1,800円以上の注文で送料無料

神様 の商品レビュー

4.1

280件のお客様レビュー

  1. 5つ

    104

  2. 4つ

    98

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    4

レビューを投稿

2010/12/01

誰かにそっと傍に居て欲しい時、 溢れる涙を何処かに滲みこませたい時、 幾ら唇を噛んでも抑え切れないくらい辛い時、 友人の悩みが頭に入ってこないくらい嬉しい時、 人が云う幸せってこんなに温かいモノなのかと知った時、 愛する人の傍で髪の毛の匂いを嗅いでいたい時、 そん...

誰かにそっと傍に居て欲しい時、 溢れる涙を何処かに滲みこませたい時、 幾ら唇を噛んでも抑え切れないくらい辛い時、 友人の悩みが頭に入ってこないくらい嬉しい時、 人が云う幸せってこんなに温かいモノなのかと知った時、 愛する人の傍で髪の毛の匂いを嗅いでいたい時、 そんな大切な瞬間瞬間を包んだような本。

Posted byブクログ

2010/10/22

やっぱり最初と最後のくまの話が好きだなあ。切ない。あんなにこっちの世界に馴染んでいるように見えたのに、こっちの世界でそこそこ快適に暮らしていけると思っていたのに、実は「馴染めきれませんでした」だなんて切なすぎる。 「熊の神様のお恵みあなたの上にも降り注ぎますように」で涙腺が弛んだ...

やっぱり最初と最後のくまの話が好きだなあ。切ない。あんなにこっちの世界に馴染んでいるように見えたのに、こっちの世界でそこそこ快適に暮らしていけると思っていたのに、実は「馴染めきれませんでした」だなんて切なすぎる。 「熊の神様のお恵みあなたの上にも降り注ぎますように」で涙腺が弛んだ。同じ人間でも、自分の信ずる神様と違う神様を信仰する者を否定したり殺し合ったりすることがあるというのに、この熊は種族も違う生き物に向かって、「熊の神様」がなんなのかこれっぽっちも知らない相手に向かって、自分達の信ずる神様が相手に幸せをもたらしてくれるよう願ったのだ。 くまがオレンジの皮を人間から顔を背けながら急いで食べるところ、思わず手づかみで食べ物を食べてしまって慌てるところに本当に胸を締め付けられた。馴染もうとがんばったのにね、馴染めると思ってたのにね。 あと、「ぼくだめなのよ」が可愛すぎる。

Posted byブクログ

2010/10/08

熊とピクニックに出掛けるというファンタジー。熊がいいやつなんだ。 健気ないい奴がでてくるはなしは好きだな。

Posted byブクログ

2015/06/29

川上弘美さんの短編集。 くまが喋ったり、壷から女性が出て来たり、ありえない状況であっても、何だかすんなりと現実に溶け込んでしまう。主人公も、けして大騒ぎしないし。 川上さん作品はまだ数冊しか読んでいませんが、「これが川上ワールドかな?」と何となーく感じてます。 どこか温かみが、あ...

川上弘美さんの短編集。 くまが喋ったり、壷から女性が出て来たり、ありえない状況であっても、何だかすんなりと現実に溶け込んでしまう。主人公も、けして大騒ぎしないし。 川上さん作品はまだ数冊しか読んでいませんが、「これが川上ワールドかな?」と何となーく感じてます。 どこか温かみが、あるのですね。

Posted byブクログ

2010/07/23

高校生の頃、国語の模試か何かで表題作の『神様』が扱われていたのが出会い。以来、ずっと読みたい読みたいと思い続けていたものが、今回ようやく手に入れることができて、まるで長い間疎遠になっていた友人に再会した時のような嬉しさがあった。 解説の佐野洋子さんも書いていたけれど、確かに不思...

