沈まぬ太陽(3) の商品レビュー
実話に基づいた作品。全5巻に及ぶ大作。読破できるか、読み続けられるか、途中で読むのを断念しないか・・・と心配し、まずは1巻だけを購入した。しかし、そんな心配は全くの杞憂。すぐに、2巻・3巻、そして4巻・5巻と書店に買いに走り、一気に読み上げた。 企業組織の恐ろしさと権限乱用の実...
実話に基づいた作品。全5巻に及ぶ大作。読破できるか、読み続けられるか、途中で読むのを断念しないか・・・と心配し、まずは1巻だけを購入した。しかし、そんな心配は全くの杞憂。すぐに、2巻・3巻、そして4巻・5巻と書店に買いに走り、一気に読み上げた。 企業組織の恐ろしさと権限乱用の実態、御用組合の状態などが描かれており、今に至るJALの経営体質が、なるべくしてなった当然の帰結だと納得できる。出版・発行に至るまでには、JALからは勿論、政府筋から相当の圧力もかかったと想像に難くないが、それでも出版に踏み切った作者:山崎豊子氏、出版社の英断に敬意を表したい。
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御巣鷹山の日航機墜落事故は人類史上例を見ない事故。 事故の発生状況から墜落までそして、その後の対応までが事細かく書いてある。 その中でも新聞に掲載された遺書の内容は、実に心動かされる。 いつ死ぬか解らない状況で書き記した内容とは思えない。 『一人の人間が、死をまえにして、かくも冷...
御巣鷹山の日航機墜落事故は人類史上例を見ない事故。 事故の発生状況から墜落までそして、その後の対応までが事細かく書いてある。 その中でも新聞に掲載された遺書の内容は、実に心動かされる。 いつ死ぬか解らない状況で書き記した内容とは思えない。 『一人の人間が、死をまえにして、かくも冷静に知・情・意を尽くした遺書を記し得るものなのか』 家族に対する愛情が溢れ出た文章に涙が止まらない。 この巻はどこを読んでも、悲し過ぎて涙が出てくる。 その悲しみ以上に、事故を起こした当事者(会社)側の対応・心情を読むと、こんな時にまで我欲・利権にまみれた半官半民の企業体質には、怒りというよりは殺意に近いものが湧いてくる。
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御巣鷹山への墜落事故をドキュメンタリーのように綴った小説。事故が起きた1985年は、僕は生まれてもいなかったが、この事故がいかに悲惨なものだったか思い知らされた。本当に2度とこんなことがあってはいけない。亡くなった人は、521名である。けど、数字で一括りにしてはいけない。一人一人...
御巣鷹山への墜落事故をドキュメンタリーのように綴った小説。事故が起きた1985年は、僕は生まれてもいなかったが、この事故がいかに悲惨なものだったか思い知らされた。本当に2度とこんなことがあってはいけない。亡くなった人は、521名である。けど、数字で一括りにしてはいけない。一人一人に家族や友人がいて、それぞれが歩んできた大切な人生、これからの人生があった。それが、一瞬で奪われてしまった。そのことに、思いを馳せないといけない。それは、震災で亡くなった方たちに対しても同様である。そんなことを気付かしてくれた小説である。
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その時自分がどこで何をしていたかはっきり覚えている事件というものがある。一部の遺族、関係者が実名で出ている以上、小説としては読めなかった。それだけに小説的に再構築したと言う著者の言葉が気になる。でもここで読むのを止めるわけにはいかない。会長室篇へ続く。
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これは山崎さんの怒りが伝わる傑作!! この話しが4割でも真実なら、日本航空が現在のように凋落してしまうのは必然かも…
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読むのもきつい、でも読まなくてはならない一冊でしょう。 ストーリーの組合、とかJALの腐敗、とかどうでもいいんです。 御巣鷹山のあの事故は、二度と起こしてはならないし、起きて欲しくない。 この巻については、他のとは異色であり、ノンフィクション部分については間違いなく価値があ...
読むのもきつい、でも読まなくてはならない一冊でしょう。 ストーリーの組合、とかJALの腐敗、とかどうでもいいんです。 御巣鷹山のあの事故は、二度と起こしてはならないし、起きて欲しくない。 この巻については、他のとは異色であり、ノンフィクション部分については間違いなく価値がある。 なので、是非読むべし。 それ以外の巻については、賛否両論あるだろうから、ゆっくり読んで考えます。
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爆笑問題太田がラジオで薦めていたので読んでみたのがキッカケ。太田が「3巻だけでいいから読んでほしい」と言っていたので、軽い気持ちで読み始めたら…。 御巣鷹山の事故、私はリアルタイムで見た世代ではありません。歴史として知っていた程度です。 作者の細かい取材によって、非常に描写が...
爆笑問題太田がラジオで薦めていたので読んでみたのがキッカケ。太田が「3巻だけでいいから読んでほしい」と言っていたので、軽い気持ちで読み始めたら…。 御巣鷹山の事故、私はリアルタイムで見た世代ではありません。歴史として知っていた程度です。 作者の細かい取材によって、非常に描写がリアル。手帳に遺書を書いたお父さんのくだりは号泣でした。事実は小説より奇なり。
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JAL関係者からは批判を浴びたようですが、やはり山崎豊子が正しかった。そう感じる今日この頃。 涙なくしては読みつくせません!
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会社の不当な措置が社会的に暴かれ、本社に戻った主人公。 労働環境をないがしろにして、コスト削減を優先した会社の方針が、ジャンボ機の墜落事故を招く。 この巻を読んで、このお話が日航ジャンボ機墜落事故を元に、かなりフィクションに近い形のお話だということを知る。 主人公の人物も、実際...
会社の不当な措置が社会的に暴かれ、本社に戻った主人公。 労働環境をないがしろにして、コスト削減を優先した会社の方針が、ジャンボ機の墜落事故を招く。 この巻を読んで、このお話が日航ジャンボ機墜落事故を元に、かなりフィクションに近い形のお話だということを知る。 主人公の人物も、実際にモデルとなった人がいたようだ。 日航ジャンボ機墜落事故は、自分が子供の頃の事故であり、あまり詳細を知らなかったが、政府も会社もひどい対応に憤りを感じる。 今の原発事故での東電の対応とそっくりで、過去の苦い経験があまり役立っていないのが悲しい
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巨大航空企業の不条理さに闘いを挑んだ男のドラマ3冊目。 前巻より、10年にも及ぶ過酷な海外左遷に耐え、日本に戻った主人公。 それから11年が経つが、報復人事は続き逆境の日々が続いていた。 そしてついに航空史上最大のジャンボ機墜落事故が起こる。 本作は全5巻のうち、前後...
巨大航空企業の不条理さに闘いを挑んだ男のドラマ3冊目。 前巻より、10年にも及ぶ過酷な海外左遷に耐え、日本に戻った主人公。 それから11年が経つが、報復人事は続き逆境の日々が続いていた。 そしてついに航空史上最大のジャンボ機墜落事故が起こる。 本作は全5巻のうち、前後2巻の架け橋的な位置づけになるのかな。 なのですさまじい墜落事故の表と裏の舞台を描いています。 ほんと想像もできないような事故だと改めて思いました。 本作品から、「クライマーズハイ」に興味を持ちました。 あの史上最大の墜落事故の現場姿を感じたい人にお勧めの作品です。
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