1,800円以上の注文で送料無料

悪童日記 の商品レビュー

4.4

448件のお客様レビュー

  1. 5つ

    217

  2. 4つ

    136

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/04/29

海外文学はあまり読まないのだが、お勧めされたので読んだ。まず第一に読みやすい。理由は主人公の双子による口語体で また、少年の日記をそのまま読んでいるような、素直な文章だった。ただ一つ言えることは主人公の双子達に全く共感できないが突き放してみると非常に痛快な感覚を覚える。戦争、差別...

海外文学はあまり読まないのだが、お勧めされたので読んだ。まず第一に読みやすい。理由は主人公の双子による口語体で また、少年の日記をそのまま読んでいるような、素直な文章だった。ただ一つ言えることは主人公の双子達に全く共感できないが突き放してみると非常に痛快な感覚を覚える。戦争、差別、貧困、暴力、死、これでもか、これでもかとヘイトの嵐。ただ現実をモチーフにされているのは明らかで過酷な日々に没入してしまう。黒手塚と言われる手塚治虫の闇の深い作品で免疫はある方だが、それでもエグい。言いようもない気持ち悪さと不気味さがそこにある。

Posted byブクログ

2024/04/23

二人の少年の日記を覗き見しているような感覚で読むことができた。 戦争の恐ろしさ、生きていくために考えて行動していく二人。 どんな状況であっても、自分にできることを考えて生きることって素晴らしいと思った

Posted byブクログ

2024/04/07

第二次世界大戦中「大きな町」から「小さな町」のおばあちゃんの家へ疎開してきた恐ろしく頭の切れる美しい双子の男の子。戦時下の厳しい環境を生き抜く様が、2人の書く日記という体でつづられている。 笑いながら蟻を踏みつぶすような子供の残虐性…と言ってしまっていいものか…また彼ら子供が大人...

第二次世界大戦中「大きな町」から「小さな町」のおばあちゃんの家へ疎開してきた恐ろしく頭の切れる美しい双子の男の子。戦時下の厳しい環境を生き抜く様が、2人の書く日記という体でつづられている。 笑いながら蟻を踏みつぶすような子供の残虐性…と言ってしまっていいものか…また彼ら子供が大人に性的に搾取されていることもおぞましくて、それが感情のない客観的な言葉でつづられているのがより一層不気味さを掻き立てる。ラストの展開は衝撃的だった。戦争が彼らをそうさせたのか、元々そういう気質があったのか…。挿絵を付けるならエドワードゴーリーだなと思った。 続編があるようなので読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2024/03/30

戦時下の飢え、ホロコースト、見捨てられる障害者などの弱者たち、性的搾取…起こっている出来事は惨い以外の言葉がないが、双子はただあるがまま受容する。かといって黙って耐えるというわけでももなく、ホームアローンのように、知恵を駆使し、時には肉身すらも踏み台にして、生き抜いていく。感情を...

戦時下の飢え、ホロコースト、見捨てられる障害者などの弱者たち、性的搾取…起こっている出来事は惨い以外の言葉がないが、双子はただあるがまま受容する。かといって黙って耐えるというわけでももなく、ホームアローンのように、知恵を駆使し、時には肉身すらも踏み台にして、生き抜いていく。感情を排しているが、淡々さとも異なる、実感がある文体で、率直に浮き彫りにされる様々な人間性。「衝撃的」などの踊り文句がつけらがちであることにも納得、一気に読んでしまった。

Posted byブクログ

2024/03/13

2人の少年による作文の形式をとった日記です。 本文中にも書かれている通り、徹底して客観的な視点、事実が羅列されています。だからこそ感じる無機質感の中に、強制されない感情を抱かせてくれます。 ただただ戦争を代表とした外的要因に振り回されるだけと思いきや、その中で強く健気に生き延び...

2人の少年による作文の形式をとった日記です。 本文中にも書かれている通り、徹底して客観的な視点、事実が羅列されています。だからこそ感じる無機質感の中に、強制されない感情を抱かせてくれます。 ただただ戦争を代表とした外的要因に振り回されるだけと思いきや、その中で強く健気に生き延びる「ぼくら」の姿。甘えがちな自分の心に強く刺さるものがありました。

Posted byブクログ

2024/03/03

「主観を一切まじえずに書かれた本がある」と勧めてもらったのがこの本だ。 僕らは悲しい気持ちになった。とは言わず 僕らは涙を流した。と客観的事実のみで構成される。 不思議な本だった。 双子の主観から捉えた世界なのに、主観的な表現がひとつもない。 双子の目に映る世界の追体験ができる...

