さんの自伝的な一冊。吃音のために小さい頃から思ったことを言えないで苦しむ少年を大学受験の頃まで描く力作です。
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吃音の少年の母親から届いた手紙に 直接返事を出すかわりに、「ぼく」が書いた何篇かの短いお話がこの一冊である。 誰もひとりぼっちなんかじゃない。だけど さびしいことかなしいことももある。 心から伝えようと思ったことは伝わるよ、きっと。でもそれは楽ちんじゃないこともある。苦しいこ...
吃音の少年の母親から届いた手紙に 直接返事を出すかわりに、「ぼく」が書いた何篇かの短いお話がこの一冊である。 誰もひとりぼっちなんかじゃない。だけど さびしいことかなしいことももある。 心から伝えようと思ったことは伝わるよ、きっと。でもそれは楽ちんじゃないこともある。苦しいこともあるんだ。 ということに 砂に水が染み込むように気づかせてくれる物語。 切ないけれど あたたかい。すべての君に届くといいな、と思う。
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