有限と微小のパン の商品レビュー
森作品の中で一番ぐいぐいと読ませた。多分萌絵と先生が巻き込まれて、スリルがあったから。 この作品がいつ発表されたか、わからないけど、なんだかコンピューターによるあかるい未来的な風潮だったのだろうなあ。 小学生頃に科学技術館でわくわくしたバーチャルな世界と一緒。疑似体験。 本作で...
森作品の中で一番ぐいぐいと読ませた。多分萌絵と先生が巻き込まれて、スリルがあったから。 この作品がいつ発表されたか、わからないけど、なんだかコンピューターによるあかるい未来的な風潮だったのだろうなあ。 小学生頃に科学技術館でわくわくしたバーチャルな世界と一緒。疑似体験。 本作では疑似体験は可能だが、コンピューターによる仮想世界よりも、アナログなほうがコスパがよいというテーマだったと思う。 現代では、科学技術による疑似体験はあくまで疑似体験でしかなくて、現体験とイコールではないよなあと自分は、思う。もちろん、疑似体験には手軽とか安全とかメリットがあるのだろう。けれど、まだ技術はありとあらゆる感覚を再現するには至っていない。 なんというか、現代に生きる私たちはあまり科学技術というものに期待を抱いていないのではないかしらん。いつか技術の新天地を見られたらいいなあと夢を抱く。 それにしても、このシリーズは何となく昭和の香りだった。 萌絵の化粧や服装とか、女の子の話し方とか、途中に出てきた詩とか。 おそらく出版されたときは最新立ったのだろうけど、世相を反映しすぎて古い印象に。 逆にVシリーズは古い印象を受けない。時代が特定できるものがないからか。
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S&Mシリーズ最終回。「すべてがFになる」に出て来た天才真賀田四季博士が再登場。事件自体はあっさりだけど、真賀田四季博士がいるだけでおもしろい。1巻~10巻まで読んで理解出来たかわからないけど、読後感はとてもよかった。
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これも後回し。 これはS&Mシリーズのラストを飾るには、ただ長ったらしいだけで 残念でした。もう少し、犀川先生と萌絵の間で結末ついてほしかったなー。
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いろんな意味で衝撃的すぎた作品。 2日で読み上げたけど、 怖すぎて2日間とも満足に眠れなかった…。 作風としては最初に戻った感じを受けました。 それはもちろん、当たり前なのかもしれないけど、 読んでいる時の、自分が受けた感覚さえも最初に戻った感じ。 眠れなくなるくらい怖いのに、読まなきゃいられない本は 今のところ、この著者の作品以外はない。 それくらい面白いのだけど、私の好尚としては 自分も一緒に推理して解いていきたい!!なので、 今作品もそれには当てはまらず、満たされず、でした。 逆に、これを予想できた人っているのでしょうか?? 私がシリーズ中、一番好きなのが2作目なのも自分で頷けた。 喜怒哀楽と善と悪、正と偽と明と暗。 これらを表現できて、判断できて、自分じゃない相手のそれを、 見分けられる特異さを持っているのが唯一人間なのではないかと思う。 だからこそ、自分じゃない相手の想いを汲めるわけだし、 それに対処して何かを出来るのも、人間だからこそだと思う。 中庸を求めるのが天才のすることではないのなら、 天才なんかにはなりたくないなぁ…。 技術に伴う、人の中身の根本の変化がリアルで怖かった。 この人は、本当にすごい!と最終巻で再確認。 次のVシリーズも楽しみ。 そいういえば… 私の解釈でいくと、先生は結局あの人に惹かれていた… うーん、違うか。「先生は…」というよりも「お互いに…」かな。 もしくは、今回先生がそれに気づいた…ということでいいのだろうか?? ズルズルと引き伸ばしたけど、 結局、彼女にハッキリ『NO』と言ったと解釈しているのは私だけ?? その解釈でずーっと引っかかっていたので、 私は犀川先生は好きではありません。 前述した、天才云々でいくと先生もそれにカテゴライズされると思う。 追記: 直後にまた最初に戻ると、全てに納得がいく。 あぁ、そういうことなのか…みたいな。 そこにまたゾクッとした。 そうだそうだ。それがこの著者の作品の面白さだった。
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これも中学のときに読んだ、あんまり内容覚えてないけどS&Mシリーズを読み終えたことにすごく感動したことだけは覚えてる← とりあえず四季さん!
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読了。シリーズ読破いたしました。 ただいま「F」を読み直し中。そして、その後にアップいたします。
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やはり森さんのタイトルがとてもよいです。読んでいるうちになるほどと思います。そして、内容は驚きました!!すっかりトリックにだまされていて真実を知ったときは衝撃でした。とても面白かったです。
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久々に"怖い"と思って読めた本。 じわじわと来る真賀田博士の凄さに恐怖でした。 逃れられない。と思わせるのが上手です。 そして萌絵ちゃん達の睡眠時間が少なくて心配。 よくあんな寝ないで物事を考えられるな。私だったらガン寝こいてる。 真賀田博士がうっすらうすくなっていくシーンが良かった。ギャグじゃないです。
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「F」と合わせて再読。 SMシリーズは基本的に初期の雰囲気が好きだけど、「F」と合わせて読むとそのタイトルの対照さ(Perfect Insider と Perfect Outsider)が象徴するように、なんかいろいろと思ってしまう。というかタイトルセンスが個人的に大好き。タイト...
