第三の男 の商品レビュー
キャロルリードの映画…
キャロルリードの映画で五臓六腑が打ち震えた感動が蘇る。あとがきによれば映画の企画としてグレアムグリーンがこの本を書いたそうだ。マーティンズが友人ハリーの葬儀に出席するシーン、迷走するウィーンの街。彼の知らないハリーの話。ハリーは何者なのか。巨匠グレアムグリーンならでは。鮮やかな傑...
キャロルリードの映画で五臓六腑が打ち震えた感動が蘇る。あとがきによれば映画の企画としてグレアムグリーンがこの本を書いたそうだ。マーティンズが友人ハリーの葬儀に出席するシーン、迷走するウィーンの街。彼の知らないハリーの話。ハリーは何者なのか。巨匠グレアムグリーンならでは。鮮やかな傑作ミステリ。
文庫OFF
冒頭「序文」(全9ページ)には、『第三の男』がどうできたかが書かれている。これが抜群におもしろい。 時は1948年。グレアム・グリーンは、キャロル・リードの映画のための脚本を依頼される。舞台はウィーン、制約はそれだけ。冒頭の一文は手持ちのものがあった(登場人物の偽の葬式の場面)。...
冒頭「序文」(全9ページ)には、『第三の男』がどうできたかが書かれている。これが抜群におもしろい。 時は1948年。グレアム・グリーンは、キャロル・リードの映画のための脚本を依頼される。舞台はウィーン、制約はそれだけ。冒頭の一文は手持ちのものがあった(登場人物の偽の葬式の場面)。それをどう展開させるか。現地入りしたものの、なにも妙案が浮かばない。 ウィーン滞在は残りあと3日、なのになにもできていなかった。そこに幸運が舞い込み、ストーリーが一気に形をなす。緊張感のある3日間――とくに、長靴をはき防水外套をはおって、地下の下水道網をみてまわる場面がいい――がスリリング。 この原作をもとに、リードとやりあいながら、シナリオが書かれた。そのシナリオは何度も書きかえられた。本書はその原作のほう。映画ではどこがどう変えられ、なぜ変えられたのか、それを読みとるのも一興。(たとえば、主人公の作家、イギリス人のロロ・マーティンズは、映画ではアメリカ人のホリー・マーティンズに変えられている。) 映画の公開は1949年9月。凝りに凝ったモノクロの映像、チターの奏でる音楽。そして印象的なエンディング(原作とは少し違っている)。名作はこうして誕生するのか。
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何年か前に映画を見た。「ああ、これが有名な!」と思いながら見たものの、舞台の背景がイマイチ呑み込めなくてちゃんと理解できない部分がかなりあったような記憶が…。 今度はちゃんと理解できた(^-^) 読んでる間はあの「ハリー・ライムのテーマ」が常に脳内BGMになっていて、読んでいない時も気が付くと口ずさんでいたw P.150:4ヶ国の兵士の行動が興味深い。 もう一度映画を見たいなー。
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映画の方も鑑賞済み。 戦後の荒廃したウィーンの闇社会に生きている友人を追うクライムサスペンス。読み進めていると映画の場面が思い出されて、良い補完関係だなと感じる。 退廃的で遣る瀬無い敗戦国の首都にどこかノスタルジーを感じてしまう。
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説明不要の名作映画「第三の男」の原作。正確には映画化前提で執筆された作品。 放送大学オーディトリウムでラストが映画と異なるという解説に興味を持ち購読。
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著者グレアム・グリーンは、第二次世界大戦のとき、MI6のメンバーとして、西アフリカやイベリア半島で諜報活動に従事した経歴があり、それゆえに本作品でのスパイ活動は、非常にリアリティがある。しかし、通常の小説とは違い、本作品は最初に映画を作る企画から始まり、そこでグレアム・グリーン...
