上達の法則 の商品レビュー
【目的】 早く身に付けるコツを学ぶ 【引用】 【感じたこと】 【学んだこと】 ポジティブな感情が押し寄せてくるものを選ぶ。 入門書を読む。 週に2回の頻度で学ぶ。 上級者は安定している。敬意を払っている。
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これまで暗黙裡に了解されていた上達の法則を 認知心理学、学習心理学、記憶心理学などをベースに 分析整理され、ひとつの方法論として纏められた本です。 本書で定義される「上達」とは、人並みの適正のある技能に、 そう無理ではない練習量で、まぁまぁ一人前のレベルに達しようとする...
これまで暗黙裡に了解されていた上達の法則を 認知心理学、学習心理学、記憶心理学などをベースに 分析整理され、ひとつの方法論として纏められた本です。 本書で定義される「上達」とは、人並みの適正のある技能に、 そう無理ではない練習量で、まぁまぁ一人前のレベルに達しようとする過程です。 そして、それを達成した者を「上級者」、その過程の者を「中級者」と定義されています。 本書は上達することを理論的に説明した本であり、 上達すること(その過程)が記憶にどのような変化をもたらしているのか、 そして、その変化を効率よく導く方法が「コード化」「スキーマ」「記憶構造」という、 この理論の根幹を基に解説されています。 上達と記憶との関係の理論から、上級者の特徴を明らかにし、その状態に到達するための方法が解説される。 さらに、この理論によりスランプ状態が説明され、スランプの対策方法も説明される。スランプ対策に関しては本書の続編として「スランプ克服の法則」という本が既刊されている。 そして、最後に、この理論に従った上級者になる特訓方法が示されている。 個人的には、”うんうん”と経験的に納得する部分や、新たに知った事実などが多く含まれており、濃い内容に満足しています。 しかし、説明の例として「陶芸」「将棋」「囲碁」「茶道」が多く用いられるため、 身近に感じることができず、”そういうものか…”という傍観もしばしばありました。 (もちろん「テニス」「英語」等、身近に感じる例もあります。) そういった点を差し引いた評価とさせていただいています。 -----書評はココまで----- <備忘録> 上級者とは長期記憶に優れたコードをたくさん保持し、優れたスキーマを有する状態の人である。 つまり上級者になるためには、優れたコードを作成するために、優れたコード化能力を発達させ、また、スキーマ能力を研磨することで達成される。 優れたコード化能力を養うためには、ワーキングメモリと長期記憶に負荷をかけたり(ノートをとる等)、 柔軟なコード化を行う(精密なコード化(精密練習や理論的理解)やコードを体系化する(イメージトレーニング))。こうすることで1チャックに様々な長さのコードを格納できるようになる。 優れたスキーマ能力を養うためには、達人の技に接し、達人の持つスキーマを垣間見ることで示唆を得る。 (スキーマ能力の養い方に関しては明確な方法論が示されていなかった。) スランプ状態とは、学習心理学では「プラトー」と呼ばれ、上達度が平衡状態であること。 スランプ状態は決して上達度が低下しているわけではないが、そう感じられるのは、努力が成果(上達)として陽に現れないため、相対的に低下しているように感じられるためである。 このプラトーでは (1)知識の整理(2)技能の安定化(3)技能とコードの連合の密接化(4)1チャンク容量の増大(5)コードシステムの高度化 が行われている。つまり、上達する下準備期間である。 コード化とは、知識を言語に準じた形式に思考の中で表すこと。 コードシステムとは、コードがある体系をなしていること。 スキーマとは、コードシステムに調整機能、五感の感覚が付与したもの。 記憶構造とは、生の記憶を数百ミリ秒だけ記憶できるアイコニックメモリ(感覚記憶)から、必要となる記憶はアイコニックメモリで揮発する前に、数秒だけ記憶できるワーキングメモリ(作動記憶)へと移行する。 このワーキングメモリ上の記憶はチャンクという単位でまとめられ、一般に7〜9チャンクが記憶可能である。 そして、ワーキングメモリで記憶を維持するためには、揮発する前に頭の中でワーキングメモリにその記憶を入れなおす必要がある。 これを、リハーサルといい、リハーサルを繰り返されたものが長期記憶と呼ばれる、安定的に長期にわたって貯蔵される記憶となる。
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