1,800円以上の注文で送料無料

寝ながら学べる構造主義 の商品レビュー

4

312件のお客様レビュー

  1. 5つ

    95

  2. 4つ

    115

  3. 3つ

    62

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2012/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 内田先生による、構造主義の入門書です。 読んでいて書き留めたい箇所を引用します。  精神分析の目的は、症状の「真の原因」を突き止めることではありません。「治す」ことです。そして、「治る」というのは、コミュニケーションの回路に立ち戻らせること、他の人々と言葉をかわし、愛をかわし、財貨とサービスをかわし合う贈与と返礼の往還運動のうちに巻き込むことに他なりません。(P197)  レヴィ=ストロースは要するに「みんな仲良くしようね」と言っており、バルトは「ことばづかいで人は決まる」と言っており、ラカンは「大人になれよ」と言っており、フーコーは「私はバカが嫌いだ」と言っているのでした。(あとがき)

Posted byブクログ

2012/07/17

ヘーゲル 自分を俯瞰する能力=自己意識 (動物にはないもの) マルクス 自己同一性を確定した主体がまずあるのではなく、ネットワークのなかで作り出した意味(=労働)によって事後的に自分を知る、自己規定される ☆主体性の起源は主体の「存在」ではなく「行動」のうちにある =脱中...

ヘーゲル 自分を俯瞰する能力=自己意識 (動物にはないもの) マルクス 自己同一性を確定した主体がまずあるのではなく、ネットワークのなかで作り出した意味(=労働)によって事後的に自分を知る、自己規定される ☆主体性の起源は主体の「存在」ではなく「行動」のうちにある =脱中心化、非中枢化 フロイト 無意識、抑圧=人間は自分自身の精神生活の主人ではない ニーチェ 古典文献学で培った「今の自分」から離れる共感能力 =系譜学的思考(フーコーが継承) 現代人の自己意識のなさを批判 (功利主義者による道徳の系譜学…私有財産権、ホッブズ、ロック、ベンサム、ミル) 大衆社会=非主体的な群衆、畜群、奴隷 (30年後のオルテガ「大衆の反逆」) 畜群道徳=社会の均質化を目的とする ⇔貴族、超人=畜群を必要とする …反ユダヤ主義 と結びついてしまう ソシュール 一般言語学講義 名前がつくことである観念が私たちの思考の中に存在するようになる 自我中心主義に徹底的なダメージを与える フーコー 人間主義(自我中心主義) 的な進歩史観を否定 系譜学的なアプローチをめざす 権力=ストック趨向性=標準化の圧力 「監獄の誕生」「狂気の歴史」「知の考古学」「性の歴史」 バルト 記号学 象徴(トイレの男マーク)、兆候(稲妻と雷鳴)と記号(紳士用、という文字とそこでする行為、人為的取り決め=言語共同体によって異なる)の違い 記号=しるしと意味の組み合わせ あらゆる文化現象を記号として読み解いたのがバルト

Posted byブクログ

2012/07/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

内田さんらしい軽妙な語り口だったが、流し読みをしたので少し理解が難しかった。 構造主義者それぞれの主張はよくわかったが、構造主義全体に関してはあまり理解できなかったのが残念。 もう一回読もうと思う。

Posted byブクログ

2012/06/26

 フーコー、バルト、ラカン、レヴィ=ストロースなどの名前は、見たことがあったが、どのような思想なのかわからなかったし、すこし本を立ち読みしても内容が難しくてわからなかった。おおまかに理解して、興味をもった思想家の本を今後読むために購入した。本書は誰でもおおまかな内容が理解できるよ...

 フーコー、バルト、ラカン、レヴィ=ストロースなどの名前は、見たことがあったが、どのような思想なのかわからなかったし、すこし本を立ち読みしても内容が難しくてわからなかった。おおまかに理解して、興味をもった思想家の本を今後読むために購入した。本書は誰でもおおまかな内容が理解できるように噛み砕いて解説してある。おもしろかったのは、ソシュールの言葉と物の概念についてであった。また、レヴィ=ストロースの「野生の思考」、「悲しき熱帯」を今後読みたい。

Posted byブクログ

2012/06/27

 私たちは偏見の時代を生きている。構造主義という思考方法は、いまや自明なものとして私たち自身の思考や経験獲得を規定している。しかし、重要なことは、それがあまりにも自明であるため意識されることなく私たちはそれに律されているということである。自明であり、自然なものとして、社会に受容さ...

 私たちは偏見の時代を生きている。構造主義という思考方法は、いまや自明なものとして私たち自身の思考や経験獲得を規定している。しかし、重要なことは、それがあまりにも自明であるため意識されることなく私たちはそれに律されているということである。自明であり、自然なものとして、社会に受容されている思考こそ、実は歴史的、時代的特殊な状況の中で生まれ育まれたものなのである。だからこそ、重要な問いとして成立するのだ。  ところで、よい入門書とはなんであろうか?それは「私たちがまだ知らないこと」から出発するものであると著者はいう。だから、逆に私たちみんなが知っていることから始めて、専門家がいいそうなことを結論とするような入門書はつまらない入門書である。本書は前者に属する。よい入門書である。著者自身が知らないことをいわば、自転車操業的に調べ、学んだことをまとめたため、使い勝手の良い知識となっている。  さて、ではそもそも構造主義とはなんであろうか、簡単にいうと、次のような考え方である。  私たちはつねにある時代、ある地域、ある社会集団に属しており、その条件が私たちのものの見方、感じ方、考え方を基本的なところで決定している。だから、私たちは自分が思っているほど、自由に、あるいは主体的にものを見ているわけではない。むしろ私たちは、ほとんどの場合、自分の属する社会集団が受け入れたものだけを選択的に「見せられ」「感じさせられ」「考えさせられている」。そして自分の属する社会集団が無意識的に排除していしまったものは、そもそも私たちの視界に入ることがなく、それゆえ、私たちの感受性に触れることも、私たちの思索の主題となることもない。  私たちは自分では判断や行動の「自律的な主体」であるとしんじているけれども、実は、その自由や自律性はかなり限定的なものである、という事実を徹底的に掘り下げたことが構造主義という方法の功績なのです。 (p25)  構造主義前史、マルクス、フロイト、ニーチェから始まり、ソシュールの一般言語学、フーコーの系譜学、バルトのエクリチュール、レヴィ=ストロースの社会構造、野生の思考、ラカンの分析的対話がすらすらわかるおよそ、類例をみない良書となっているので、誰でも読んで役に立つことだろう。  

