月の裏側 の商品レビュー
じわじわくる話だなぁー。 本当に水に包まれている様な、湿気をたっぷり含んだ物語。 それでいて風景描写はキレイで何だか白昼夢を見てる気分。 九州の水郷都市で次々と失踪事件が続きます。 数日後に皆んな戻ってくるのだけれど。 隣にいる人が実は『盗まれた』あとの人だったら どうしよう...
じわじわくる話だなぁー。 本当に水に包まれている様な、湿気をたっぷり含んだ物語。 それでいて風景描写はキレイで何だか白昼夢を見てる気分。 九州の水郷都市で次々と失踪事件が続きます。 数日後に皆んな戻ってくるのだけれど。 隣にいる人が実は『盗まれた』あとの人だったら どうしよう…と想像するとゾクゾクします。 後、多聞は実にやっかいな男だと私は思う! こういうタイプの人を好きになったら大変なのだろうなぁーと。
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月並みの感想しか出てこないけれど、非常に怖かった。 最初はSFのような設定と事件への仮説に、いやいやそんな馬鹿な事が、と思っていたが失踪し戻ってきた人たちの言葉や、精巧に作られた指や耳といった部分の拾い物。 半分が餅のように伸び、形をなしていない人間もどきの登場にもしかして、とい...
月並みの感想しか出てこないけれど、非常に怖かった。 最初はSFのような設定と事件への仮説に、いやいやそんな馬鹿な事が、と思っていたが失踪し戻ってきた人たちの言葉や、精巧に作られた指や耳といった部分の拾い物。 半分が餅のように伸び、形をなしていない人間もどきの登場にもしかして、という予感だけでなく背筋が冷えてきた。 さらに恐怖は加速していきチャプターXIIの会話のみで読者を煽ってくる書き方は恐怖心だけでなく、六番目の小夜子の劇のシーンを思い出させた。この物語の真骨頂であり、もっとも緊張と登場人物の疲弊を感じさせてくる。
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なんという重厚な読み応え。 面白かった。 細かく分けられた章(チャプター)と、 章の冒頭で語られる正体不明(少しずつ特定可能になってくる)のモノローグが印象的。 最初は馴染みのない堀の街と多聞と協一郎という捉えどころのない不思議なキャラクターに警戒心がなかなか解けず、世界に...
なんという重厚な読み応え。 面白かった。 細かく分けられた章(チャプター)と、 章の冒頭で語られる正体不明(少しずつ特定可能になってくる)のモノローグが印象的。 最初は馴染みのない堀の街と多聞と協一郎という捉えどころのない不思議なキャラクターに警戒心がなかなか解けず、世界に入り込むのに時間がかかったけれど、 4割を超えたあたりから、少し怖いくらい箭納倉の街に入り込んでしまった。 そのあたりから面白さとともに、ゾクリと背筋が寒くなる緊張感がぐっと増し、却って休み休み現実の乾いた温かな空気を確認せずにはいられなくなった。 この時期に読んだのもある意味当たりだったのかもしれない。私の住む街には梅雨はないが、やはりこの時期雨が多く、読んでいる間に天気の悪い日が続くと現実感が時々わからなくなる。 最近久しぶりに恩田陸作品を読んでいる。 今作は初読。 けれど、この『月の裏側』を読んでやっと恩田さんの作風を思い出した、というか読んでいる時に受ける印象を思い出した。 そうだ、この感覚だ、と。 恩田作品は私の好きな他のどの作家とも全然違っていて、独自の不思議な世界観を持っている。 謎が多く、少し怖いホラー的な要素を持っていることも多い。 謎が謎のままで終わることもままあるが、 ほどんどの場合はそれでも良いような気がするから不思議だ。 ”なんて言うのかな。この世の中には説明できないこと、説明しなくてもいいことがあるんじゃないかなって。” そういうことなのだろう。 もちろん、その手法が”逃げ”のために使われてはいけないけれど、物語の深みを出すために利用されるのならば、アリということか。 先日再読した『Q&A』も、もう少しだけ全体像の輪郭がはっきりしていれば、もやもやを残すこともなかったかもしれないな。私見ではありますが。
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柳川には一度しか行ったことがないのに、柳川でホントに起きたことのように感じてとても楽しめました。水郷沿いを歩いた記憶がありありと蘇り、なんだか自分も小説の中に紛れ込んでしまったような感覚に陥りました。そんな状態でクライマックス近くを読んでる時に、柳川の白柳荘というその当時泊まった...
柳川には一度しか行ったことがないのに、柳川でホントに起きたことのように感じてとても楽しめました。水郷沿いを歩いた記憶がありありと蘇り、なんだか自分も小説の中に紛れ込んでしまったような感覚に陥りました。そんな状態でクライマックス近くを読んでる時に、柳川の白柳荘というその当時泊まった宿からのメールが唐突に届いて、マジでビビりました。
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ひさびさの恩田陸。ジャンルを言うとすればSFホラーになるのか?日常の中に異質な謎が紛れ込んでくるわけですが、日常空間が巧みに描かれているので、謎も(いわゆるSF的なものであるのに)するっと日常に侵入してくる感じが味わえました。これこそ恩田陸の魅力?楽しめました。
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ジャック・フィニィ大好き、という方と話していて思い出した!これは「盗まれた街」だ。 なんかこんな話知ってる・・・と思いつつ、柳川の町→北原白秋の方へ興味が逸れていって、追求せずじまいだった。
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再読 なんとなく、恩田先生の長編の中ではうまーくまとまってる…というか、終わり方が自然かな?といつも思います。 ゴリゴリのSF色ですが、違和感なくサクサク読めます。 こんなに恋愛?ていうか男女の執着をガリガリ(ちらっとですが…)書いてるのは恩田先生作品の中でも珍しいのかも……すき...
再読 なんとなく、恩田先生の長編の中ではうまーくまとまってる…というか、終わり方が自然かな?といつも思います。 ゴリゴリのSF色ですが、違和感なくサクサク読めます。 こんなに恋愛?ていうか男女の執着をガリガリ(ちらっとですが…)書いてるのは恩田先生作品の中でも珍しいのかも……すきです。
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再読。我々は『ひとつ』になりたがっているのかもしれない・・・ってこわい。自分が『盗まれて』いるのかもしれない・・・ってのもこわい。自分の立っている足元が実は固い地面ではないのだと気付いたら、多聞みたいに耐えるのは無理だな。恩田さんのホラーはじわじわときて、ほんとにコワイです。
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全然面白くなかった。 趣味じゃないんだな。 恩田陸って読みやすいからついつい図書館にあると借りてしまう…
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とんでもなく恐ろしい事でも、受け入れてしまえば、もうどうってこともないわけで。疑問に思えば気になって仕方なく。
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