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寝ながら学べる構造主義 の商品レビュー

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312件のお客様レビュー

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2013/03/24

これは明快!さすが内田先生。 まえがき、構造主義が生まれる前の話、から面白かったなあ。 もっと早くこの本に出会っておけばよかったね。 さて、ものが分かるってどういうことなんでしょうかね。AはAですよ、という平面的で同語反復的な説明だけでなく、BはAではない、あるいはAはBと...

これは明快!さすが内田先生。 まえがき、構造主義が生まれる前の話、から面白かったなあ。 もっと早くこの本に出会っておけばよかったね。 さて、ものが分かるってどういうことなんでしょうかね。AはAですよ、という平面的で同語反復的な説明だけでなく、BはAではない、あるいはAはBと違う、という立体的で相対的なアプローチもありますね。 私たちがいかに考えやすいように考えてしまいがちであり、かつそのことにどれだけ無反省で無頓着であるか。 知りたくないことを自動的にカットしてしまう機能が備わっていること。 思わずうなってしまいますわ。内田先生の本はきっとこれからも読むのでしょう。 と同時に、「自分の足で山を登りたい」欲も湧き上がる次第です。

Posted byブクログ

2013/03/10

新書というものは誰にでも分かるように書かないと売れない種類の本である。こみ入った話は避け、できるだけ平易な言葉で語ろうとする。だから、読みやすいのは当然で、あっという間に読み終えることができる。それだけに読み応えの方はあまり期待できないといったものが多い。ただ、話題が「構造主義」...

新書というものは誰にでも分かるように書かないと売れない種類の本である。こみ入った話は避け、できるだけ平易な言葉で語ろうとする。だから、読みやすいのは当然で、あっという間に読み終えることができる。それだけに読み応えの方はあまり期待できないといったものが多い。ただ、話題が「構造主義」である。どれだけ平易な言葉で語ることができるのだろうか、という興味で読み始めた。結論から言えば、極めて分かりやすい構造主義の解説書でありながら、読み物としての面白さも併せ持った格好の入門書足り得ている。 ただ、現代は「ポスト構造主義の時代」と呼ばれて久しい。なぜ、今頃「構造主義」なのか。それについて内田は、「ポスト構造主義の時代」とは、決して構造主義的な思考方法が廃れてしまった時代ではなく、むしろ構造主義の思考方法が「自明なもの」になり、誰もがその方法を使って考えたり話したりしている時代であるとした上で、そういう「自明なもの」だからこそ研究する意味がある。なぜなら、学術という仕事は「常識として受容されている思考方法や感受性のあり方が、実はある特殊な歴史的起源を有しており、特殊な歴史的状況の中で育まれたものだということを明らかにすることだから」だと言う。 ここを読んで「あれ、どこかできいたような気がするぞ」と気づいた人がいるかもしれない。そう。実は、こういった切り口で、それまで自明と考えられていた物事について、その起源を探り、それらが、自明でなかった時代が巧妙に隠蔽されていたことを暴いていったのがフーコーら構造主義者と呼ばれる人たちだったのである。つまり、内田は構造主義についての解説書を書くのに構造主義的な思考方法を用いることで、その意義を語っているのである。 構造主義とは何か。少し長くなるが内田の言葉を引用する。「私たちは常にある時代、ある地域、ある社会集団に属しており、その条件が私たちのものの見方、感じ方、考え方を基本的なところで決定している。だから、私たちは自分が思っているほど、自由に、あるいは主体的にものを見ているわけではない。むしろ私たちは、ほとんどの場合、自分の属する社会集団が受け容れたものだけを選択的に『見せられ』『感じさせられ』『考えさせられている』。そして自分の属する社会集団が無意識的に排除してしまったものは、そもそも私たちの視界に入ることがなく、それゆえ、私たちの感受性に触れることも、私たちの思索の主題となることもない。」 見事な要約と言えよう。ふだん自分が考えたり、文に書いたりしていたことをこうまで的確に説明されると、何だ自分は構造主義者だったのか、と妙に納得させられてしまう。そうなのだ、意識するにせよ、しないにせよ、私たちはすでに構造主義のただなかにいるのである。なあんだ、そうだったのかと思った人はここで本を閉じてもいい。構造主義についてはこれ以上の解説はない。後は、構造主義的な思考方法を準備した先駆者達、つまり、マルクス、フロイト、ニーチェの果たした役割と、始祖ソシュールに始まる構造主義の「四銃士」達、つまり、フーコー、バルト、クロード・レヴィ=ストロース、そしてラカンの思想の解説にあてられている。 ただ、その解説のために準備された譬えがなかなか秀逸である。映画や能、狂言、童話まで駆使して解きほぐされる構造主義の「四銃士」たちの話はそこだけを読んでもおもしろい。慎重に選び抜かれた引用から、それぞれの著作にあたってみるというのもいいだろう。ラカンだけは、たしかに少し難解だが、それ以外の著者の文章は翻訳でも充分に理解できるはずである。個人的にはフーコーの『監獄の誕生』や『狂気の歴史』を読んだ後の「自明なもの」がぐらぐらと音立てて崩壊してゆくときの感覚が忘れられない。それは今に至ってもずっと続いていて、ものを考えるときの礎石になっている。

Posted byブクログ

2013/03/06

ゼミで指定された参考文献と言うことで買って読んだのだが、やはり今の時点で構造主義を完全に理解することは出来ない。 しかし、この本は構造主義を簡単に理解出来るようによく工夫されており、読みやすかった。 専門用語はあるものの、例え話を取り入れることに分かりやすく、簡単にまとめている印...