「主観を一切まじえずに書かれた本がある」と勧めてもらったのがこの本だ。 僕らは悲しい気持ちになった。とは言わず 僕らは涙を流した。と客観的事実のみで構成される。 不思議な本だった。 双子の主観から捉えた世界なのに、主観的な表現がひとつもない。 双子の目に映る世界の追体験ができるが、感情は全て委ねられる。 漠然と、何か他のものにも応用が効くんじゃないかと感じた。 日本語版タイトルは『悪童日記』だが、原書は『大きなノートブック』とでもいうのが近いらしい。 日本語版のタイトルの掴みは素晴らしいものであるが、読み終わると原書タイトルが、当然ではあるのだが、最も本書を言い表していると感じられる。

Posted byブクログ

2024/03/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・あらすじ 戦時下のある国、厳しい環境下で生き残る双子の少年。 彼らの作文形式で綴られる物語。 ・感想 日記調だけど書いてるのが普通じゃない倫理観の持ち主で、出てくる大人達もやばい奴しかいないから大体ヒキながら読んでた。 でもなんだかすごくクセになる文章と作風で面白かった、 あの子達は生来そういう気質なのか時代のせいなのか分からんけどすごく逞しい。 悪どくずる賢く生き抜く彼らはすごく魅力的だった。 3部作らしいから次も読みたい。 あの不思議な魅力のあるふたごたちが最後ああなってしまって、その先どうなるのかすごく気になる。

Posted byブクログ

2024/03/04

ちょっと不潔でちょっとエロい大人の絵本。 ヨーロッパの作家の作品って、作品自体の出来や内容の崇高さに関わらず「不潔でエロい」と感じることが多いのですが、それが狙いなのか私が神経質すぎるのか?? 内容は重いが児童書のような文体と形式でとても読みやすく、話自体も面白いので一気に読んで...

ちょっと不潔でちょっとエロい大人の絵本。 ヨーロッパの作家の作品って、作品自体の出来や内容の崇高さに関わらず「不潔でエロい」と感じることが多いのですが、それが狙いなのか私が神経質すぎるのか?? 内容は重いが児童書のような文体と形式でとても読みやすく、話自体も面白いので一気に読んでしまいました。三部作ということで、まだあと二作あるので続きが楽しみです。

Posted byブクログ

2024/02/06

終わりかたのせいで余韻がすごいのですが、3部作なんですね。だとしてもすごい終わり方。いきなり緞帳がドオンッと落ちたようです。 戦争が激化して、大きな街から小さな街の祖母の家に疎開した双子の男の子たち。そんな彼らを取り巻く暴力、貧富、欺瞞、奔放な性行為、差別などの酷い環境。双子た...

終わりかたのせいで余韻がすごいのですが、3部作なんですね。だとしてもすごい終わり方。いきなり緞帳がドオンッと落ちたようです。 戦争が激化して、大きな街から小さな街の祖母の家に疎開した双子の男の子たち。そんな彼らを取り巻く暴力、貧富、欺瞞、奔放な性行為、差別などの酷い環境。双子たちは生きていくために、労働や「学習」やあるいは盗みや殺しをしていきます。この話はそんな彼らの日記のていで進みます。 彼らの日記は感情を挟まず、事実を書くというルールがあるのですが、それが独特の陰影を生んでいるように感じました。無機質に描写されたせいで、より酷さが克明に思われるというか。白黒写真を見て不意に、見慣れている物がまとっている陰影に違和感を感じるのに似ているのかも。 双子は自分たちで何が本当に必要なことであるかを選んで生き抜いていくのですが、日記には感情が一切伺えず、サイコパス的にも見えます。徹底的に感情を排した日記は、「正義感」「敵と味方に分類する」「憎悪」など、そもそも感情や感覚が戦争などの悲惨さの一因という意味なのかな。

Posted byブクログ

2024/01/24

読み終わった時え??って言っちゃった 国語の授業でありそう。本気で寒気がするシーンが多くて文章なのにすごいな〜ってなった

Posted byブクログ