悪童日記 の商品レビュー
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すごい話を読んだなと思う。最後まで一切話の展開が読めず、どこに着地するのか分からないまま夢中で読み終えた。 一気に読めたのは、タイトルのとおり、双子が経験した出来事が日記のように淡々と記されていてたので、非常に読みやすかったこともある。 あまり感情は描写されず、出来事のみが書かれているので、行動から双子の心境を考察するしかなかった。さらに、双子が主役なのに各自の名前が一切出て来ないので、読者は個人を識別できない。これにより、一層双子は一心同体なのだと思わされる。 悪童日記というタイトルなので、純粋な双子がどんな悪童に成長するかと思っていたけど、私には最後まで悪童と呼べるほど悪い子には見えなかった。 殺しにも理由があって、倫理観が外れているとは思えなかった。可愛がってくれた女中を殺そうとしたことも理解出来なくはない。 ケチなおばあちゃんがユダヤ人に向かってリンゴを転がしたように、彼らなりの悪への戦いだったと思う。 最初は変わり者で意地悪なおばあちゃんと暮らすことになって双子が可哀想と思ったけど、双方にきちんと絆が生まれていて良かった。リンゴの1件などでもおばあちゃんも完全な悪人ではないと感じた。 全て読み終わり感想を調べるうちに全3作のシリーズ物と気が付いた。続きが気になるので、続編もぜひ読みたい。
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あぁ……余韻がすごいかも。 全部で六十二からなる章での構成。 その文体は、 双子ちゃんの作文のような… 日記のような… 各章のタイトルがなかなか秀逸で… 長くても2〜3頁だからすぐに読めちゃう。 そのひとつひとつが『悪童日記』 淡々と書いてあるの。 良いことも悪いことも。 ...
あぁ……余韻がすごいかも。 全部で六十二からなる章での構成。 その文体は、 双子ちゃんの作文のような… 日記のような… 各章のタイトルがなかなか秀逸で… 長くても2〜3頁だからすぐに読めちゃう。 そのひとつひとつが『悪童日記』 淡々と書いてあるの。 良いことも悪いことも。 好きも嫌いも。 あっ…でも決して嘘はついてなくって… だからかなぁ なんか怖いの。 ぼくらは「大きな町」からやって来た。 って、子供らしさ満々でしょ。 なんか読むの楽しみ♪ だったんだけど… えっ?の連続。 ズル賢いのレベルじゃなくって… でもね、優しいところもあるの。 頭が良くって…大人をも論破しちゃうみたいな。 はぁ…うまく伝えれない 「きちんと伝えてください。 あなたの説明じゃわかりません。」 って言われそう…。 へへ とにかく…とても深いお話でした♪
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読み始めたら止まらなくてすごい早さで読み終わってしまった 2人から見た『事実』だけが淡々と語られている こんなに続きが気になる終わりだと思わなかった〜
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なんというかこう生々しい?汚い?エログロであまり合わなかった。でも醜い少女の最後は救いがあって良かった。
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文章は幼いのにやってることはえげつない。人に優しくもしてるのでこの双子の善悪の基準が最後まで分からなかった。
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衝撃! この本の構成はなんだ!? 初めての感覚。 まさに人の日記を覗き見している感覚で読んでいる楽しさ。 ストーリーも独特で素晴らしすぎた。
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感想で言いたい事全て解説で言及されていて何を言っても引用になってしまうのですが、まず凄く好みの文体でした。淡白な文だなと思いながら読んでいたら、これは双子の作文だと解説にあって、偶にしか無い心情描写や重い題材の割に爽やかに映るのは双子が見た事実のみ読んでいるからか〜!と理解した途...
感想で言いたい事全て解説で言及されていて何を言っても引用になってしまうのですが、まず凄く好みの文体でした。淡白な文だなと思いながら読んでいたら、これは双子の作文だと解説にあって、偶にしか無い心情描写や重い題材の割に爽やかに映るのは双子が見た事実のみ読んでいるからか〜!と理解した途端遠かった双子が急に近くに感じるという面白い体験をした。 心情描写が少ない分双子の残虐性、合理性が目立つけれど決して無情な人間という訳ではなく、喜怒哀楽を感じる普通の人間が戦争が日常に溶け込んだ環境で生き残るべくそれらを克服する過程において形成されていったものと思うと虚しくて、そして文章の淡白さが益々虚しさに拍車をかけるというか……。元々双子にはそういう才能があり、人間として欠落した部分があったように思うのですが、それでも双子が自分達の信条にのみ従いどんな手段も厭わない生き方を確立させた背景には戦争があり、潜在的素質があった為になるべくしてなったとかでは無く責任の所在は戦争にある事が作中一貫して書いてあったように感じ、作者の戦争に対する思いと直接繋がれる好きなポイントでした。 難しくないのですらすら読めるけれど、読後は考え込んでしまうし、共感できる人物が皆無でも物語って楽しめるんだと思った作品でした。
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淡々と進む日記の面白さ ぼくら(双子)は7歳にして疎開先で非情な目にあい、感情を無くし痛みを忘れ生きていく それはサイコパスのごとく 物語には一切固有名詞が出てこないのに状況が鮮やかに浮かぶ しかも起こる出来事はショッキングなことばかりで読む手が止まらない 戦争がいかに恐ろしく愚...
淡々と進む日記の面白さ ぼくら(双子)は7歳にして疎開先で非情な目にあい、感情を無くし痛みを忘れ生きていく それはサイコパスのごとく 物語には一切固有名詞が出てこないのに状況が鮮やかに浮かぶ しかも起こる出来事はショッキングなことばかりで読む手が止まらない 戦争がいかに恐ろしく愚かなことかと改めて思う エンディング...続編を読まねば 二人の悪童が恐ろしい
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昔、大学生だった子からオススメされた本。 やっと読めた。 双子の逞しさ、精神力の強さを感じる。 戦争がなければどんな子に育ったんだろうか。 なんだかんだおばあちゃんと一緒にいるのがよかった。 これからは一人で行動することにした二人。 逞しく人生を切り開いていくんだろう。
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30年ぶりに再読。 まったく古くないことに驚いた。 戦争や紛争がある現在に通じるものがあるような気がして一傍観者の目線で読んだ。 戦争は物も寛容さも何もかも奪い去るもの。 目の前に突きつけられた思い。
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