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半七捕物帳 新装版(一) の商品レビュー

4.2

43件のお客様レビュー

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ご存知捕り物帳の先駆…

ご存知捕り物帳の先駆け的作品。半七老人の思い出を記者である私が書いていく。江戸時代のシャーロック・ホームズ。そして一番読み取ってほしいのはこの作品の文章がいかに名文であるかということ。きれいにきれいに読むことができ、その美しさは清涼剤でもある。

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半七捕物帖新装版の第…

半七捕物帖新装版の第一巻で、14編が収録されている。岡っ引きを引退した半七老人が、若い新聞記者に昔話を語るというスタイル。江戸の情緒あふれる語り口も良いが、怪談めいた話もあって面白い。

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ミステリーとしては難…

ミステリーとしては難があるかもしれませんが、江戸の描き方には説得力があります。

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興味半分で読んだので…

興味半分で読んだのですが、時代小説にしては文がすごく読みやすかったです。今では有り得ないような事件や捜査が、また江戸という時代を感じさせておもしろかったです。

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捕物帳の嚆矢。平次や…

捕物帳の嚆矢。平次や右門のようなキャラ萌え要素はありませんが、逆に、現代に書かれたかのような新鮮さがあります。

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2024/09/03

江戸の捕物帳の元祖、古典の名作である。 短編集、岡っ引きあがりの半七老人のもとに、若い新聞記者が訪ねていき、昔話をしていく。 現在書かれているものと、やはり展開が違っている。大正6年に最初発表された作品だからである。コンプライアンスだの、体裁だの、ある意味、読者を気遣いする事がな...

江戸の捕物帳の元祖、古典の名作である。 短編集、岡っ引きあがりの半七老人のもとに、若い新聞記者が訪ねていき、昔話をしていく。 現在書かれているものと、やはり展開が違っている。大正6年に最初発表された作品だからである。コンプライアンスだの、体裁だの、ある意味、読者を気遣いする事がないもので、新鮮でもある。

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2024/02/28

ドラマを見て、いつか読んでみたいと思っていた作品☆解説にもある通り、捕物帳とは題名がついていますが推理モノではなく、江戸の情緒を感じ楽しむ作品。もし江戸情緒を楽しみたいならこの作品はうってつけ。江戸言葉も、江戸時代の生活も、本当にみずみずしくどっぷり浸れます☆大好きな作品がまたひ...

ドラマを見て、いつか読んでみたいと思っていた作品☆解説にもある通り、捕物帳とは題名がついていますが推理モノではなく、江戸の情緒を感じ楽しむ作品。もし江戸情緒を楽しみたいならこの作品はうってつけ。江戸言葉も、江戸時代の生活も、本当にみずみずしくどっぷり浸れます☆大好きな作品がまたひとつ増えました!ちなみに見ていたドラマで半七を演じたのは、真田広之さんでした☆かっこよかったです!

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2022/10/25

TV時代劇の印象が深いが、本作が岡本綺堂の作品と知った時には驚いた。お試しで1巻を購入。そして、読み始めたら面白くて、ページを繰る手が止まらない。江戸弁の台詞回しも最高だ。そして「さなきだに」などという、今では使われなくなった言い回しも勉強になる。本シリーズが捕物帳だけでなく、時...

TV時代劇の印象が深いが、本作が岡本綺堂の作品と知った時には驚いた。お試しで1巻を購入。そして、読み始めたら面白くて、ページを繰る手が止まらない。江戸弁の台詞回しも最高だ。そして「さなきだに」などという、今では使われなくなった言い回しも勉強になる。本シリーズが捕物帳だけでなく、時代小説の原点となったことが納得できる。遅ればせながら続きを読んでいこう。

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2022/03/26

たまたま続けて読んだ「知的生活の方法」、「きたきた捕物帳」の両方で本書が絶賛されていたので、興味を持って購入。 100年前の作品だが、さすが絶賛されるだけのことはある、と唸った。江戸末期を舞台にした連作推理なのだが、長編小説になりそうな題材が次から次へと繰り出されて「もったいない...

