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ワンダフル・ライフ の商品レビュー

4.2

45件のお客様レビュー

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2010/08/31

古生物学の面白さを知る一冊。批判もあるけど、、。 カンブリア紀の「生物進化の大爆発」で有名になったスティーヴン・ジェイ・グールドのベストセラーで、特にNHKの科学番組で有名になった「アノマロカリス」復元の経緯を解説しているところが大変面白いです。 カンブリア紀には様々な形態の生...

古生物学の面白さを知る一冊。批判もあるけど、、。 カンブリア紀の「生物進化の大爆発」で有名になったスティーヴン・ジェイ・グールドのベストセラーで、特にNHKの科学番組で有名になった「アノマロカリス」復元の経緯を解説しているところが大変面白いです。 カンブリア紀には様々な形態の生物が進化しましたが、現在の生物は、その中から「偶然」生き延びた生物から進化している。一般に進化という言葉の解釈は「単純なものから複雑なものへ」或いは「より良いものへ」といった肯定的に捉える傾向があります。しかし、生物の進化には「偶然性」が付きもので、カンブリア紀の進化も「たまたま」環境に適合し、生き延びた生物が今に至ったと考えられています。 この本には分類学的な解説がかなり含まれていますが、私のような素人の読者にとっては、専門的なことは判らなくても、復元されたカンブリア紀の生物の図版を見ているだけで楽しい。 彼のエッセイは難しい科学の話題を、彼が愛したベースボールの話題等を引き合いに、素人の読者に判り易く解説してくれることで有名です。 ワンダフル・ライフの内容には、その後一部の学者から批判も受けているようですが、彼が「カンブリア紀」を紹介してくれたお陰で、私達の楽しみを広げてくれたと思います。 毎年出版される彼のエッセイを楽しみにしていましたが、残念ながら2002年に亡くなられたということです。

Posted byブクログ

2010/06/11

ブリティッシュ・コロンビア州の東端、ヨーホー国立公園のカナディアン・ロッキー山中で発見されたバージェス頁岩の無脊椎動物群。 古生物学においては、恐竜や人類進化の歴史など神秘的で魅力的なテーマがあるが、バージェス頁岩が与えるメッセージは生物進化の歴史の真相に迫るという意味ではそのど...

ブリティッシュ・コロンビア州の東端、ヨーホー国立公園のカナディアン・ロッキー山中で発見されたバージェス頁岩の無脊椎動物群。 古生物学においては、恐竜や人類進化の歴史など神秘的で魅力的なテーマがあるが、バージェス頁岩が与えるメッセージは生物進化の歴史の真相に迫るという意味ではそのどれをも凌駕するおもしろさを秘めていると著者は豪語する。 本書で紹介されるのは、古生代カンブリア紀に棲息していた海棲動物群の化石にまつわる物語である。それは現在では信じられないようなデザインをもった生命体の宝庫だった。次から次と現れる奇妙奇天烈な生物を見ているだけでもおもしろいが、本書ではその動物群の秘密を解き明かしながら、一貫したメッセージが主張されている。 それは、「生物の進化は進歩である」という誤解に対するアンチテーゼ。 ダーウィンの進化論がほのめかす内容もそうだけど、私たちはなんとなく、原始生物の発生から、進化とともに生物の多様性は増大し、優れた機能を持つ種に至ると考える。 ところがどっこいだ。 バージェス頁岩の動物群は、種の数こそ少ないものの、種のひとつひとつがもつデザインのかけ離れ具合、本当の意味での多様性(異質性という)は、現在存在する動物群をはるかに凌ぐということが判明してしまった。 これが示唆するのは、カンブリア紀の大爆発以来、とんでもなく多様なデザインをもつ動物が誕生、そして半ばランダムにそれらの種がふるいにかけられ、わずかに生き残った種のデザインをベースに進化が進んだということになる。 著者はこの進化モデルを悲運多数死とよんでいる。 よく考えれば、恐竜の絶滅の主要要因も隕石の衝突だと考えられているが、もしそうだとしたら哺乳類が爬虫類よりも機能的に優れており、だから現在哺乳類が地球を支配したなどという論に必然性はありえない。実際に恐竜は1億5千万年以上覇者として君臨していたのだ。 ひいては、今地球を人間が支配しているという事実に必然性などないわけだ。 進化の歴史について、決定論的な進化はないのではないかという大胆な考え方を提示するおもしろい一冊だった。