高校生の頃、国語の模試か何かで表題作の『神様』が扱われていたのが出会い。以来、ずっと読みたい読みたいと思い続けていたものが、今回ようやく手に入れることができて、まるで長い間疎遠になっていた友人に再会した時のような嬉しさがあった。 解説の佐野洋子さんも書いていたけれど、確かに不思議な夢のような、不可解で非現実めいた物語ばかり。とはいえ、どこか柔らかな比喩に置き換えているというだけで、それぞれの話の中で取り沙汰されている感情や感覚自体は、非常に現実的なものであると思う。たとえば、『夏休み』の主人公が抱えている「ずれる」という感覚。『星の光は昔の光』で、えび男くんが打ち明ける「ニンゲンフシンはかなしいばかり」という感傷。それらは、誰しも日々の生活の中で、実は一度でも経験したことのあるものばかりではないだろうか。 だからなのか、ここに収められている九つの作品は読者の手に負えない未知なるファンタジーというだけでなく、訳が分からないながらも妙に腑に落ちるようなところがある。不思議と地に足付いたもののような印象を受ける。そのことが、いわば「現実の虚構」とでも形容し得るような相矛盾する状況を生み出し、私たちをこの「大人のためのお伽噺」へと引き込まずにはいられない。それでいて、まるで手に届かぬ世界の出来事のようなのに、ふとした瞬間にリアルな共感を覚えるから、読んでいる側としては時折どうにも寂しくなってしまう。ああ、この感じ、分かるなぁ、私も同じ思いをしたなぁと、感覚的なレベルにおいては漠然とした理解ができても、そこに描かれている優しい世界は遠く隔たれた想像の世界に身を置くものだから、そこにどうしようもない隔絶感を覚えて寂しくなってしまうのである。 そうして、そんな読者の感傷に際し、この作品は限りなく優しい。温かく、こちらの心を包んでくれるというだけではない。中には『離さない』のような、身の毛がよだつ話もある。けれども、そうしたある種怪談チックな物語さえ、読んでいるこちらに逼迫した脅威を感じさせるには至らない。そこに、怖れを与える意図はない。と、少なくとも読んでいて私はそんなように感じた。そして、そのことこそがこの作品において最も感銘を受けた点だし、作者の技量に手放しの称賛を覚えた点でもあった。そう、どの作品も、読んでいて不安になるというようなことがないのだ。この事実は、作品が「現実の虚構」という非常に不安感を要請するテーマにあえて終始しているところを見るにつけ、いっそ奇跡的ですらあると思える。とにかく、読んでいてこちらが脅えさせられるような感覚がない。多少恐ろしいような話でも、まるで母の膝に座ってそれを読んでいる時のような、揺るぎない安心感を覚えていることができる。 それが、一体何の故によってもたらされ得るものなのか。結局言葉にして理解することはかなわなかったが、結局は作者の人柄に尽きる問題なのだろう。この人は多分、とても優しい人なのだ。相手に限りなく尽くしてやれるとか、厳しい感情を覚えないということではなく、多分川上弘美は誰かに脅威を与えて生きていきたい類の人間なのではない。『神様』がデビュー作という辺りからも、そのことを何となく窺い知ることができるような気がする。そうして、そんな人が文章を書いてくれているということが分かっただけでも、個人的にはとても意義のある出会いだったと感じた。うまく言葉にはできないが、とてもとても素敵な短編集だ。優しく、温かで、こちらを遠巻きに窺いながら、にこにこと微笑んでいるような印象がある。

Posted byブクログ

2010/07/10

いきなりくま!?というのが私の感想でした 不思議な世界観の中で、主人公が出会っていく存在や人々を綴った短編集 その中で一番目を引いたのはやはりくまじゃないでしょうか 短編集の中で一番気に入ったのは「春立つ」です カナエさんが雪の降る街でその後どうなったのか、気になります あんな雰...

いきなりくま!?というのが私の感想でした 不思議な世界観の中で、主人公が出会っていく存在や人々を綴った短編集 その中で一番目を引いたのはやはりくまじゃないでしょうか 短編集の中で一番気に入ったのは「春立つ」です カナエさんが雪の降る街でその後どうなったのか、気になります あんな雰囲気の飲み屋にふらりと行ってみたいな、と思った作品 春の息吹も夏の万緑も冬のしんしんとした雰囲気も、静かに滲み込むお話です

Posted byブクログ

2010/06/21

短編集。くまや河童など、四季折々の生き物が登場。 さらりとしたやわらかい文章で紡ぐものだから、非現実的なことがありえるような感覚で浸透していくる。 どの作品も読み終わった後に切なさが残った。

Posted byブクログ

2010/05/22

川上弘美さんらしさがデビュー作にすべてつまっています。ぎゅーぎゅーつまっています。簡単に書けそうだけど絶対書けない。読んだときちょっと衝撃でした。

Posted byブクログ

2010/05/06

なんで読んでなかったんだろう。川上弘美。 大好きな雰囲気と大好きな世界。 くまさんとピクニック、っていいなぁって思う。

Posted byブクログ

2010/04/29

おもしろいよー。 出だしでやられた。 クマに散歩に誘われたって、あぁクマさんって人かぁ、散歩ねぇ普通の話だなーって熊なのね。動物。 シュールでおもしろいなー。 何の説明もなしにさも当然な感じでクマと過ごしているけど、クマだと困ってくる問題もあって、車の運転とかまぁイロイロ...

おもしろいよー。 出だしでやられた。 クマに散歩に誘われたって、あぁクマさんって人かぁ、散歩ねぇ普通の話だなーって熊なのね。動物。 シュールでおもしろいなー。 何の説明もなしにさも当然な感じでクマと過ごしているけど、クマだと困ってくる問題もあって、車の運転とかまぁイロイロ。 非日常が日常として取り込まれているけど、解消できない非日常はそのまま残っていて、それも当然のコトとして描かれている。 そこがもうにんまりとしてしまう。

Posted byブクログ