たまたま続けて読んだ「知的生活の方法」、「きたきた捕物帳」の両方で本書が絶賛されていたので、興味を持って購入。 100年前の作品だが、さすが絶賛されるだけのことはある、と唸った。江戸末期を舞台にした連作推理なのだが、長編小説になりそうな題材が次から次へと繰り出されて「もったいないのでは?」と思ってしまうほど。 説明不足、ご都合主義に感じる部分もないではなかったが、それは普段「本書に学び、工夫を重ねた現代作家の作品」を読んでいるからなのだろう。

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2022/03/08

 1917(大正6)年から1936(昭和11)年にかけて雑誌連載されたこの連作は、「捕物帖」なるジャンルの嚆矢であるらしい。  私は時代劇はあまり好きでない。小学校低学年以下の頃だか、家で祖母や父親がテレビの時代劇ドラマをときどき観ていたので、何となく眺めていたが、つまらなかった...

 1917(大正6)年から1936(昭和11)年にかけて雑誌連載されたこの連作は、「捕物帖」なるジャンルの嚆矢であるらしい。  私は時代劇はあまり好きでない。小学校低学年以下の頃だか、家で祖母や父親がテレビの時代劇ドラマをときどき観ていたので、何となく眺めていたが、つまらなかった。なんだかどれも同じ話を繰り返しているようでマンネリだし、決まって悪い商人みたいのが悪さをしていて、彼とつながっている陰の権力者が「おぬしもワルよのう」なんて言っていて、そんな連中に善良なおとっつぁんと若い娘がいじめられていて、じっと耐えているところに、最後「お上」がやってきて悪者を懲らしめてくれる。いつもそんなだ。自分では何も解決できないから正義の「お上」の裁きを諾々と待っているだけという、日本人的な無為の精神が何となくイヤだった。  さて本書を読んでみると、そんな話では全然なかったのである。善と悪なんていう単純な図式は用いていないし、話の内容もバラエティに富んでいる。  第1話である「お文の魂」の最後に、岡っ引きの「半七」について、 「彼は江戸時代に於ける隠れたシャアロック・ホームズであった。」(P.38) と書かれている。岡本綺堂はまさに、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズを原語で読み、これを江戸時代に置き換えて新たな物語空間を生み出したのだったらしい。そう言われてみれば、確かにホームズっぽい感じがする。どうやら綺堂(1872-1939)はドイル(1859-1930)をほとんどリアルタイムで読んでいたように思われる。 『緋色の研究』(1886)で始まるドイルのシャーロック・ホームズものは、近代推理小説の祖とされているが、読者にすべての伏線を示して謎解き問題を提示しようという「本格推理小説」はむしろ、ポー(1809-1849)の『モルグ街殺人事件』(1841)の方が近いような気がする。ホームズものは、なるほど謎と謎解きはあるものの、むしろ物語の面白さの方が際立っており、小説としての輝きはシャーロック・ホームズという奇人変人のキャラクターの魅力が中心だと感じる。コナン・ドイルは他にも『失われた世界』等の、更に変人度の高いチャレンジャー教授ものなどもあって、たがの外れたようなキャラクター造形を中心に、冒険談的な楽しい物語を書いた作家だった。  しかし、懐かしい。私がドイルを読んだのは遙か昔、中学生の頃である。  さて岡本綺堂の半七は、ホームズのような変人ではなく、ごく普通の人物である。特別な推理法を持つわけでもなくて、どうやら直感(山勘)と運で事件を解決していくようだ。真相解明は意外だが、ホームズものと同様、読者に伏線をすべて示すわけではない。単純に「実はこうだった」という驚きが示されて、読者は素直にその驚きを楽しむのである。特異なキャラクターではない代わりに、本作は江戸時代の世相風俗や多彩な人物をえがいているのがとても興味深く、面白い。  読んでみて、いかにも「時代劇」というものに私が抱いていたようなマンネリなところは全く無く、14編から成る本巻のどの話も多彩で、面白かった。楽しい。  とりわけ「猫騒動」は怪談になっていて、いかにも岡本綺堂、と嬉しくなった。  この光文社文庫版は半七捕物帳の全話を収めていて全6巻となっているようだ。大正時代から昭和初期に書かれた本作は、どうやらずっと読み継がれてきたらしい。名作である。

Posted byブクログ