悪童日記 の商品レビュー
まず邦題が完璧。 いかなる国にも、文化にも、因習にも決して迎合しない彼らだけの揺るぎない倫理‥‥。自分の哲学観を見直すきっかけになった1冊。
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壊れてるけど美しいみたいな表現あるけどまさしくこの本の世界観なのよ、てかこの双子アルティメット現実主義者でめっちゃ好き、てか普通に頭おかしくて好き 終わり方も文句なしです!
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現代の感覚では考えられない·しようとも思わないような出来事が多々ある。戦時中だから人はこんなにも残酷でいられるのか、それとも元々そういう生き物なのか"人間性"がよく分からなくなってくる。双子とその他の人達、どちらがより歪なのか。ラストの(誰とは言わないが)再会...
現代の感覚では考えられない·しようとも思わないような出来事が多々ある。戦時中だから人はこんなにも残酷でいられるのか、それとも元々そういう生き物なのか"人間性"がよく分からなくなってくる。双子とその他の人達、どちらがより歪なのか。ラストの(誰とは言わないが)再会ですらハッピーで終わらず衝撃を受けた。
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戦時の重い話だが、淡々と書かれているので悲壮感が漂っていない。 双子のぼくたちに圧倒的魅力を感じるのは、生命力に満ちているからか。題に、悪童とあるが悪童とは思わなかった。人のせいに、周りのせいにしない、恐れず、賢く、逞しい。とにかく双子がかっこよく憧れた。 最後の双子の選択にはど...
戦時の重い話だが、淡々と書かれているので悲壮感が漂っていない。 双子のぼくたちに圧倒的魅力を感じるのは、生命力に満ちているからか。題に、悪童とあるが悪童とは思わなかった。人のせいに、周りのせいにしない、恐れず、賢く、逞しい。とにかく双子がかっこよく憧れた。 最後の双子の選択にはどんな想いがあるのか知りたい。三部作とのこと。続きを読もう。
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サイコー 名作小説を片端から読む試み、内容は知らず1ヶ月積んでたけど読み始めたら引き込まれてすぐ読んでしまった(読みやすい)。 購入本、文庫 戦時中らしき或る国の或る町の名前のない双子から見た世界の描写。 双子の態度(=作者の態度)が非常に真剣で誠実でグッとくるものがある。生まれながらに周囲の人間に頼って混じらずにはいられなくなってしまった所帯じみた大人が、媚びない無垢な子供や完結した世界を持つ二人組に憧れるこの感じかなり普遍的だった。これは"好き"="こうありたい姿"の好きだ…。誰にも分かられない聖域として1人で本読む自分を愛したいと感じる気持ちに近い、最近他人と話す機会が増えて"つまんねー自分”しか伝わらずマジョリティ的なやりとりに足を突っ込んでしまうことに辟易するが、伝わらなくてもある と 伝わらないとイミない を両方持とう、好きな他人に影響されて自分に肩書きをつけて遠くへ行こうという気持ちも出てきたあたりがもう双子ではいられない哀しみであって、双子が存在できる物語世界痺れるなあ〜〜〜!と思う。キャラクターとして受け入れられている双子のミステリアスなイメージ(shining, 匂宮, 葵, スノホワ)が集約された原典だった。 文章というメディアと物語が非常によくマッチしていると感じる。略奪、倒錯などあらゆる非人間的な要素が描かれているが、読者との一対一で伝えてくれるからきちんと受け取れる。テレビだと要素それだけで判断されちゃうのかなーとかふと過ぎって、テレビは一対一に向かないのか?教訓的でなく、露悪的でなく、苦しさを訴えて同情を誘うんでなく、痛快に善を主張するんでなくただ淡々と惨状と生き死にを描く。トラウマはケアしてニコニコさせる一辺倒は逆向きの暴力。だって生きてるだけでこんなに傷つけあってるんだから。うーん、双子の"天才"(痛くない苦しくない悩まないぼくらのすべきことは決まっている)に読者が頼ったエンタメとも言えるのかこれ……。匂いも痛みも見てるだけの奴(読者)には言葉を尽くしても伝わらない なら事実を読みなさい? 訳者解説の「非常に深刻な問題を、センチメンタリズムともニヒリズムともいっさい妥協をせずに扱っている。しかも、そのテクストの行間に堪えた涙のように激しい人間的共感力がみなぎっていることは…」の表現納得できる。 文章の色も良かったな〜〜!表紙の暗い緑がずっと浮かんでいた。「女中と従卒」章のさくらんぼとか墨色の中に薄紅の丸が現れたような感じがして嬉しかった() 時間が流れているから双子は双子のままではいられず、ラストシーンがあるのだろうな、ここは先週読んだTSUGUMIに通ずる。天使のように現実離れした天才的子供が不連続な苦しい変化(舞台"太陽")を受け入れてその後も生きていく、または天使のまま死ぬ。 解説によるとクリストフが出版社に送りつけた無名処女作を無修正で出版したものと書いてあって驚き。
