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悪童日記 の商品レビュー

4.4

448件のお客様レビュー

  1. 5つ

    217

  2. 4つ

    136

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    1

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2024/02/22

二次大戦から終戦にかけてのハンガリーを舞台にしている。作中にはっきりそうと書かれる部分は一度もないが、歴史を踏まえて読むとまた面白い。二次対戦中の人々の悲惨な様子が淡々と描かれている。

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2023/07/19

双子の男の子が、戦争中の国で逞しく生きていくお話。他人からの悪口に傷つかないよう、お互いに罵詈雑言を浴びせあったり、目が見えない、耳が聞こえないふりをしたり…。2人のトレーニング風景にくすっとしつつ、戦時下の不穏な空気が漂って不気味だった。 三部作らしいので続きがどうなるか楽しみ...

双子の男の子が、戦争中の国で逞しく生きていくお話。他人からの悪口に傷つかないよう、お互いに罵詈雑言を浴びせあったり、目が見えない、耳が聞こえないふりをしたり…。2人のトレーニング風景にくすっとしつつ、戦時下の不穏な空気が漂って不気味だった。 三部作らしいので続きがどうなるか楽しみ。

Posted byブクログ

2023/07/20

過激な描写は多いが、心理描写が無く起こった事実だけを記しているので読んでいて不快感が無い。 双子が生き抜くための過酷なトレーニングを淡々とこなしていく姿には爽快感すら感じる。 結末も予想外でとても面白い作品でした。

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2023/06/11

初めは戦時中の双子の少年の生き方を描いた作品なのかな?と思いましたがそんな悠長なものではなく、生と死の狭間で強くそして残酷に自分たちの思考を貫き生き抜くいていく双子のお話でした。想像を覆された作品でした。固有名詞もなく、淡白な感情として淡々と描かれる双子の気持ちや描写などに恐怖を...

初めは戦時中の双子の少年の生き方を描いた作品なのかな?と思いましたがそんな悠長なものではなく、生と死の狭間で強くそして残酷に自分たちの思考を貫き生き抜くいていく双子のお話でした。想像を覆された作品でした。固有名詞もなく、淡白な感情として淡々と描かれる双子の気持ちや描写などに恐怖を覚えました。今風に言えばサイコパスみたいな感じです。戦争という背景もあり、その真っ暗な日々の中で他人に対する慈悲や慈愛なども薄れてしまっていくんだろうなと思いました。ラストもとても衝撃的で納得できない描写が多々あるので自己流の思想や解説など紐解いて行けるのは面白いと感じました。1度読み出すと止まらないほど夢中になれる作品でした。この作品に続く「ふたりの証拠」、「第三の嘘」も順に読み進めていこうと思います。

Posted byブクログ

2023/04/05

【感想】  “絶対にそうする必要がある”という倫理に貫かれた双子のハードボイルドな暮らしが、戦争とそれがもたらす暴力によって研磨されていく。戦時下で、道徳や親切心が無用の長物になってしまったなかで、生き抜くために育まれていく倫理を目の当たりにした。   都会から疎開してきて、意地...

【感想】  “絶対にそうする必要がある”という倫理に貫かれた双子のハードボイルドな暮らしが、戦争とそれがもたらす暴力によって研磨されていく。戦時下で、道徳や親切心が無用の長物になってしまったなかで、生き抜くために育まれていく倫理を目の当たりにした。   都会から疎開してきて、意地悪な親類の下で暮らすこども達に「火垂るの墓」を思い出しながら読んだ。恵まれた家庭で暮らしてきた清太と節子は、所得も低く労働に明け暮れ、食べるもののままならない叔母の家での生活に戸惑う。叔母さんが、洗い物をしながら、鍋のそこにこべりついた食べかすを口に運んでいたシーンが印象に残っている。  小さな頃、憎んだ「火垂るの墓」の叔母さんに意地悪としか思えなかったのが、振り返ってみれば、全く違った見方をしていることに気づく。そこ、で生きてくための手段としての在り方だった。  「ぼくら」が叔母さんの家で重ねる経験に通ずる。自分たちの所持品は勝手に売られてしまい、働かなければ食べられない。清太たちは家出と、盗みをして自活を始めたが、「ぼくら」は順応を始める。ここでの現実に慣れ、自衛手段を身に着けていく。  「ぼくら」の書くものは真実のみ。これこそ本書の最大の魅力だと思う。彼らは注意深く、真実とそうでないものを選り分ける。真実を突き詰めていけば自ずと必要に行き当たる。動物を殺す、向かってくるものを倒す、ゆすりや恐喝をかける、金を得る、労働する、人を殺す、報復する。彼らが生きる目的のためにした練習全てが彼らの必要なときに必要な行為をためらわずに起こせるように訓練していった。  考えさせられるのは行為に善悪などないことだ。おばあちゃんを殺すとき、それは彼女の願いで彼女との約束だった。女中を手にかけたのは報復だった。父を殺したのは生存のためだった。兎っ子の母親を殺したのも彼女の願いだったからだ。  おばあちゃんは同じように、もう動くことのできなくなったおじいちゃんを殺したんじゃないだろうか?  とまあ真実のみを語ってはいても、語られていない真実もある。真実しか語られないということは、語られていないことのなかには真実とそうでないものが入り乱れていることにもなる。“銃声と強姦される女たちの悲鳴”のなか、強奪と暴力のなか、彼らの足跡は次第に深く地面に刻み込まれていく。    再読再考のため手元に残していく一冊。

