容疑者の夜行列車 の商品レビュー
図書館本。 今までに読んだことのない文体。 地名が出てくる話は好きだ。どこかへ連れて行ってもらった気分になれる。
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世界の夜行列車をめぐる、夢うつつの話。暗いトーンのなかに、バイタリティあふれる主人公の強さが見えてかっこいい。
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[コメント] 紀伊國屋書店 人文書宣言×ピクウィック合同フェア『小説と思考の繋留――?気づき?の先を想像する』
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駅の様子がちょっとおかしい。ホームに人が嫌に少ないのである。それに、駅員たちがそわそわとして、何か秘密でも隠しているようである。駅員をつかまえて、どうかしたんですか、と尋ねるのも妙であるから、黙って観察しているしかない。駅全体が化けの皮をかぶっているのに、あなたはそれを剥がすこと...
駅の様子がちょっとおかしい。ホームに人が嫌に少ないのである。それに、駅員たちがそわそわとして、何か秘密でも隠しているようである。駅員をつかまえて、どうかしたんですか、と尋ねるのも妙であるから、黙って観察しているしかない。駅全体が化けの皮をかぶっているのに、あなたはそれを剥がすことができずにいる。
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「犬婿入り」や「ペルソナ」の奇妙な文体はやはり実験的なものだったのかもしれない。本作ではリズムのある読みやすい文体に変わって (戻って?) いる。 容疑者の夜行列車という絶妙な舞台装置のもと、くるくるとめぐる言葉と幻想の旅。 ストーリー自体はまったく違うけれどタブッキの 「インド...
「犬婿入り」や「ペルソナ」の奇妙な文体はやはり実験的なものだったのかもしれない。本作ではリズムのある読みやすい文体に変わって (戻って?) いる。 容疑者の夜行列車という絶妙な舞台装置のもと、くるくるとめぐる言葉と幻想の旅。 ストーリー自体はまったく違うけれどタブッキの 「インド夜想曲」 を思い出した。 タブッキ同様、何度でも読み返したくなる一冊。
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二人称。 主人公が「あなた」で、 最後に出てくる「わたし」 最初から最後までが「もやもや」 感に包まれてしまう、とても 不思議なお話。 うぅ。。。もやもやから抜け出せない。 でも、抜け出せない状況もまた好きだからしょうがないんです。
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並べられた言葉の持つ不思議なリズム。細切れの文章が一つ一つ重ねられていく。妙に理屈っぽい文章が続いたかと思えば、基の慣用句から解きはぐされ再配置された言葉がある。その再変換の過程で何かが意図的にすり換えられたりする。 以前、同じ著者の「エクソフォニー」という本を読んだ時には余...
並べられた言葉の持つ不思議なリズム。細切れの文章が一つ一つ重ねられていく。妙に理屈っぽい文章が続いたかと思えば、基の慣用句から解きはぐされ再配置された言葉がある。その再変換の過程で何かが意図的にすり換えられたりする。 以前、同じ著者の「エクソフォニー」という本を読んだ時には余り感じなかったことだが、この半ば自伝的とも思えるエピソードの連なりからなる本を読んで思うのは、著者の想像力のたくましさである。実のところ、その発想の転換に無理があると感じるものもあるのだが、それは著者が敢えて容易な道を選択せずに、何処でもない場所へ辿り着きたいという衝動に忠実なせいなのか、とも思う。読み手の心が弱くなっているとき、その飛躍は逃避と映ることもあるかもしれない。しかし多和田葉子の歩む道筋は、意図的な迷走であって逃げでは決してない。 日本語のような、そうでないような不思議な響き(所々に音合わせによって選び取られたと思われるふしの言葉あり)とリズムを持つ文章は、他では味わうことができない。
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旅人のあなたを待ち受ける奇妙な乗客と残酷な歓待。宙返りする言葉を 武器にして、あなたは国境を越えてゆけるか。戦慄と陶酔の夢十三夜。
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謎の小説だなあ。天然だろ疑惑を持ってしまうが、面白いは面白い。エッセイと小説の境界をただよっている感じは好き。でも、この人はたぶん物語を作れなさそうだなあ。タブッキのインド夜想曲と似てるという人がいたので読まなきゃな。2007.3.3
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2004.1.4 パワーゲーム , 2004.1.6 味覚 , 2004.1.7 幸運 , 2004.1.8 名答 , 2004.1.9 個
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