片想い の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「私は性同一性障害という病気は存在しないと考えています。治療すべきは、少数派を排除しようとする社会の方なんです」 性同一性障害に悩み、男らしさ/女らしさという社会通念に辟易している当事者の、しがらみを絶ち、自由に選び取った姿でさえ、そのらしさにひどく縛られたものであるという皮肉。それほどまでに、意識を変えるということは難しい。 この作品が出た2001年から23年余り。国籍、体格、障害の有無など見た目にわかる表層的な違いはもちろん、性的指向、性自認、価値観、性質、性格などの内面的な違いまで、さまざまな違いを知り、受け入れて共存していこう、という多様性社会の考え方も浸透しているけれど。 誰もが、「この心で、この体を持っている、それが自分自身だと信じているからです。何も変える必要はない」と思え、それを当然として周囲が受け入れるようになるまでに、あとどれぐらいかかるだろう。
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タイトルの「片想い」からは予想もしていなかったジェンダー問題をメインに扱った作品です。 LGBTQ、性の多様性 これらを少しずつ認識しようという動きがある現代にも、声に出せずに悩み苦しんでいる方が大勢いる事を、本書を読んで改めて考えさせられました。 東野圭吾さんが本作で訴えた...
タイトルの「片想い」からは予想もしていなかったジェンダー問題をメインに扱った作品です。 LGBTQ、性の多様性 これらを少しずつ認識しようという動きがある現代にも、声に出せずに悩み苦しんでいる方が大勢いる事を、本書を読んで改めて考えさせられました。 東野圭吾さんが本作で訴えたかった事… 今から20年以上前の作品にも関わらず、強烈なまでに心に響く作品でした。 以下、本作より ・性同一性障害という病気は存在しないと考えています。治療すべきは、少数派を排除しようとする社会のほうなんです。 ・人間は未知のものをおそれます。恐れて、排除しようとする。 ・男と女はメビウスの帯の上にいる。多くの人間は自分がメビウスの帯の上に気づかず、片想いを続けている。
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主人公がさえない脳筋男、とにかくダメなやつ。いい年なのにQBとか呼ばれている。友人を助けたいとか言っているけど、友人だったらすきなようにさせてやれよと思うことでも、自己満足のために土足であらし回るやつ。あと味悪い。話は面白そうなのに全体的に苦手なキャラが多くて引き込まれなかった。
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性同一性障害をテーマに、熱き友情の物語。 好きって言う気持ちがあれば、男も女も関係ないんじゃないかな。
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元チームメイト以外の人間の口が軽すぎるという感じはしたけど、引き込まれて一気に読み終えた。爽やかさと重さの間を行き来する雰囲気。
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ジェンダーの問題と戸籍の入れ替わりを絡めたミステリー、性同一性障害と言っても体と性が合致しないと言った単純な問題でない場合もあるということ、また男と女とはメビウスの輪に存在すると言う解釈は中々なものだと思う。WOWOWでドラマ化され中谷美紀が美月役らしく、不思議なセクシャルな魅力...
ジェンダーの問題と戸籍の入れ替わりを絡めたミステリー、性同一性障害と言っても体と性が合致しないと言った単純な問題でない場合もあるということ、また男と女とはメビウスの輪に存在すると言う解釈は中々なものだと思う。WOWOWでドラマ化され中谷美紀が美月役らしく、不思議なセクシャルな魅力が出せるかが楽しみだ。小出恵介みたいに事件を起こして放送中止にしないでくれよ。
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自身の読んだ東野圭吾作品ではかなり上位にランキングされる作品。性同一性障害をテーマとしているミステリーで内容はもとよりそのテーマにも深く考えさせられる。読了当時は現在ほどジェンダーに対する認識もなくかなり印象的だった。もう一度読みたい作品。
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タイトルの片想いって言葉がすごく現してる。ジェンダーの問題を軸に、夫婦の関係、友情、愛情…を考えさせられた。
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同級生の意外な告白から、最後は東野作品らしく急展開を迎える。 ジェンダーや共働き夫婦のあり方など、問題提起にもなっている作品。 やや登場人物が多い印象。
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帝都大アメフト部のOB西脇哲郎は、十年ぶりにかつての女子マネージャー日浦美月に再会し、ある「秘密」を告白される。あの頃の未来にいるはずの自分たちは、変わってしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描く傑作ミステリー。 人は皆それぞれ悩みは抱えているも...
帝都大アメフト部のOB西脇哲郎は、十年ぶりにかつての女子マネージャー日浦美月に再会し、ある「秘密」を告白される。あの頃の未来にいるはずの自分たちは、変わってしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描く傑作ミステリー。 人は皆それぞれ悩みは抱えているもの。中にはその悩みを誰かに相談することすらできないケースもある。 人は人に支えられ、そして繋がっている。人を想うが為に起こす行動が必ずしも全て良いこと、必要なことだとは限らない。周りの人達の存在、その有り難さに改めて気付かされた。
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