著者グレアム・グリーンは、第二次世界大戦のとき、MI6のメンバーとして、西アフリカやイベリア半島で諜報活動に従事した経歴があり、それゆえに本作品でのスパイ活動は、非常にリアリティがある。しかし、通常の小説とは違い、本作品は最初に映画を作る企画から始まり、そこでグレアム・グリーンが原作者として起用された。そのため、キャロル・リード監督による映画『第三の男』も併せて触れないと、本作品の良さが半減してしまうので、両方とも見るべきである。
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原作とそう変わらないけど、映画版の方が心に残るラストだった。(本当にほんの少しの違いだけど…)そして原作の結びが大雑把だけど話の全部を物語っていた。 時代背景も手伝って、まぁ退廃的。 戦後の混乱が誰にも救いようがない物語を創り出し、下手すれば(当時の)ウィーン以外の似たような場...
原作とそう変わらないけど、映画版の方が心に残るラストだった。(本当にほんの少しの違いだけど…)そして原作の結びが大雑把だけど話の全部を物語っていた。 時代背景も手伝って、まぁ退廃的。 戦後の混乱が誰にも救いようがない物語を創り出し、下手すれば(当時の)ウィーン以外の似たような場所でも同じような話が出来上がっていたのでは?とまで思えてくる。 映画版はクラシック映画の中でも名作と言われているけど、小津氏の翻訳もクラシカルで格調高いものだった。あの技法を今再現するのは難しそうだけど、作品の時代に合わせた訳ができたらカッコいいだろうなー。 「人を理解するにはゆとりを持たなくちゃいけない」 憧れだった人間が悪の道に踏み込んだ時、事実を受け入れ訣別(あるいは罰を下す)するか、憧れのままその人を受け入れていくかに分かれる。 観覧車前でライムに再会した際、マーティンズはまだ僅かながら受け入れる希望を残していたように思う。でもライムの本心を知ってしまい、観覧車が彼らの訣別の場になってしまった。 そのシーンを踏まえ、実在&現存する観覧車を目の前にしたらどんな感情が湧き上がってくるのか、一度試してみたい。
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文句ない。キャロルリードの映画で震えた感動が蘇る。後書きによれば、映画の企画としてグレアムグリーンが書いた原作本だというではないか。マーティンズが友人ハリーの葬儀に参列する墓地のシーン、ウィーンの街、彼の知らないハリーの話。シーンが目に浮かぶ。映画を意識して書かれたことがよくわか...
文句ない。キャロルリードの映画で震えた感動が蘇る。後書きによれば、映画の企画としてグレアムグリーンが書いた原作本だというではないか。マーティンズが友人ハリーの葬儀に参列する墓地のシーン、ウィーンの街、彼の知らないハリーの話。シーンが目に浮かぶ。映画を意識して書かれたことがよくわかる。ハリーは何者なのか?さすがグレアムグリーン。お話としての完成度が高く鮮やか。
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グレアムグリーン渋いねぇ、全くオタク渋いよ。 最初誰が誰やらこんがらがりましたが、大変興味深く読ませていただきました。 ただ、本で読むには地味過ぎる気がして…。映画の方が良いですね。アンナが一人毅然と歩くエンディングも、ボルジアの圧政はルネサンスを生んだが、スイスの平和主義で生まれたのは鳩時計だけ。というハリーのセリフも。 作者が序文で、彼(キャロルリード)の大勝利だった。と書いてある所から、グレアムグリーンめっちゃ性格良いしと思った私は単純な人間です、はい。
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超有名映画の原作、と言っても映画化を前提にしたものらしい。 実は映画はちゃんと通しで見たことがないので、先に原作を読んでみようかと。 恥ずかしながら当時のウィーンがそんなことになってたとは知らんかったよ。 あと超有名なラストシーンが実は原作では違ってた、というのも興味深い。 今度...
超有名映画の原作、と言っても映画化を前提にしたものらしい。 実は映画はちゃんと通しで見たことがないので、先に原作を読んでみようかと。 恥ずかしながら当時のウィーンがそんなことになってたとは知らんかったよ。 あと超有名なラストシーンが実は原作では違ってた、というのも興味深い。 今度は映画見ないとなあ。
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