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「わからない」という方法 の商品レビュー

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51件のお客様レビュー

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2022/03/13

内容は割と共感。 イライラしながらも何故か読み進めてしまうなぞの体験。 居酒屋でつまらん話を延々と聞かされたような読後感。

Posted byブクログ

2021/03/08

再読。 読むものがない時のつなぎでパラパラ読んでいたが、 間をどれだけ開けても、スッと入ってくる橋本さんの言葉がすごい。 ものごとを知る、分かっていく、作っていく、その過程を 橋本さん流のわかりやすいくどい言葉で追っていく。 何かを生み出すことに近道はなく、ひらめいたものを確かな...

再読。 読むものがない時のつなぎでパラパラ読んでいたが、 間をどれだけ開けても、スッと入ってくる橋本さんの言葉がすごい。 ものごとを知る、分かっていく、作っていく、その過程を 橋本さん流のわかりやすいくどい言葉で追っていく。 何かを生み出すことに近道はなく、ひらめいたものを確かなものにするために、あとはただ進むだけ。 作品を作り上げるという大きな話だけでなく、 日常の中にある「わからないもの」を分かるようにするための筋道は同じものだ。 身体を信じている橋本さんの言葉は、しごくまっとうで、誰にでも届く。 わかりやすく、のためにえんえんと言葉を重ねる誠実さ。 橋本治の本は、もっと読まれないといけないよな、といつも思う。

Posted byブクログ

2021/01/31

橋本治(1948~2019年)氏は、東大在学中に、「とめてくれるなおっかさん 背中のいちょうが泣いている 男東大どこへ行く」という東大駒場祭のポスターで注目され、その後イラストレーターを経て、文筆業に転じ、様々なメディアでも活躍した小説家、評論家、随筆家。 本書は、「わかる」ため...

橋本治(1948~2019年)氏は、東大在学中に、「とめてくれるなおっかさん 背中のいちょうが泣いている 男東大どこへ行く」という東大駒場祭のポスターで注目され、その後イラストレーターを経て、文筆業に転じ、様々なメディアでも活躍した小説家、評論家、随筆家。 本書は、「わかる」ために、セーターの編み物の本まで書いてしまった著者が、「わからない」が全ての出発点である、ということについて、繰り返し、著者独特の(くねくねした)文体で書き綴ったものである。2001年出版。 著者も述べているように、方法論を書いたハウツー本ではない。 なるほど!と思った点をいくつか引用すると、以下である。 ◆「「わからない」をスタート地点とすれば、「わかった」はゴールである。スタート地点とゴール地点を結ぶと、「道筋」が見える。「わかる」とは、実のところ、「わからない」と「わかった」の間を結ぶ道筋を、地図に描くことなのである。」 ◆「二十世紀は理論の時代で、「自分の知らない正解がどこかにあるはず」と多くの人は思い込んだが、これは「二十世紀病」と言われてしかるべきものだろう。・・・よく考えてみればわかることだが、「なんでもかんでも一挙に解決してくれる便利な“正解”」などというものは、そもそも幻想の中にしか存在しないものである。「二十世紀が終わると同時に、幻滅もやって来た」と思う人は多いが、これもまた二十世紀病の一種である。二十世紀が終わると同時にやって来たのは、「幻滅」ではなく、ただの「現実」なのだ。・・・二十一世紀は、人類の前に再び訪れた、「わからない」をスタート地点とする、いとも当たり前の時代なのである。」 ◆「この本で私が繰り返し言うことは、「なんでも簡単に“そうか、わかった”と言えるような便利な“正解”はもうない」である。・・・私が言いたいのは、「便利な正解の時代」が終わってしまったら、「わからない」という前提に立って自分なりの方法を模索するしかないという、ただそれだけのことである。・・・私は「新しい方法」を提唱しているのではなく、「人の言う方法に頼るべき時代は終わった」と言っているだけなのである。」 こうして見ると、20世紀末から、時代がモダンからポストモダンに移行しつつある中で、我々はものごとを如何に捉え、如何に解決していくべきなのかを、噛み砕いて示しているのだ。そして、これは、松岡正剛氏が『知の編集術』等で「21世紀は、20世紀に列挙した「主題」を解決する、「方法」の時代である」と表現していることと同じであろう。 21世紀に入り既に20年が経つが、閉塞感の打破できない今、再読する価値のある一冊と思う。 (2006年3月了)

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2021/11/24

橋本治の本を読んだのは3冊目である。 1冊目は『知性の転覆』、2冊目は『上司は思いつきでものを言う』で、この2冊で橋本治のファンになった。 橋本治は面白い。 面白さの一つは「等身大」である。 橋本治は等身大でものを言う。背伸びをしていないから合点がいく。それは本書では「身体性」で...