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2023/03/17

サイコパスって感じの本、ぶっ壊れてる。 面白くてすぐ読み終わった。 不思議な感じ、一回読んでみてもいいと思う。 過激な描写もあるし、怖いところも多い。ラストは、え!!って感じ。

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2023/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幼い双子兄弟から見た戦時下の生活。あまりにも劣悪な環境に吐き気を催しそうだった。しかし、これが戦争の実態なのだろう。人が獣以下になる、身の毛がよだつ地獄そのものだ。 兄弟は生きるために自分達を鬼のように鍛える。彼等にとって感情は意味がなく事実あるのみ。鉄のような精神でしたたかに生きる。彼らは果たして非道なのか。私にはそうとは思えない。続きが気になる。

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2023/03/01

傑作で有名なのに、よく知らずに読み始めた インパクトがある作品 衝撃のラストシーン、疑問を残したまま終わる ちょっと鳥肌もの。。。(;ω;) 連続もののTVがいいところで終わり、「続きは来週ー、また観てねーっ」って言われているのと同じ感覚(昭和か?笑) この作品は三部作の第一弾で...

傑作で有名なのに、よく知らずに読み始めた インパクトがある作品 衝撃のラストシーン、疑問を残したまま終わる ちょっと鳥肌もの。。。(;ω;) 連続もののTVがいいところで終わり、「続きは来週ー、また観てねーっ」って言われているのと同じ感覚(昭和か?笑) この作品は三部作の第一弾で、話は第二弾『ふたりの証拠』に続くらしい 第二次世界大戦中に、ハンガリーの田舎町のおばあちゃんの家に疎開して来た双子の兄弟の話 生き抜く為に双子は毎日色々な『練習』をする 来る日も来る日も遊ばない、働く、『練習』をする 双子が客観的事実だけを日記に淡々と書いているのがこの『悪童日記』 戦争中の話だから、とても暗いし残酷 でもその日記が読みやすくて、感情や情景がしっかりと伝わってくる 面白いことにこの作品は誰の名前も出てこない 双子は『ぼくら』、おばあちゃんは『おばあちゃん』、従姉妹は『従姉妹』という様に名前が出てこなかった だから名前を覚えなくてよかった さあ、第二弾の『ふたりの証拠』も読まないと! 続きがどうしても気になる、そんな作品

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2023/02/03

1.おすすめする人 →過去の戦争に興味がある、人間の本性を知りたい 2.感想 →描写がリアルで惨たらしい。  私はあまり得意ではなかった。  オブラートに包むような書き方ではないため、  好き好みが分かれると思う。

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2023/01/02

古本屋でたまたま見つけた本ですが、衝撃的な内容で一気に読んでしまいました。 舞台は第二次世界大戦中のハンガリー。戦争が激しさを増し、「おかあさん」は双子の「ぼくら」を小さな町に住む「おばあちゃん」のもとへ疎開させます。おばあちゃんは文盲、不潔、粗野、そして恐ろしい吝嗇家。しかも夫...

古本屋でたまたま見つけた本ですが、衝撃的な内容で一気に読んでしまいました。 舞台は第二次世界大戦中のハンガリー。戦争が激しさを増し、「おかあさん」は双子の「ぼくら」を小さな町に住む「おばあちゃん」のもとへ疎開させます。おばあちゃんは文盲、不潔、粗野、そして恐ろしい吝嗇家。しかも夫を毒殺したという噂もあり、「魔女」と呼ばれています。「ぼくら」がおばあちゃんに強いられる生活は過酷。戦争という異常な状況下、人間の醜さや悲しさ、偽善、世間の不条理、非情な現実を「ぼくら」は体験します。本書は「ぼくら」の日記という形式で衝撃的な物語を綴っていきます。 本書の読みどころは、想像を絶する物語展開はもちろんのこと、「ぼくら」という人物の魅力にもあります。過酷な現実の中で、「ぼくら」はストイックに、冷静に、残酷に、ときには不思議な情やユーモアを持って行動します。彼らの行動は、物語の最後まで爽快に映りました。 著者のアゴタ・クリストフは1935年ハンガリー生まれ。1956年のハンガリー動乱のときに西側に亡命。本書はフランス語で書かれていて原題は”Le grand cabier “。直訳すると「大きなノートブック」という意味ですが、「悪童日記」という邦題はしっくりくるように思います。 本書が日本で出版されたのは1991年。文学界に衝撃と感動の渦が巻き起こり、絶賛の声が寄せられたそうです。本書を読めば、それが過大広告でないことがわかります。お勧めの1冊です。

Posted byブクログ