神様 の商品レビュー
人魚の話どんなだったっけ、と思って久しぶりに読み返し。 そこに広がる世界は不可解すぎて納得できないんだけど、なんでか読み進めることができてしまう。 痴情のもつれで壺に住む女や浴槽を泳ぐ人魚。 私も魅入られた、のかも。
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くまがなんでひっこしてきたの。 あまり意味はないよ。 いみがないといけないの? 主人公の設定が薄くって、隣人のことはとても強く思った。 近所の梨園だとか、上の階の美術教師だとか、隣のくまだとか、とても面白い。魅惑的。 泣いた。 おしまいにないた。 さよなら。 もう会えない。神様に祈っても、 くまのかみさまは、くまだから、どうなのかなあ。 くまとにんげんが、なかよくなったときのために、よんでおくといいかも。
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ちいさな短いおはなしがたくさんつまったはなし 個人的には表題作の神様より花野が好き それとウテナさん、コスミスミコ、えび男くんの短編がすき 神様で始まり草上の昼食でおわるその構成がすき 川上弘美さんの作品は非現実的で、夢物語みたいにふわふわしているから気持ち的に楽...
ちいさな短いおはなしがたくさんつまったはなし 個人的には表題作の神様より花野が好き それとウテナさん、コスミスミコ、えび男くんの短編がすき 神様で始まり草上の昼食でおわるその構成がすき 川上弘美さんの作品は非現実的で、夢物語みたいにふわふわしているから気持ち的に楽になれるから好きです
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数年ぶりの再読。あぁ、この人の小説は自由だなぁ、とつくづく思った。メルヘンとも読めるしあり得ない夢物語の愉しさをかみしめることもできる。社会風刺ともとれる隠喩もありそうだし、人間の持つ負の側面をうまく物語化しているようにも読める。村上春樹の(初期)短編が「5cm上に浮いたリアリティ」であるならば、川上弘美は「5cm下の裏側のリアリティ」というべきか。と作品内容はともかく、この連作風短編の各作品の冒頭一行がとんでもなく上手い。「くまにさそわれて散歩に出る」(『神様』)は有名だからともかく、「「ちょっとしたもんでしょ」と言いながら、ウテナさんが壺をくれた」(『クリスマス』)、「チャイムが鳴った。えび男くんかなと思って出たら、やはりそうだった」(『星の光は昔の光』)など、ちょっとこんな出だしの一行はなかなか書けない。冒頭の一行が作品全体を規定して支配している。すごい力量だなぁ、と改めて読んで思うのだ。
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なんかねぇ 混沌とした印象なんですよ。 ファンタジーのようであり、サブカルっぽくもあり、高野文子を思い出したかと思うと文学的要素で安部公房を思い出したり。 でもやっぱ苦手かな。さらに解説が苦手な佐野洋子さんときた。まぁ、いつもながら解説は読まないけど、佐野さんが顔を出してると分かり、あーそうかぁ、そーなんだぁ。そんな感じを持ちました。 そうそう、ドゥマゴ文学賞受賞なんですね。なるほど、それらしいです。 選考委員が久世光彦という苦手な人なので、あーそうかぁ、やっぱそうなんだぁ、と思ってしまいました。 とはいえ、この作品だけでは分かりかねるので他の本も読んで、アレルギーがでるかどうか判断することにします。
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全編を通して優しさと思いやりと切なさに溢れた傑作短篇集。 なるほど、こんな手があったのか、という斬新な驚きと、選び抜かれた繊細な言葉たちに包まれる幸福な時間だった。「センセイの鞄」を思い起こし、川上さんはひっそりと生きている奥ゆかしい不器用な人たちがすきなのかな、と思った。ここに...
全編を通して優しさと思いやりと切なさに溢れた傑作短篇集。 なるほど、こんな手があったのか、という斬新な驚きと、選び抜かれた繊細な言葉たちに包まれる幸福な時間だった。「センセイの鞄」を思い起こし、川上さんはひっそりと生きている奥ゆかしい不器用な人たちがすきなのかな、と思った。ここに出てくるものはクマだったり人魚だったり河童だったり幽霊だったりなのだけれど。 あとがきと解説までもが素晴らしい一冊です。 「神様」 不器用なクマ。包まれるわたし。 「夏休み」 白い毛の生えた3匹。引っ込み思案。成長。 「花野」 幽霊な叔父さん。そら豆のおいしさ。 「河童玉」 おおらかな河童の悩み。いたしませんよ。ウテナさん。 「クリスマス」 壷。コスミスミコ。チジョウノモツレ。人生い。 「星の光は昔の光」 えび男。ニンゲンフシン。どんど焼き。みかん。 「春立つ」 猫屋。カナエさん。雪の町。伝承。 「離さない」 人魚。「離さない」。その力。 「草上の昼食」 不器用なクマ。命題と承認。理解と反理解。神様。 この本を読んだのは、何かしらで川上さんが「神様2011」という作品を書いたと知ったからだった。「神様2011」は、デビュー作である「神様」をモチーフに、原発(震災?)への怒りを込めたものであるらしかった。川上さんの作品は「センセイの鞄」しか読んでいなかったのだけれど、そんなふうにしてくれる川上さんの元作品である「神様」をどうしても読んでみたかったのだ。 よし。これから「神様2011」を探しに行きます。
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不思議なお話が沢山詰まった短篇集。解説にもありましたが、夢の中の出来事のようなふわふわとした印象です。各話ごとも微妙に繋がっているようないないような曖昧な感じで、夢の中から夢の中へ渡り歩いているようなふわふわ感を覚えました。また、このふわふわ感は、逆に言うと足の着かない不安定感で...
不思議なお話が沢山詰まった短篇集。解説にもありましたが、夢の中の出来事のようなふわふわとした印象です。各話ごとも微妙に繋がっているようないないような曖昧な感じで、夢の中から夢の中へ渡り歩いているようなふわふわ感を覚えました。また、このふわふわ感は、逆に言うと足の着かない不安定感でもあるわけで、ちょっと怖いような不気味な印象も抱きます。そして、それこそが『神様』という対象に感ずる気持ちに違いなく、だからこのタイトルなのかと勝手に納得したりしました。
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好きな文章を書く方が褒めていたので本屋で見つけて立ち読みして見ました。短編で薄い本なので立ち読みできてしまいました。 ものすごく独特な世界観を持つお話でした。 個人的には最初と最後のくまのお話が好き。くまの最後のお手紙がすごく素敵。童話のようにほのぼのとしているようで、出てくる人物や生き物はとても個性的です。100年交際している河童とか片思いの彼を忘れられない壷の精とか古風で礼儀正しいくまだとか。彼等も人間も淡々と言うのではないですけれども生きていく。明日が今日になり昨日となり日々を重ねていく。 面白かったです。又違う作品を読んでみたいな、と思うのです。
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二回目読んだ。 さいしょとさいごのクマの話がとびぬけて良い。 人魚はホラー。でもなんか時々思い出して読みたくなる
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1994年GQで初出、川上弘美さんのデビュー作。タイトルになった「神様」はわずか9ページ。「くまにさそわれて散歩にでる」という一文ではじまるこの作品は不思議に魅力がある。やさしく、誠実で真っ正直なくまにすぐに惹かれる。この小説になぜ「神様」というタイトルが付いたのか、と高校1年の息子に聞かれたが、答えられない。いろいろな意味で考えさせられる。。。この福島原発での事故を受けてリメイクされた「神様2011」が早く読みたい。
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