橋本治の本を読んだのは3冊目である。 1冊目は『知性の転覆』、2冊目は『上司は思いつきでものを言う』で、この2冊で橋本治のファンになった。 橋本治は面白い。 面白さの一つは「等身大」である。 橋本治は等身大でものを言う。背伸びをしていないから合点がいく。それは本書では「身体性」である。 二つ目は「地を這う」である。 ものの言い方には「帰納」と「演繹」の2種類がある。「帰納」=「地を這う」で、「演繹」=「天を行く」に対応するのだが、橋本治の書き方は極めて帰納的である。 なるほど、ここまで書いてみてようやく分かった。 橋本治の文章は帰納的であり身体的なのだ。 「分かる」には、 ①作業を通して言葉を掴む=学ぶ ②作業を通して感覚を掴む=慣れる ③作業をせずに言葉を掴む=暗記 ④作業をせずに感覚を掴む=天才 の4種類があり、③は不毛で④は一部の人間しかできないことであるから、普通は①と②で行くしかない。 その行き方は、 (a)天を行く=教え手と共に天を行く (b)地を這う=自分だけで地を這う の2つがあるが、(a)にしても事前か事後か、身体性を補完する必要がある。 要は、経験を通して身体で掴んだものは強いのだ。頭脳だけで抽象的に掴んだものは「分かった」とは言い難い。経験を通して掴んだものは、いつか役立つかもしれない。役立たないかもしれない。役立たないかもしれないから、さっさと忘れて構わない。 しかし、そのときが来たら思い出せるものなのだ。 ①言語化 学びを自分なりの言葉にせよ ②身体性 たくさんの作業をしてコツを掴め

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2019/09/30

これおもしろかったなー。知性する身体。思えば、簡単なノウハウにしがみついて、なんでもググってわかった気になれる現代において、1つのことをひたすらやることで、身体的に「わかった!」となることが少なくなっている気もする。 ひたすら繰り返すこと。経験と身体と友人ね。時間をかけるというこ...

これおもしろかったなー。知性する身体。思えば、簡単なノウハウにしがみついて、なんでもググってわかった気になれる現代において、1つのことをひたすらやることで、身体的に「わかった!」となることが少なくなっている気もする。 ひたすら繰り返すこと。経験と身体と友人ね。時間をかけるということにもっと積極的な意義を与えるべきなのだろう。わからないままに。それは頭で思考するというより、身体でこうかな?こうかな?って思考することに似ている。 身体は時間がかかる。物事のパターンを手に入れる場合にも、物事を記憶するにも。でも手に入れた自分なりの方法は一生物だろうな。それが下地なのだろう。 同じことを何度も何度も繰り返すが必要だな。

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2019/08/12

哲学めいた内容。前半は手編みのセーターの編み方の本をだしたことを引き合いに出している。後半は少し難しくなっている。

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2019/06/09

おもしろかった。わからないからやる。普通、わからないからやりたくないと尻込みしてしまうが、だからこそやってみるというのはすごいなぁと感心した。自分にはそんな下地はないが、わからないけどやる、から、わからないからやるという意識に転換できればいいなぁと思い。やるしかないのだから

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2019/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

わからない人が抱える「何がわからないかがわからない」という点をうまく使って、何もかもをスポンジのように吸収してしまう方法論。 気づきを得るためには、常にアンテナをピンと張る必要がある。加えて、これまでの蓄積とリンクさせれば、飛躍させることができる。 知性する身体という擬タイトルに痺れた。

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2018/10/28

【由来】 ・calilcで「日本という方法」を検索したら関連本として出てきた。タイトルが「無知の技法」と似ていたので興味を持った。 【期待したもの】 ・「無知の技法」で唖然としたようなことが、すでにここに要約されていたら痛快だな、って程度なのでさらっと読めば事足りる。 【要約...

【由来】 ・calilcで「日本という方法」を検索したら関連本として出てきた。タイトルが「無知の技法」と似ていたので興味を持った。 【期待したもの】 ・「無知の技法」で唖然としたようなことが、すでにここに要約されていたら痛快だな、って程度なのでさらっと読めば事足りる。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】

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2018/01/25

語り口がまどろっこしい。くどい。この語り口がこの本の魅力なんだろうと思う。そこを楽しめるかどうかで好き嫌いが分かれそう。「くどい」っていうのは著者自身も言っているけど、くどいと思ってしまう私は「そんなことわかってるよ」と思っているわけで、自分がわかっていることを前提にしている可能...

語り口がまどろっこしい。くどい。この語り口がこの本の魅力なんだろうと思う。そこを楽しめるかどうかで好き嫌いが分かれそう。「くどい」っていうのは著者自身も言っているけど、くどいと思ってしまう私は「そんなことわかってるよ」と思っているわけで、自分がわかっていることを前提にしている可能性が高い。私はこの本を簡単にわかろうとしているのかもしれない。20世紀的に答えがあると思って読んでいる可能性がある。 前半は抽象的な話が多くて流し読み。後半の古文漢文絡みの話は興味持てなかったのでほとんど流し見。ちゃんと読んだのかよ?って話になるけど、正直ちゃんと読んでない。だけど編み物の本を書いた話はおもしろかった。まさか「生き方の強制」とか「活字離れ」に繋げてくるとは思わなかった。「教える」ということの中には、単なるノウハウだけでなく生き方の強制を含んでいる、という話は納得。「教える」、「習得する」という概念の理解が耕された気がする。 「わからないという方法」は、根本敬が言うところの「でもやるんだよ!」にかなり近いのではないか。著者は「わからないからやる」のはバカのやることだと書いているけど、同様に「無意味・無駄・無理だけどやる」のもバカのやることだと思う。そこには社会とか世間の視点はない。だけどやらざるを得ない。なぜなら、その人にとってそれが生きるということだから。

Posted byブクログ