1,800円以上の注文で送料無料

人情裏長屋 の商品レビュー

4

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

古臭いお話かな・・・…

古臭いお話かな・・・と思って読んだら大間違いでした。疲れた心を癒してくれるいいお話がたくさんあります。時代小説といってもこういうジャンルもあるのか、ほかの作品も読んでみたいとはまってしまいました。

文庫OFF

江戸の人情を感じるこ…

江戸の人情を感じることの出来る話ばかりの短編集

文庫OFF

2024/02/14

2月14日は山本周五郎の命日である(昭和42年没)。かつて少年は、時代小説に目覚めたあと、司馬遼太郎派に行くか、山本周五郎派に行くか別れた。わたしは、山本周五郎派に行った。その時既に吉川英治の八割がたを読んで、歴史物は極めたという慢心があり、それとは全くジャンルの違う世界を読んで...

2月14日は山本周五郎の命日である(昭和42年没)。かつて少年は、時代小説に目覚めたあと、司馬遼太郎派に行くか、山本周五郎派に行くか別れた。わたしは、山本周五郎派に行った。その時既に吉川英治の八割がたを読んで、歴史物は極めたという慢心があり、それとは全くジャンルの違う世界を読んでみたく思ったと思う。本屋の山本周五郎棚を1/3くらい制覇した頃に、わたしはSFとか、純文学とかに移っていった。けれども、本屋の本棚はそれから数十年「いつでも戻っておいで」とほほえんでいた。 表題作「人情裏長屋」 今読むと極めて「定型的な人情話」である。超絶的な剣技を持つ浪人・信兵衛は、長屋の住人を陰ひなたに支えながらも毎日飲んで酔っ払っている。剣はたつが、出世欲はなく、人は頗る良い。道場破りで金だけは必要分だけはある。世話をしていた隣の少女・おぶんは近所の神(かみ)さんに「酒を止めてあげなよ」と言われて「なにか酔わないじゃいられないようなことがあるらしいわ。醒めた時の寂しそうなお顔は堪らないわ」と喝破する。そんなある日、長屋に越してきた侍が乳飲み子を残して出てゆく。信兵衛は、酒断ちをして屋台を引いて赤ん坊を育て始める。 昭和23年発表。当時はありふれてない、切実な話だったと想像する。当時戦争孤児を近所のよしみで育てているという話は多くあった。血を分けた親か、育ての親か、論争は既に各地で勃発していたろう。そういう時代性とは別に、ふと思い出したようにドラマ化されるのが山本周五郎。「子連れ信兵衛」(2015)としてNHKが3シーズンまでこの短編を基に作ってるらしい。 「泥棒と殿様」(昭和24年発表) 家督争いでボロ御殿に軟禁されて餓死寸前まで放置されていた若殿は、忍び込んできた気のいい泥棒と一緒に生活し始める。これこそがホントの生活なのだ、と思い始めた頃に‥‥。 殆どの価値観が逆転したのが戦後であった。所謂落語によくある殿様と庶民シリーズの少しリアルバージョンではあるが、退屈しないのは、泥棒の悲惨で尚且つ少し可笑しい半生が、政治に翻弄され完全に現実に嫌気がさした若者に、何らかの生きる理由を指し示すからだろう。 その他9篇が載っている。

Posted byブクログ

2024/01/14

表題作をはじめとする「長屋」を舞台にした作品が多く描かれています。 どれもおもしろかったですが、特に印象に残ったのは『泥棒と若殿』『秋の駕籠』の二篇で、どちらも男同士の友情が爽快に綴られていました。 最後の『麦藁帽子』も不思議な読み応えで、尾を引くおもしろさです。

Posted byブクログ

2024/01/03

短編で読みやすいので、時代ものに慣れていなくても楽しめました。人と人との心の通い合いに、心安らぐ一方で、笑えるものもありました。

Posted byブクログ

2021/09/25

ちょっと乗り切れなかっなぁ。 この作家の構成にしては、長文の塊が多い気もしたし。 まぁあんまり読書に浸れる気分でもない所為でしょうけれども。

Posted byブクログ

2021/03/26

人は抗えない人生を持っています それはあきらめろということではなく 卑屈になることなく 真摯に受け止め精一杯歩けということなのだと思う 殿様も乞食も人生という時間を授かり 己を見失うことなく今できることをする日々 人が存在する以上延々と続くのですね 山本周五郎はやはり私の師です

Posted byブクログ

2020/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

NHKドラマ’’子連れ信兵衛’’の原案になった人情裏長屋のほかも収録されている短編集。コメディも含まれており出来の良いものから順にあげると’’泥棒と若殿’’、’’おもがけ抄’’、’’雪の上の霜’’、’’麦藁帽子’’、’’秋の駕籠’’。あとは同列で’’ゆうれい貸家’’、’’三年目’’、’’風流化物屋敷’’、’’長屋天一坊’’、’’豹’’。長編と違って短編はぐっと私の感覚にあう作家です。

Posted byブクログ

2020/05/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

山本週五郎初読。江戸時代、長屋を舞台に描かれる軽妙な筆致の短編集。しみじみとした人情あり、くすっと笑える話あり。『泥棒と若殿』薦められて読んだのだが、けして交わらぬ立場の二人が共に暮らすうち、心を寄せ合う様が印象に残った。20200508

Posted byブクログ

2016/02/05

11の短編の中のひとつ「風流化け物屋敷」は山本周五郎さんという作者はこういうものも書くんだなあと嬉しくなりました。 化け物にまるで動じない世間知らずの侍と、恐いもの大好きな娘の交流が何とも微笑ましくゆったりとして良い。 読み始めた時はなにか落語の「化け物つかい」のネタになった話か...

11の短編の中のひとつ「風流化け物屋敷」は山本周五郎さんという作者はこういうものも書くんだなあと嬉しくなりました。 化け物にまるで動じない世間知らずの侍と、恐いもの大好きな娘の交流が何とも微笑ましくゆったりとして良い。 読み始めた時はなにか落語の「化け物つかい」のネタになった話かななどと思っていましたが、じつは化け物は・・という話。

Posted byブクログ