薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 の商品レビュー
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揺れ動く気持ち。 変わりゆく人々。 陶子は友人のれいこの紹介で知り合い結婚した夫の水沼を深く慕い愛していて、けれど偶然道で出会った慎一と関係を持ちはじめる。。 慎一の妻の綾は、息子の成長を見守りながらも早く二人目がほしいと思っているが、肝心の慎一は家庭に消極的だった。 綾が通う花屋の店員のエミ子は、長年連れ添った夫と別れる決心をする。 エミ子と陶子の友人のれいこの夫のカメラマンの土屋は、モデルの衿と浮気をしていて、れいこの後輩の桜子とも関係を持つ。 陶子の妹の草子は、陶子のかつての恋人の山岸に、長いことひそかに思いを寄せていたが、ついにお見合いで知り合った藤岡との結婚を決める。 れいこの家で行われた草子の結婚記念パーティーで、草子の職場の先輩の麻里江は、そこにいた山岸に恋心を芽生えさせ、 桜子はパーティーにこない土屋に苛立ちれいこに自分達のことを話してしまう。 妊娠した衿に、距離を置く土屋と、離婚を決めたれいこ。 みんながそれぞれ、自分達の道を歩んでいく。 土屋さーん!って感じ。 いっぺんにこんなたくさんの人の心情を一冊のなかにおさめるってすごいな。 読むのに長い時間をついやしたw 楽しかった)^o^(
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様々な夫婦や恋人たちの人間模様を描いた長編。 十数行~長くても数ページで視点が移り変わり、複数の登場人物が引き継きながら一つの物語を作っていく。 十数人の登場人物たちは、それぞれ夫婦だったり愛人だったり片思いをしていたり元恋人同士だったり職場の同僚だったりする。 最初はころころ変わる視点と、どんどん増える登場人物、その人間関係の複雑さにこんがらがってくるものの、50ページくらい読めば大体の関係性がわかってくる。 逆に100ページあたりまで読んでも面白くないなら最後まで楽しめないからそれ以上読まなくていいと思う。 時折大きな波が起きることはあるけれど、基本的に淡々と、穏やかに進む。 緩やかに変わっていく人間関係、考え方を楽しめるかどうか。 夫の色に染まり、それが幸せだと心の底から思っている陶子が主人公的ポジション。 陶子は最後まで一番変わらなかった気がする。 そして一番強かで計算高い人。読んでいて怖くなるくらい。 陶子の妹で、陶子の元彼で妻帯者の獣医に恋をしている草子が一番普通の女の子的存在でいいアクセントになっていた。 草子が懸想している獣医の山岸とその妻道子の関係がまたドロドロ。 陶子の親友で編集者のれいこはよく出てくる割に存在感が薄い。 れいこの夫は居心地のいい関係の愛人がいる上に、れいこの部下の地雷女にも手を出し破滅への一途を辿りインパクトがあるから余計にれいこの妻としての平凡さが目立つ。 一人、他の登場人物からは離れた次元にいる綾の存在がよかったと思う。彼女自身の生き方は決して幸せではないと思うけれど。 たくさんの人が出てくるから一人は心にずっしり残る人が見つかるでしょう。 少し立ち止まって思いをめぐらせて見るとまた違った景色が見えてくるかもしれない。 この物語自体はなんでもない話である。起承転結?え?テーマ?いやこれが江國香織の世界よ、という感じ。
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登場人物が多くて、ノートに書き出しながら読みました。 いろいろな恋愛の形が描かれていて、それぞれの進行が 楽しみで読み進めましたが、スッキリしない終わり方でした。 続きがあったら読みたいです。
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『薔薇』や『びわ』や『レモン』の木の様に、 それぞれ立場も性質も違う9人の女の物語。 登場人物も多いし、場面ごとに視点が コロコロ切り替わって忙しないが、その分飽きない。 読むたびに、個性豊かな女達の違う誰かに共感し 新しい感想が湧いてくる。 すこやかな『陶子』や『衿』が幸せ...
『薔薇』や『びわ』や『レモン』の木の様に、 それぞれ立場も性質も違う9人の女の物語。 登場人物も多いし、場面ごとに視点が コロコロ切り替わって忙しないが、その分飽きない。 読むたびに、個性豊かな女達の違う誰かに共感し 新しい感想が湧いてくる。 すこやかな『陶子』や『衿』が幸せそうな姿をみると、 やっぱり女の最大の武器は『無邪気な明るさ』だよなと思う。 一見、嫌な女風に描かれている『綾』や『桜子』も必死に、 幸福を追いかけるさまは、けな気でいじらしい。 また、食べ物もそれぞれの登場人物を表すのに 効果的に使われていて、どれも美味しそう。 愛され妻の象徴のようなチェリーシブースト。 ホテルの缶スープで作るリゾットの夕食は侘しいのに ワインと深夜のお楽しみの夜食達は自由な味がする。 あたし的江國作品ベスト3。
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さっぱり良さが分からない。 沢山登場人物が出てきて、結婚生活が上手くいかなくて、またお見合いする娘がいたりと色々なパターンの恋愛が描かれているが、そんなに結婚は辛いものなのかね?って感じ。これに共感する人達が多いって事が問題だなってことと、凄く沢山の登場人物の割に共感できる人や...
さっぱり良さが分からない。 沢山登場人物が出てきて、結婚生活が上手くいかなくて、またお見合いする娘がいたりと色々なパターンの恋愛が描かれているが、そんなに結婚は辛いものなのかね?って感じ。これに共感する人達が多いって事が問題だなってことと、凄く沢山の登場人物の割に共感できる人や魅力的な人が出てこないのはどういう訳だろう? 楽しくもないしワクワクもしない。時間潰しだけの本。
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私の江國さんデビュー作で思い入れがあります。 いろんな女性が群像劇ふうに描かれていて読んでいて楽しい。 装丁も好き。
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いろんな女性が登場する。姉妹だったり、友人だったり、先輩後輩だったりとつながりはあるのだけれど……。 こうもまぁ、男のことばっかり考えて生きているわけじゃないと思うのだけれど。 結婚が気になる年齢ならそんなもんだったか? いやー、人それぞれだよな。 あまりにも恋愛に関する話の展開...
いろんな女性が登場する。姉妹だったり、友人だったり、先輩後輩だったりとつながりはあるのだけれど……。 こうもまぁ、男のことばっかり考えて生きているわけじゃないと思うのだけれど。 結婚が気になる年齢ならそんなもんだったか? いやー、人それぞれだよな。 あまりにも恋愛に関する話の展開なのと、それぞれの人物が次々と登場して話が進んでいくので、話の流れが途切れたような感じがして読みにくかった。
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登場人物の誰もが持っている「何か足りない」とおもう心情の加減が絶妙。生々しさから少し突っ込んだ加減。だから感情移入しながらも、でも物語だからと少し離れた目で読める。
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再読。 衿のように大好きなもののことをたくさん口にしたいと思う。そして、陶子のように可愛らしい奥さんになってみたいとも思う。 以前読んだ時とあまり感想が変わっていない気がする。とても好きな本。
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一言で言うと不倫の話。 4組は不倫してる。 人がたくさん出てきて、次々にそれぞれの立場から物語が描かれています。 神様のボートでも出てきた草子という名前がまた出てきます。 こういう名前の響がすきなんだろうなあ。 終わり方が微妙。神様のボートといい、長編になるとしりきれとんぼになるのか?という印象。 でも、いろいろな人の立場から話が書かれているところはとても楽しめるし(読書嫌いの人は誰が誰かわからなくなるとは思う)それぞれの人の関わり合いの描写は面白かったです。
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