1,800円以上の注文で送料無料

花神(上) の商品レビュー

4.2

115件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2022/08/04

村田蔵六が大村益次郎として歴史に必要とされるまでの前日譚。 中巻以降維新という激動の中に飲み込まれていくに連れて、宇和島での日々がより美しく見えてくるんだろうな。 伊達宗城の先見の明、横浜で“外国”に触れて衝撃を受ける福沢諭吉、その福沢と蔵六の攘夷に対する考え方の対比など印象的。...

村田蔵六が大村益次郎として歴史に必要とされるまでの前日譚。 中巻以降維新という激動の中に飲み込まれていくに連れて、宇和島での日々がより美しく見えてくるんだろうな。 伊達宗城の先見の明、横浜で“外国”に触れて衝撃を受ける福沢諭吉、その福沢と蔵六の攘夷に対する考え方の対比など印象的。 しかしそれにしても蔵六、ちょっと言葉が足りなすぎるだろう。

Posted byブクログ

2022/11/24

日本の幕末史の知識が浅かったのでちょっと勉強も兼ねて。(あくまで時代”小説”ではあるが) 司馬遼太郎の描く歴史上の偉人たちの中でも、なんとなく筆者のお気に入りかなと思われる人々はだいたい無骨で偏屈な奇人が多い気がする。それがなんともまた魅力的なキャラクターに思えるが。 長州、宇和...

日本の幕末史の知識が浅かったのでちょっと勉強も兼ねて。(あくまで時代”小説”ではあるが) 司馬遼太郎の描く歴史上の偉人たちの中でも、なんとなく筆者のお気に入りかなと思われる人々はだいたい無骨で偏屈な奇人が多い気がする。それがなんともまた魅力的なキャラクターに思えるが。 長州、宇和島、長崎、大阪、どこも改めて訪れてみたくなった。各地の史跡を訪ねて150年前に想いを馳せる旅がしたくなるほど、当時の熱、激動、時代のうねりが伝わってくる物語。中巻がはやく読みたい。

Posted byブクログ

2021/11/16

再読だと思うが、内容を完全に忘れている。司馬先生の授業を聴いているような感覚が心地よいです。 語り口は詩的だし、なによりの博覧強記。維新の空気を伝えていたたいている。

Posted byブクログ

2021/08/31

周防の村医だった村田蔵六(後の大村益次郎1825-1869)が、 幕末から維新の立役者となる数奇で波乱に富んだ生涯を描いた歴史長編小説。緒方洪庵の「適塾」での蘭学修行、長崎でフォン・シーボルトの娘(楠本イネ)との邂逅、宇和島藩でのオランダ語翻訳(蒸気船・砲台の設計、兵学)に尽力、...

周防の村医だった村田蔵六(後の大村益次郎1825-1869)が、 幕末から維新の立役者となる数奇で波乱に富んだ生涯を描いた歴史長編小説。緒方洪庵の「適塾」での蘭学修行、長崎でフォン・シーボルトの娘(楠本イネ)との邂逅、宇和島藩でのオランダ語翻訳(蒸気船・砲台の設計、兵学)に尽力、幕府の洋学機関 の教授と、時代の波にのって俊才ぶりを発揮する傍ら、長州藩の桂小五郎との「竹島の日本領」談義、「適塾」後輩の福沢諭吉と「攘夷」論争など、実在した人物が縦横に交差する歴史小説の醍醐味を愉しめる興奮の開幕篇。

Posted byブクログ

2021/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『坂の上の雲1』は読みづらかったがこちらは読みやすさはある。 司馬遼太郎の作品はあまり小説小説していないという理解で良いのかな。内容は面白いがこれプロの小説かよ、と思う点は多々ある。明治あたりの人物を垣間見るという点では良いのだろう。

Posted byブクログ

2020/04/22

村田蔵六こと日本における近代兵制創始者大村益次郎が主人公の物語。彼にまつわる小説は少ない。だから、これから多くを得て想像していきたい。靖国神社のあの銅像の人物がどういった生涯を送ったのか、単なる興味でこの本に手を出したが、司馬作品であることも相まって面白い。時代の変わり目というの...

村田蔵六こと日本における近代兵制創始者大村益次郎が主人公の物語。彼にまつわる小説は少ない。だから、これから多くを得て想像していきたい。靖国神社のあの銅像の人物がどういった生涯を送ったのか、単なる興味でこの本に手を出したが、司馬作品であることも相まって面白い。時代の変わり目というのは、その時に生きている者にしてみたら感じにくい。彼もその一人ではあったが、学問への興味や適塾同士との交流から知らぬ間にそれを感じているように動いていた。 洋学者でありながら、攘夷の総本山ともいえる長州藩の人間となり、ここからどう時代を生きていくのか、中、下が楽しみだ。

Posted byブクログ

2020/03/25

この本を読むまで、大村益次郎という人物は名前を聞いたことがある程度だった。 西南戦争を含む明治維新を、合理主義に徹して締めくくった姿は感動的でさえあった。 「西郷隆盛とは相打ち」という表現が印象的だった。

Posted byブクログ

2019/08/24

なかなか知られていない大村益次郎が題材。 萩の町医者だった村田蔵六が医者修行で緒方洪庵の適塾に行ったことが彼の運命を変えてしまう。 技術者であり続け、目立ちたがることなく、ひたむきに技術を極めようとした村田蔵六に日本人の美学を感じた。

Posted byブクログ

2019/08/11

【いちぶん】 ペリーの来航が、蔵六の運命を大きく変えようとは蔵六もむろん気づいていない。 かれの運命を一変させたのは、伊予の宇和島藩である。十万石の小藩だが、仙台からここへ移ってきた江戸初期いらい、民治がよく、学問がさかんで、江戸期の天下を分治していた二百数十の諸藩の優劣でいうと...

【いちぶん】 ペリーの来航が、蔵六の運命を大きく変えようとは蔵六もむろん気づいていない。 かれの運命を一変させたのは、伊予の宇和島藩である。十万石の小藩だが、仙台からここへ移ってきた江戸初期いらい、民治がよく、学問がさかんで、江戸期の天下を分治していた二百数十の諸藩の優劣でいうと、たとえば時計のような、精密機械の印象をもった藩である。 (p.125)

Posted byブクログ

2019/07/31

主人公以外の登場人物に関する余談が多いという印象を受けますが、真に社会を変えるのは大阪の適塾出身者達のように学問の修養をきちんと積んだ人たちなのだ、と感じさせてくれます。理科系の人にオススメしたい司馬遼太郎作品。

Posted byブクログ