ねむりねずみ の商品レビュー
突然、ものの名前がわからないという記憶障害に冒された歌舞伎役者・中村銀弥。 悩む夫をいたわりながらも妻の一子は夫と気持ちを通じ合わせることができず、別の男性との逢瀬に通う。 一方、探偵の今泉と役者の瀬川小菊は歌舞伎役者の婚約者の謎の死を追う。 二つの謎が交差する時、美しくも壮絶な...
突然、ものの名前がわからないという記憶障害に冒された歌舞伎役者・中村銀弥。 悩む夫をいたわりながらも妻の一子は夫と気持ちを通じ合わせることができず、別の男性との逢瀬に通う。 一方、探偵の今泉と役者の瀬川小菊は歌舞伎役者の婚約者の謎の死を追う。 二つの謎が交差する時、美しくも壮絶な真相が明らかとなる――。 歌舞伎の世界を題材にしたミステリ。 歌舞伎作品の筋書きや所作の意味については、ストーリーとうまく絡めて丁寧に説明されるのでこの世界に詳しくなくても問題なく読めます。 歌舞伎の死と闇の気配が濃厚に浮かび上がってくるようなあやうい雰囲気に酔いつつ、繊細な登場人物の卓越した心理描写に惑わされました。 芝居という虚構と現実の奇妙な二重写しに目を眩まされましたが、役者の舞台にかける執念や芝居の中でしか生きられない役者の業が凄まじく、心を撃たれました。 トリックは納得できないし、犯人を絞り込んでいく過程での推理の醍醐味が味わえないのでミステリとしては今一つなのですが、不可思議な人間模様を楽しむには絶品のお話でした。
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芸の道に執り憑かれた阿修羅の業の深さ。 この人の歌舞伎ものを読むのは2冊目だけれど、初期の頃に書かれたものとは思えないほど面白い。 歌舞伎の知識はあまりないのだけれど、演劇は好きなので、演じる人の心理描写など興味深い。 事件は意外な方向に落ち着いた…に見えたけれど、ちゃんと最初...
芸の道に執り憑かれた阿修羅の業の深さ。 この人の歌舞伎ものを読むのは2冊目だけれど、初期の頃に書かれたものとは思えないほど面白い。 歌舞伎の知識はあまりないのだけれど、演劇は好きなので、演じる人の心理描写など興味深い。 事件は意外な方向に落ち着いた…に見えたけれど、ちゃんと最初から筋が通っていた。
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梨園の世界のミステリー。 昔からお芝居をいっぱい見れる家庭で育ったので、こういう話はワクワクしました。 小菊がいい味出してるー。 今泉とか一子とか不倫相手の良高とかどうでもいいんだけど、役者さんのキャラが様々でいいねぇ。 もっと役者さんたちの絡みが読みたかったけど。。。 最後...
梨園の世界のミステリー。 昔からお芝居をいっぱい見れる家庭で育ったので、こういう話はワクワクしました。 小菊がいい味出してるー。 今泉とか一子とか不倫相手の良高とかどうでもいいんだけど、役者さんのキャラが様々でいいねぇ。 もっと役者さんたちの絡みが読みたかったけど。。。 最後みんなを集めて真相を話すの読んで、んーなんか冴えなく詰めの甘い見解だなと思ったけど、本当の真相はそうだったんだ。 なるほどー。 銀弥の芝居に対する心は恐ろしいほどだけど、もっと恐ろしく書かれても良かったと思う。。。 イマイチ、すかっと読み切った読後感がない。
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現代の歌舞伎界が舞台のミステリ。研修生あがりの端役をつとめる役者・瀬川小菊と、梨園の御曹子・花形役者の妻とのふたりの語り手により世界が展開する。 「雨」や「時間」などのことばが頭から消えていく症状を訴える花形役者・中村銀弥。彼に何が起こっているのか?そして、2か月前に劇場内で起...