Posted byブクログ

2012/05/30

構造主義前史から、構造主義の四銃士といわれるフーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンの思想概要まで大づかみに解説している。自分も構造主義を系統だって学んだわけではないため、内容の正誤については言及しかねるが、エッセンスらしきものを抽出して、いかにも面白そうに開示してみせる筆者...

構造主義前史から、構造主義の四銃士といわれるフーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンの思想概要まで大づかみに解説している。自分も構造主義を系統だって学んだわけではないため、内容の正誤については言及しかねるが、エッセンスらしきものを抽出して、いかにも面白そうに開示してみせる筆者の腕前は毎度ながら感服。

Posted byブクログ

2012/05/05

面白くて、読んでるといっぱい関係ないことを考えてしまうので、良い本だと思います。 でも、寝ながらは無理っす。

Posted byブクログ

2012/05/04

街場の読書論を読んだ後に構造主義について知りたくて、読んでみた。 構造主義の考え方は 自分では自由•主体的だと思っていても、時代や社会集団からの影響を受けている。自分で選択したと思っていても、それらは見せられ、感じさせられ、考えさせられている。 この本との出会い(出会わした)...

街場の読書論を読んだ後に構造主義について知りたくて、読んでみた。 構造主義の考え方は 自分では自由•主体的だと思っていても、時代や社会集団からの影響を受けている。自分で選択したと思っていても、それらは見せられ、感じさせられ、考えさせられている。 この本との出会い(出会わした)ことはなんだろうと考えると無限ループにはまっていく。 だけどなにか今までにない変化が起きていると信じたくなる。

Posted byブクログ

2012/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

内田樹氏の著作に出会うまで「構造主義」という言葉すら知らずにいた。現代の思想界はいわば「ポスト構造主義」の段階だと言う。つまり僕が生きてきた1960年代~現在に至る世界は「構造主義」が考え方の主流だったと言うことになる。クロード・レヴィ・ストロースがサルトルを批判したときに「実存主義」から「構造主義」にシフトしたと考えられている。 ラカンやフーコー、デリダといった思想家の名前は脊椎反射的に「難解な」という枕詞がつくくらい、取っつきにくいものだったが、自称「入門書好き」の著者らしくその内容を非常にわかりやすく、しかもラディカル(根源的)に解説してくれる。 ソクラテスから一貫している西洋哲学の基本は「我思う」の「我」が世界を見るの基準点となっている。それに対して構造主義の視点は相対的である。人間が「思う」よりも先に世界があり、その社会集団という構造がある。人間の「思い」はその影響によって作られるものである。 我々の世代の日本人にとってはこの思考法は比較的受け容れやすいもの、常識的なものであるように思う。思想が一般化したということだろうか。 構造主義の四銃士~ミシェル・フーコー(系譜学)、ロラン・バルト(記号学)、クロード・レヴィ・ストロース(文化人類学)、ジャック・ラカン(精神分析)のくだりはさすがに少し難しくなるけれど、あとがきにある大雑把なまとめに、うーんと唸ってしまいました。 以下引用。 (若い頃は難解だったフランス現代思想が、歳を重ねて「人としてだいじなこと」がわかってくると、彼らの「言いたいこと」がすらすらと分かってきた) レヴィ・ストロースは「みんな仲良くしようね」と言っており、 バルトは「言葉づかいで人は決まる」と言っており、 ラカンは「大人になれよ」と言っており、 フーコーは「私はバカが嫌いだ」と言っているのでした。 やはりこのひとは面白く、その知性はあくまで慈愛に満ちています。

Posted byブクログ

2012/04/20

あとがきに、 「レヴィ・ストロースは要するに、みんな仲良くしようねと言っており、バルトはことばづかいで人は決まると言っており、ラカンは大人になれよと言っており、フーコーは私はバカが嫌いだと言っているのでした。なんだ、そういうことが言いたかったのか。」 というのがあります。 ...

あとがきに、 「レヴィ・ストロースは要するに、みんな仲良くしようねと言っており、バルトはことばづかいで人は決まると言っており、ラカンは大人になれよと言っており、フーコーは私はバカが嫌いだと言っているのでした。なんだ、そういうことが言いたかったのか。」 というのがあります。 内田樹にかかれば、一瞬にして答えがでてしまう。それを熱烈歓迎する人もいれば、激烈批判する人もいるらしい。 構造主義なんて初めてききました フーコーって言ったら振り子しか知りません(もしかして同一人物?) でもベースラインはわかったかな、って感じ。 本を読んで、周りの事例に適用できるって素敵だけど、まさにそんな本。 周りの人にも構造主義的な人いっぱいいるし、自分はなんかちょっと前の人みたいな考えかたかもって気づいたし… 「再読に耐えうる本です」って先生が言ってたから、たぶんまた読みます。

Posted byブクログ