「F」と合わせて再読。 SMシリーズは基本的に初期の雰囲気が好きだけど、「F」と合わせて読むとそのタイトルの対照さ(Perfect Insider と Perfect Outsider)が象徴するように、なんかいろいろと思ってしまう。というかタイトルセンスが個人的に大好き。タイトル買いしたくなるもの。 萌絵が結構普通なのよこの一冊は。犀川に夢中で(?)周りが見えていない萌絵も好きだし(だから萌絵がトンチンカンになろうとも犀川といてほしいですよ)、二人が文系の手の届かぬような理系の洗練された会話をするのが好きだし、二人の恋愛模様が好きだし。でも、萌絵の成長がこの話では感じられるのが、シリーズ最後の一冊として感慨深いなあ。四季のあるシーンをさらに思い出したら、なおさら。 でも「F」での切れ者萌絵は普通っぽく書かれるのは少しさびしい。 シリーズラストにふさわしいアレコレがあって。まあコンパクトではないけれどね。 森博嗣ってコレ系のトリック好きなんだろうなあ、と森作品をそれなりに読んでる今となってはそう思ったなあ。 コレ系のトリックって1回出せば使うの難しいと思うけど、森博嗣のつくるフィジカルな面での現実感がない世界観のせいか、いちいちはまってる。 SMシリーズが好きな人は、四季シリーズと百年シリーズは読むべきだなっ!
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森さんのS&Mシリーズ、最終巻。 シリーズ1巻目で登場した天才・真賀田四季(まがたしき)再登場の巻です。 シリーズ最終巻だけあってか重厚感が感じられる内容でした。 では早速ですが粗筋紹介を。 天才プログラマー・塙理生哉(はなわ・りきや)に率いられたソフトウエア...
森さんのS&Mシリーズ、最終巻。 シリーズ1巻目で登場した天才・真賀田四季(まがたしき)再登場の巻です。 シリーズ最終巻だけあってか重厚感が感じられる内容でした。 では早速ですが粗筋紹介を。 天才プログラマー・塙理生哉(はなわ・りきや)に率いられたソフトウエア企業・ナノクラフト。 同社が運営する九州・長崎近郊にある、ヨーロッパの町並みを再現したユーロパーク。 ナノクラフトの有力株主でもあり、両親が健在の折、塙の許嫁でもあった西之園のツテにより、このユーロパークをゼミ旅行先とした犀川研。 西之園と彼女のゼミの同級生・牧野洋子、そしてオマケでついてきた西之園の高校時代からの友人・反町愛の3人は先発隊と称して、ゼミの他のメンバーに先んじてユーロパークに向かう。 塙社長以下ナノクラフトの有力幹部たちに歓待される彼女たちだったが、ユーロパークで起こった不可解な殺人事件に巻き込まれてしまう。 人間には実行不可能としか考えられない殺人に恐怖を感じる牧野、反町の両名。 一方、西之園と言えば、塙社長とのディナーで飲んだアルコールによる意識混濁の最中に(1巻目で殺人を犯し逃亡中の)真賀田四季と再会し、パニックに陥る。 そんな彼女たちを更に追い込むかの様に第2,第3の殺人事件が発生。 不可解な状況、ちらつく真賀田四季の影。 "見えない"相手に対して、彼女たちの身の危険を感じた犀川も何時に無く"隠密作戦"を決行し、彼女たちの下に向かうが・・・・ ヴァーチャル・リアリティにロボット。 本書が執筆された当時にトレンドであったこれらの技術をバシバシ取り入れたストーリーが展開されるだけに留まらず、(登場人物の口を借りて)技術発展と人間の自意識の関係についての著者自身の考察も行われています。 (まあ、ロボットに関しては今からが本当のトレンドですし、ヴァーチャル・リアリティはARなどになっていますが) (ネタバレになるので余り書けませんが)正直、読後感は人によって変わってくるのではと思います。 しかし、西之園と犀川の関係や彼らと真賀田四季の関係の(少なくとも一応の)総括的な内容が書かれているなど、シリーズのまとめ的なストーリーですので、シリーズの内一冊でも読み、内容に興味を御感じになったのでしたら一読をお勧めします。 尚、余談ですが、本巻の舞台・ユーロパークってどこからどう見てもハウステンボスそのもの。 著者は本書を執筆するに際して、このハウステンボスに取材に行ったのでしょうか? 結構詳細なハウステンボス(小説内では当然ユーロパークになっています)に関する記述が載っており、(後出しジャンケン的な視点ですが)一度経営破綻した理由が何となく想像がついてしまい・・・ やっぱりテーマパークって、客に隙なく快適さを提供しなくてはいけないし、また一日で大概の内容を見て回れてはいけないのですねえ・・・・
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