現代の歌舞伎界が舞台のミステリ。研修生あがりの端役をつとめる役者・瀬川小菊と、梨園の御曹子・花形役者の妻とのふたりの語り手により世界が展開する。 「雨」や「時間」などのことばが頭から消えていく症状を訴える花形役者・中村銀弥。彼に何が起こっているのか?そして、2か月前に劇場内で起こったいわゆる「密室」殺人事件の真相は。 探偵事務所をかまえる今泉と、大学時代の同期であるワトソン役・小菊との掛け合いも痛快ななかに、歌舞伎の本質をつらぬく、身を切るような真実が明らかになる。後半、小菊の男前な啖呵が胸をすく。
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歌舞伎を舞台にして殺人事件が起きる話。主人公の小菊が潔くてかっこいい。自分のことをしがない中二階だというけれど,そもそも上だとか下だとか誰が決めたんだってそこに誇りを持っているところや,「役者」ではなく,歌舞伎が好きだからこそ割り切れてないところ,そんなものは見向きもせずに目の前...
歌舞伎を舞台にして殺人事件が起きる話。主人公の小菊が潔くてかっこいい。自分のことをしがない中二階だというけれど,そもそも上だとか下だとか誰が決めたんだってそこに誇りを持っているところや,「役者」ではなく,歌舞伎が好きだからこそ割り切れてないところ,そんなものは見向きもせずに目の前の謎を追究する文吾に戸惑ってる姿がかわいい。(男だけど)こんな女の人になりたいって思うほど,潔くて凛としていて格好よかったー。 ミステリ的には,少々不完全燃焼。トリックはわからなくもないけど,動機の方が強すぎて「ふうん。そうだったのか」と最後に小菊と一緒に納得して終わってしまった。それにしても謎が残ったままのところがあるけれど。歌舞伎の演目や内容がわかってたらある程度予測できたのかな。火曜サスペンスを見てる感覚でした。
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同時進行で進むふたつのストーリーがどうやって絡んでいくのか知りたくて、止まりませんでした。「芸」。美しくも壮絶な世界。
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しがない中二階なれど魅入られた世界から足は洗えず、今日も腰元役を務める瀬川小菊は、成行きで劇場の怪事件を調べる。二ヶ月前、上演中に花形役者の婚約者が謎の死を遂げた。人目を避けることは至難であったにも拘わらず、目撃証言すら満足に得られない。事件の焦点が梨園の住人に絞られるにつれ、歌...
しがない中二階なれど魅入られた世界から足は洗えず、今日も腰元役を務める瀬川小菊は、成行きで劇場の怪事件を調べる。二ヶ月前、上演中に花形役者の婚約者が謎の死を遂げた。人目を避けることは至難であったにも拘わらず、目撃証言すら満足に得られない。事件の焦点が梨園の住人に絞られるにつれ、歌舞伎界の光と闇を知りながら、客観視できない小菊は激情に身を焼かれる。
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2014.9.7お嬢様育ちのまま、父の贔屓役者中村銀之助の息子、銀弥と結婚した一子。幸せに過ごしているかのようにみえる一子には秘密があった。突然、銀弥に日常的な物の名前を忘れてしまうという症状がおこる。症状はどんどん進み等々言葉がでなくなってしまう。並行し、大部屋俳優の小菊は大学...
2014.9.7お嬢様育ちのまま、父の贔屓役者中村銀之助の息子、銀弥と結婚した一子。幸せに過ごしているかのようにみえる一子には秘密があった。突然、銀弥に日常的な物の名前を忘れてしまうという症状がおこる。症状はどんどん進み等々言葉がでなくなってしまう。並行し、大部屋俳優の小菊は大学時代の友人で探偵の今泉文吾が、二ヶ月前に大阪で劇場で起こった殺人事件の真相を追っているのを知る。殺されたのは、銀弥の相方の二枚目役者葉月屋こと小川半四郎の婚約者だった。 近藤さんの、デビュー二作目…ということで、歌舞伎に詳しい近藤さんの薀蓄がそこここに書かれ、興味深い作品でした。一子は不倫しているんですが、真相がわかってからもその不倫相手に愛情をかんじるかなあとちょっと疑問に思いました。
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自転車競技小説は大好きで読んでいたがこれは歌舞伎を舞台にした推理もの。 トリックはありえない話だか、登場人物の個性がピカいちなので許せる。 大部屋女形役者の小菊のセリフがいい。 いっぷくのハコちゃんでイメージ完了(笑)
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このシリーズ好きだけど 難しい! 歌舞伎の表現のところは どうしても読み飛ばしちゃうしw あと、かなしい! でも、すき
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