Posted byブクログ

2009/10/04

生命の多様性とその面白さについて教えてくれた最初の本です。 テーマの面白さも然ることながら、著者の人柄の魅力に依るところが大きいと思います。 ちなみにこの本を読んでから昆虫類などを毛嫌いすることが無くなりました。 無用の殺生をすることがなくなって結構なことです(笑)。

Posted byブクログ

2009/10/04

バージェス頁岩から発見された奇想天外な化石動物と、そこから展開したグールドの爆発的進化説に関する先駆書。

Posted byブクログ

2009/10/04

NHKスペシャル「生命40億年はるかな旅 第2集 進化の不思議な大爆発」を見て、 それまでカンブリア紀には三葉虫とかウミユリくらいしかいないと 思っていたから、びっくり仰天! ハンドルネームのアノマロカリスはここから付けました

Posted byブクログ

2009/10/04

バージェス頁岩で見つかったカンブリア紀の生物たちを中心に、進化がいかなるものであったかが書いてあります。が、結局著者が言いたいことは、進化は偶然性にゆだねられているとのことだったようですが、その通りの部分もある一方、それだけでは説明がつかない部分もあるように思われます。個人的には...

バージェス頁岩で見つかったカンブリア紀の生物たちを中心に、進化がいかなるものであったかが書いてあります。が、結局著者が言いたいことは、進化は偶然性にゆだねられているとのことだったようですが、その通りの部分もある一方、それだけでは説明がつかない部分もあるように思われます。個人的には、著者の進化観には与できませんが、バージェスの多様な生物達を概観するには、とてもいい本です。しかし長い…。特にウォルコットのくだりは不要。

Posted byブクログ

2009/10/04

ずっと植物分類学の道を目指していた高校生の私に、『古生物学も面白そう!』と思わせた一冊。カンブリアの大爆発に出会ったきっかけ。 生物進化の長い歴史が息もできないほど魅力的であることを丁寧に書き込んだ素敵な本。

Posted byブクログ

2009/10/04

読み終わると表紙の不気味な生き物が たまらなく愛おしく思えるから不思議なものです。 この惑星は神の壮大な実験場なのだという気がしてなりません。 バージェスモンスター関連の本はこれを読んでから読み漁りました。 とかくこの世は驚きと奇跡に満ち溢れています。 落ち込んだと...

読み終わると表紙の不気味な生き物が たまらなく愛おしく思えるから不思議なものです。 この惑星は神の壮大な実験場なのだという気がしてなりません。 バージェスモンスター関連の本はこれを読んでから読み漁りました。 とかくこの世は驚きと奇跡に満ち溢れています。 落ち込んだときに読む本。

Posted byブクログ

2009/10/04

カンブリア紀の生物爆発の化石からわかった生物進化に関する知見についてわかりやすく解説されている。読むのはなかなかヘビーだが非常に面白い。

Posted byブクログ

2009/10/04

グールドの代表作。 この本をはじめて読んだのは小学校の頃バージェス頁岩動物を知り興味を持った時。その頃一般には殆ど知られてなかったし田舎だったしバージェス動物一般書はこれしか無かったし、とにかく散々探しまわって中学になってようやく図書館でこれを見つけ、喜び勇んで借りてきたものの、...

グールドの代表作。 この本をはじめて読んだのは小学校の頃バージェス頁岩動物を知り興味を持った時。その頃一般には殆ど知られてなかったし田舎だったしバージェス動物一般書はこれしか無かったし、とにかく散々探しまわって中学になってようやく図書館でこれを見つけ、喜び勇んで借りてきたものの、初めのうちは「今までの認識のあやまり」みたいなのばっかり・・・。夢見るガキとしては、バージェス動物ってどんなのがいてどんな生き物だったのかなあ?かとかが知りたくてわくわくしてたのに、あんまりにもそれが出てこなくてまじで泣きたくなった記憶がある・・・あとのほうでちゃんと載っていたけど。今では良い思い出。

Posted byブクログ