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寝ながら学べる構造主義 の商品レビュー

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312件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2013/09/06

気がついたら内田先生の本を手に取っていることが多いのですが、その本の中身には必ずと言っていいほど構造主義に基づく物事のあり方が引き合いに出されます。一体構造主義って何だ? そこで手にしたのがこの本。あとがきに先生自身お若い頃、この構造主義を理解しようと思想家の書いた本を手に取った...

気がついたら内田先生の本を手に取っていることが多いのですが、その本の中身には必ずと言っていいほど構造主義に基づく物事のあり方が引き合いに出されます。一体構造主義って何だ? そこで手にしたのがこの本。あとがきに先生自身お若い頃、この構造主義を理解しようと思想家の書いた本を手に取ったものの、難しくて理解に苦しんだということを告白しています。その頃、思ったのはこんなタイトルの本があったらなあということ。この本は市民講座で話した内容を基に書いたそうですが、先生とは異なり、年を食ってもちっとも理解力の向上しない私ですが、この本のお蔭で曲がりなりにもなあんとなく分かったような気になっています。 分かったことは、この構造主義というのは、大体1960年代までフランスの思想界に君臨してきたサルトルなどの実存主義に代わって、現代の人々の物の見方を左右してきた思想だということ。それまでの意識や主体から規則や構造へ物の見方がシフトしたということのようです。 私の年代では、哲学といった学問を習った時、確かに流行り!?はサルトルだとかニーチェでその先のフーコーやラカンなどは少なくとも教科書にはいませんでした。 文化人類学というフィールドで、「贈与」が人間の本性であるとしたレビィ=ストロースの考え方は、よく先生の本に引き合いに出ているので機会があれば読んでみようと思ったのでした。

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2013/09/02

東大に行った先輩に勧められた本、東大・一橋・東北といった現代文が難しい受験生は読みましょう。構造主義を知らない人も読みましょう。

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2013/09/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間社会は同じ状態にあり続けることができない。人間は自分が欲しいものは他人から与えられるという仕方でしか手に入れることができない。(・・・だから欲するなら、まず他者に与えなければならない)停滞しているコミュニケーションを「物語を共有すること」によって再起動させることが「共生」の戦略である。

Posted byブクログ

2013/08/09

ソシュール:名前がつくことで、観念が存在するようになる。 フーコー:ニーチェの系譜学的思考を継承して、知的欲求ではなく歴史的事象そのものに向き合う。 バルト:言葉づかいは、ラング(国語/書き手が共有している規則や習慣)とスティル(個人的な言語感覚/好み)とエクリチュール(集団的な...

ソシュール:名前がつくことで、観念が存在するようになる。 フーコー:ニーチェの系譜学的思考を継承して、知的欲求ではなく歴史的事象そのものに向き合う。 バルト:言葉づかいは、ラング(国語/書き手が共有している規則や習慣)とスティル(個人的な言語感覚/好み)とエクリチュール(集団的な好みで、社会的立場に関わる)からなる。 体育座りのところは、考えたことも無かったからおもしろかった。 レヴィストロース:人間社会は同じ状態にあり続けることはできないため、欲しいものはまず他者に与えなくてはならない。 ラカン:人間は幼児期に鏡を通して「私」を基礎づけ、コミュニケーションのなかで「父」から自分の無力と無能を学ぶことで大人になる。 こぶとり爺さんの話はちゃんと知らなかったからおもしろかった。こぶとり爺さん知ってる人は理解できているのか気になる。

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2013/07/21

「構造主義」の入門解説本。 ニーチェ、マルクス、フロイドを源流として、ソシュールが言語学の分野で打ち立てた方法論・認識論を様々な分野に敷衍していったのが構造主義だと。 そして構造主義の四銃士として、レヴィ=ストロース、バルト、フーコー、ラカンを取上げている。すっきりと整理されて...

「構造主義」の入門解説本。 ニーチェ、マルクス、フロイドを源流として、ソシュールが言語学の分野で打ち立てた方法論・認識論を様々な分野に敷衍していったのが構造主義だと。 そして構造主義の四銃士として、レヴィ=ストロース、バルト、フーコー、ラカンを取上げている。すっきりと整理されている。たぶんすっきりと整理されすぎなんだろう。 これを見ると構造主義はフランスにおける一時期の流行りだったのかなと思うが、その認識論は今でも有効だと思っている。 しかし、こうやって整理されてもラカンだけはやっぱりわからんわ。

Posted byブクログ

2013/06/20

*構造主義 マルクス: ・人間は階級により見える世界が異なる ・普遍的人間性というものはなく、人間は行動により(自然的存在者以上のものとして)(事後的に)規定される フロイト: 無意識の存在により、人間は自らどう思考しているか知らずに思考する ニーチェ: ・(環境が異なる)...