ゼミで指定された参考文献と言うことで買って読んだのだが、やはり今の時点で構造主義を完全に理解することは出来ない。 しかし、この本は構造主義を簡単に理解出来るようによく工夫されており、読みやすかった。 専門用語はあるものの、例え話を取り入れることに分かりやすく、簡単にまとめている印象だった。それがまた良かった。 読み終わる頃には前より構造主義について理解出来た気がする。が、まだ理解出来ていない部分もあったりするので、また読み直したい。

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2013/03/05

本書の冒頭に書かれていますが、現代は「ポスト構造主義」なんだそうです。それは、構造主義の次に来た時代という意味ではありますが、構造主義が終わった時代ではないと内田さんは言います。構造主義の物の見方や考え方があまりに深く我々の生活に浸透した時代のことを言っているんじゃないのか、と言...

本書の冒頭に書かれていますが、現代は「ポスト構造主義」なんだそうです。それは、構造主義の次に来た時代という意味ではありますが、構造主義が終わった時代ではないと内田さんは言います。構造主義の物の見方や考え方があまりに深く我々の生活に浸透した時代のことを言っているんじゃないのか、と言います。しかし、そう言われても、構造主義と聞いてピンときません。というわけで、構造主義を平易な文章で説明してくれているのがこの本です。 まず、構造主義を支えた前史的なものとして、マルクス、フロイト、ニーチェについて。それから、構造主義の始祖とも言われる、言語学者のソシュールについて。最後に、構造主義の四銃士として、フーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンについて見ていくことで、構造主義を学ぶ形になっています。

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2013/03/04

今まで断片的にしか知らなかった思想家たちの考え、そしてそれがどのように現代に続いてきたかが初めて理解できた。 (このようなまとめ方は人間主義としてフーコーに嫌われるだろうが…) チャラいタイトルではあるけど、現代の考え方について考えたいのならオススメ

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2013/02/24

現代社会における価値観がどのように形成されているか、ということが描かれており、歴史の中における現在の立ち位置を確認できる。比較的平易な文で書かれてるけど眠くなる。

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2013/02/23

「構造主義」など、思想・哲学の用語を聞くと、とかく難しいものと思い込んでしまいがちだ。かくいう私もそうであった。しかし、高校時代に教師から勧められた本書を読んでみれば、いままでの私がいかに偏見の塊であったかを思い知らされる。「あとがき」には本書で取り上げた「四銃士」の思想について...

「構造主義」など、思想・哲学の用語を聞くと、とかく難しいものと思い込んでしまいがちだ。かくいう私もそうであった。しかし、高校時代に教師から勧められた本書を読んでみれば、いままでの私がいかに偏見の塊であったかを思い知らされる。「あとがき」には本書で取り上げた「四銃士」の思想について、ごくシンプルにかつ乱暴にまとめてしまっている箇所があるが、じつはそれがきちんと的を射ており、つまりは四人とも現在でもありふれているような、簡単な教訓を小難しい理論で語っているだけなのである。そういうことがわかり、こういったジャンルに対する壁が一段低くなったというだけでも、この本を読んだ価値はあるだろう。一方でさすがに複雑な思想であるだけあって、これだけではやはり完全に摑み取ることはできない。とくに、ジャック・ラカンの思想がいちばん難しく、読み返してみてもなんだかよくわからなかった。ただ、逆にいえばそこ以外はすらすらと読めたわけで、そういう点でもやはり本書は良い作品なのであろうと思う。

Posted byブクログ

2013/02/15

一読の価値あり。再読の価値はない。 上っ面をさっと撫でたようなものゆえ、深みがなく面白くはない。簡単な紹介文のような感じ。

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2013/01/28

結局のところ、あとがきの、 レヴィ=ストロースは要するに「みんな仲良くしようね」と言っており、 バルトは「ことばづかいで人は決まる」と言っており、 ラカンは「大人になれよ」と言っており、 フーコーは「私はバカは嫌いだ」と言っている… ということでいいと思うのですが(...

結局のところ、あとがきの、 レヴィ=ストロースは要するに「みんな仲良くしようね」と言っており、 バルトは「ことばづかいで人は決まる」と言っており、 ラカンは「大人になれよ」と言っており、 フーコーは「私はバカは嫌いだ」と言っている… ということでいいと思うのですが(笑)。 著者のエクリチュールは非常に説得力があるというか、 要するに、分かった気にさせてくれるわけで。 今回も、なんか分かった気になりました。 ソシュール、ラカンくらいは齧ってましたが、 その他の現代思想の知識は全くまとまりがないまま、 頭の中でこんがらがっていました。 本書は、構造主義だけでなく、近代思想の大まかな流れとともに、 解説されているので、体系的な理解ができて助かりました。 と、いう考え方がすでに構造主義的でないようですが(笑)。

Posted byブクログ

2013/01/21

フーコーを読もうとした。一ページも進まずに挫折した。それ以来「現代思想」アレルギーが発症してしまった。だが、本書が特効薬になった。 構造主義は、「私」という概念を根本から覆す発想をしている。その論法を極端化すれば、「私」は存在しない、と言い切ることさえ可能である。ちょうど、安部...

フーコーを読もうとした。一ページも進まずに挫折した。それ以来「現代思想」アレルギーが発症してしまった。だが、本書が特効薬になった。 構造主義は、「私」という概念を根本から覆す発想をしている。その論法を極端化すれば、「私」は存在しない、と言い切ることさえ可能である。ちょうど、安部公房の『第四間氷期』で、人間の性格は概念の組合せで定式化できる、とあったように。

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