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とても面白かった。 物語は、戦時中、爆撃の激しくなった「大きな町」から、おかあさんに連れられて、「小さな町」のおばあちゃんの家へと疎開してきた双子の兄弟「ぼくら」の日記である。 疎開以前、疎開先にも辞書を持たせるほど学のある親のもと、清潔な生活を送っていたぼくらは、風呂場も水道も、石鹸も洗剤もないおばあちゃんの家で生活するうちに、汚れていく。ぼくらは、生活のため、通常の道徳観では、非行とされることを、何の葛藤もなく行い、それを日記に書き留める。彼らは、自分たちの書く文章について「作文の内容は真実でなければならない、というルール」を定めて、文字を独学する。その文体は、窃盗や恐喝、安楽死の幇助、自分たちを強くするための様々な練習など、やっていることの凄烈さに対して、淡々としていて、戦争という時代の中で生きている子どもの強い主体性を感じさせる。 行動の非道徳さに比して、女中や隣人の兎っ子などに対する行動には、彼らの中で守るべきとされる道徳観がある。「精神を鍛える」「残酷なことの練習」など、彼らの強かさは、訓練によって身につけたものだった。「髪に受けた愛撫だけは、捨てることができない」という言葉などは、そうした一面のような気もする。 続編があるようなのだが、そのことを踏まえても、物語のラスト、実の父親を犠牲に使い、2人が国境のこちら側とあちら側に別れるという結末を、どう解釈したらよいか、読みきれなかった。2人は、文字通り一心同体で、学校でも、同じクラスになるようになった。孤独になることが、彼らにとってどういう意味があり、どのように克服されていくのか。
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読みやすかった。細かい作文に分かれており使われている言葉も平易(固有名詞もない)からスラスラ読めた。 双子が過酷な環境でたくましく困難を突き破っていく様子はとても痛快だった。たしかに非道徳的な行いはしているものの、おばあちゃんや将校に対する思い遣りは本物である所から考えるに過酷な環境で心が歪んでしまったわけではないらしい。双子が非行をしたのは心が歪んだからではなく鍛えられたからにすぎない。解説でもあった通り双子は非常に自律している。おばあちゃんにも取り込まれないし、久しぶりに会った母親をも拒否して、神にも祈らない。一番最初の母と祖母の会話を盗み聞きする時から双子の外界のものに依存しない性質が読み取れる。つまり他者に対して思いやりを持ちつつも主体的に動くという両面性が、双子を魅力的にしている。まぁこれはほとんど解説に書いてあったことですが。 しかし悪童日記を読んで思うのは、どんなに悲惨な物語でも主人公がハツラツとしてればそれほど陰惨な印象は受けない、ということである。話は変わるがチェンソーマンという漫画も主人公がかなり残酷な目に遭う物語である。しかし当の本人はケロッとしているのだ。悪童日記にも言えることだが、やはり主人公(たち)自体がどういう人間性を持っているかで物語全体の世界観が変わるのだなぁとひしひしと思う。 注目すべきは一番最後のシーン、双子の別れである。私は続編はまだ読んでいないので見当違いの考察になったら申し訳ない。私が思うに双子の別れは最後の「練習」なのかもしれない。たしかにあらゆる障害を打ち破ってきた双子が物語の幕引きが、双子の唯一の弱点である「孤独」を克服することなら、納得できるものがある。
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久しぶりに読んでみた。、昔読んだのは中学生くらい?? なんとなくあー、そういう内容だったかな?と思いつつも改めて読むと惨すぎて戦争をありありと語っているという名作なのはよくわかった。それでいて飽きさせないというか、淡々としてるけどテーマがかなり広く触れてある。 続きは多分読んで...
久しぶりに読んでみた。、昔読んだのは中学生くらい?? なんとなくあー、そういう内容だったかな?と思いつつも改めて読むと惨すぎて戦争をありありと語っているという名作なのはよくわかった。それでいて飽きさせないというか、淡々としてるけどテーマがかなり広く触れてある。 続きは多分読んでいない気もするのでこれから読みすすめる。なんで双子は別々の国に行くことにしたんだろう??そこが謎なんだけどそこも明かされるのかな?
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おばあが好きだからおばあが嫌な目に遭わないかずっと心配だったけど、なんだかんだ大往生でよかった。 最後、そうなるんだ…!それぞれ別の道をいった双子たちは今後どうなるんだろう。 事実が淡々と情景を排除して描かれてるのって余計な入れ込みをしなくてよくて良い感じ。
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■ Before(本の選定理由) 戦争をテーマとした世界的人気の小説らしい。村上春樹がエッセイで、著者の文体を自身のそれに重ねていたことも興味を持ったキッカケ。 ■ 気づき 小説内では記述されないが、ドイツによるハンガリー侵攻が描かれているようだ。どこまでも客観的で、感情は排除...
■ Before(本の選定理由) 戦争をテーマとした世界的人気の小説らしい。村上春樹がエッセイで、著者の文体を自身のそれに重ねていたことも興味を持ったキッカケ。 ■ 気づき 小説内では記述されないが、ドイツによるハンガリー侵攻が描かれているようだ。どこまでも客観的で、感情は排除されている。戦時下の出来事を描くだけでなく、それを天才の双子というキャラクターを通じて語ることで、こんなにシニカルでエンターテインメントになるなんて。率直に言って、著者を恐いと感じた。 ■ Todo グロテスク・エロティックな描写も多い。でもそれが剥き出しの人間というものなのかもしれないな、と感じた。続きの巻も読んでみよう。
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