*構造主義 マルクス: ・人間は階級により見える世界が異なる ・普遍的人間性というものはなく、人間は行動により(自然的存在者以上のものとして)(事後的に)規定される フロイト: 無意識の存在により、人間は自らどう思考しているか知らずに思考する ニーチェ: ・(環境が異なる)他者の視点を想像することにより、同じ経験を得られる ・自分の価値基準は歴史的に形成された偏見。同時代人はそれに囚われているため愚物 ・かつては自己保存のために自然権を委託したが、今は他者と同じでありたいとする畜群道徳に基づいて行動する ・自分の内部の衝動に基づき行動できるのが、貴族であり超人 ソシュール: ・名付けられることによって始めて意味が生まれる ・私たちの意識は、立脚する言語体系に多大な影響を受ける ・アイデンティティは外部から到来したもの フーコー: ・歴史は直線的に推移していない(常に進歩しているわけでも退歩しているわけでもない) ・「正しさ」「自然な」は変わるし、意図的に生成されることもある ・権力とは「カタログ化し、一覧的に位置づけるもの」 バルト: ・(ラングでもスティルでもなく)人は自らの言語体系の選択(エクリチュール)に囚われている ・価値中立的のように見える語法にこそ、無意識な価値体系が潜在している ・テクストは読む主体に影響を与え(言語体系的に)、読む主体によってテクストの意味も変わるという、双方向的なダイナミズムが存在する レヴィ=ストロース: ・状況、環境によって「正しさ」は異なる ・自発的で内発的だと信じる感情は、社会システム上の「役割演技」にすぎない(例えば、親族構造は近親相姦を禁止するために存在し、自然は親子感情ではない) ・互酬性は、社会を同一状態に留めず、モノは他人から与えられるのみだとする認識を与える ラカン: ・幼児は鏡によって自分を知るが、それは自分そのものでない   →「私」の原点は「私の内部」にはない ・記憶の100%再現は不可能

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2013/05/19

 まえがきと、あとがきが、非常に秀逸。こりゃ読みたくなりますよ。  「適当にひろーく、かなりうすーく」が読書傾向という私ですが、とくに「哲学」は避けて通ってきた気がします。どういうことかというと、この本の前書きにあるとおり、“私たちがあることを知らない理由はたいていの場合一つし...

 まえがきと、あとがきが、非常に秀逸。こりゃ読みたくなりますよ。  「適当にひろーく、かなりうすーく」が読書傾向という私ですが、とくに「哲学」は避けて通ってきた気がします。どういうことかというと、この本の前書きにあるとおり、“私たちがあることを知らない理由はたいていの場合一つしかありません。「知りたくない」からです”ということなのでしょう。  なのに、なぜこの本を手に取ることになったのか。それは「ちょっと偉そうなことを言ってみたい」とか「なんか偉そうに書いてあることを、ふふん、と切り返したい」という手っ取り早い欲求があったからです(爆)。で、この本は、なかなか上手にこの欲求に答えてくれる本でした。  まぁ、なんつーか現代的? モダン? ポストモダン? よくわかんないけど、ちょっとアタマの良さそうな考え方ってあるじゃないですか。ニューギニアの奥地に住む人たちの生活を「遅れてる」というよりは「西洋文明が『進歩』してるというのは幻想だ。文化に貴賤はない」というほうがイカしてるでしょ。ほかにも「名付けられることによって、初めて意識化できるのだ」とか、「自分が正気であるかどうかは、自分ではわからない」とか、「作品に真にオリジナルなものなどなく、先行する何かからの影響を逃れることができない」とか。  そういうものの言い方が、ああ、バルトからきてるのねとか。ああ、レヴィ=ストロースからなのね、とか。ラカンが言いそうなことだよなとか。そういうふうに理解できる。便利。素敵。良い本だ。  まぁ。頭のよさそうなものの言い方を覚えたところで、生兵法はけがのもと。うかつに使ってはまずいでしょう。でも、自分でサギはしなくても、サギの手口を知っておけばうかつにだまされないでしょ。とりあえず「思想的オレオレ詐欺」を防ぐには、すごーくいいんじゃないでしょうか、この本。  著者が後書きに書いていること。  “レヴィ=ストロースは「みんな仲良くしようね」と行っており、バルトは「言葉づかいで人は決まる」と行っており、ラカンは「大人になれよ」と言っており、フーコーは「私はバカが嫌いだ」と言っているのでした。”  読み終わると、まさにそういうふうに思える。これでもう、怖くない。  こういう「わかったような気になる」のも、構造主義的な罠にはまっているのでしょうが。という入れ子構造も、なんとなく構造主義な感じ?(これじゃまだまだ詐欺には気をつけないとね)

Posted byブクログ

2013/05/14

実にわかりやすい。構造主義の思考様式がわかる。 フーコー、バルト、レヴィ・ストロース「贈与」、ラカン「鏡像」 どれもなるほど!と思った。

Posted byブクログ

2013/05/03

2013.04.26 何が構造主義なのか、いまいちよくわからなかった。そもそもそういうことかもしれないが、少々、消化不良といったところ。

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2013/04/25

 今更ながら内田樹の代表作の一つ。私たちは用いる言葉の中で既に構造主義的な単語を多く採用して話しているらしい。これはこっちから考えたらこうだけど、あっちから考えたら違うように見える、といったような今では当たり前の思考様式そのものが、それ以前には少なかった様式なんだそうだ。二章あた...

 今更ながら内田樹の代表作の一つ。私たちは用いる言葉の中で既に構造主義的な単語を多く採用して話しているらしい。これはこっちから考えたらこうだけど、あっちから考えたら違うように見える、といったような今では当たり前の思考様式そのものが、それ以前には少なかった様式なんだそうだ。二章あたりのソシュールの、言語が概念そのものを作る、私たちは既にその言語によって存在や思考そのものを規定されている、という理論は非常に納得。大学一年時に読んでおけば良かった本を今読んでみても学ぶことが多かった。

Posted byブクログ