薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 の商品レビュー
既婚・未婚入り乱れた男女の群像小説。私は江國香織さんの作品をいくつか読んでいるけどどれも好きで、実力があってはずれのない作家さんというイメージが定着していた。そんな私が初めて「好きじゃないな」と思った江國作品になった。 その理由として、全体に漂うシニカルさだとか曖昧なものは置いて...
既婚・未婚入り乱れた男女の群像小説。私は江國香織さんの作品をいくつか読んでいるけどどれも好きで、実力があってはずれのない作家さんというイメージが定着していた。そんな私が初めて「好きじゃないな」と思った江國作品になった。 その理由として、全体に漂うシニカルさだとか曖昧なものは置いておいて、まず登場人物たちのおしゃれを演出するセンスが寒い。聞く音楽は絶対洋楽。すごい金持ちの設定でもないのに、シビラやミュウミュウのワンピース。村上春樹さんの浴槽で孤独を噛み締めながらワインやウイスキーを飲んじゃうとかの寒さは、もうああいう世界観として定着しているので許容できるが、江國さんは共感できる自然な心情描写や柔らかな雰囲気が魅力だと思っているので、いちいち気になってさめてしまった。全体にちりばめられたわざとらしさの数々に、価値観の古さを感じ、すごく昔に書かれたのかな…それなら仕方がないか…と思って発行日を見ると2000年であった。そんなに昔でもない。 どの登場人物もきれいな書かれ方はしていない(衿だけは例外に思えた)のだけど、個人的に草子やエミ子や綾が共感できて好きだった。陶子の要領のよさ世渡りのうまさというか鈍感力というかは、うらやましくて好きになれなかった。そのぶん印象深くはある。 女性は、自我も趣味もこだわりもない人のほうが幸せになれるのかもしれない。 江國さんは癖のない読みやすい文を書く。最近純文学ばかり読んでいるせいか、時々少し物足りなかったりもする。 とりあえず、今後江國さんを読むときは恋愛色の強くないものを選ぼう。
Posted by
家にあったので再読。 本全体の感想としては、登場人物が多すぎて読みづらかった。江國さんが以前Podcastで、それぞれの人の人生を切り取ったものを書きたい的なことをおっしゃっていましたが、そんな感じの作品でした。江國さんの本は好きですが、これはそんなに好きじゃなかったです。 本...
家にあったので再読。 本全体の感想としては、登場人物が多すぎて読みづらかった。江國さんが以前Podcastで、それぞれの人の人生を切り取ったものを書きたい的なことをおっしゃっていましたが、そんな感じの作品でした。江國さんの本は好きですが、これはそんなに好きじゃなかったです。 本当に世の中の夫婦ってこんなに不倫してるのかな。。こんなに不倫のこと書くなら、そういう場面に遭遇してもぐっと堪えて不倫しない人のことも書いてほしかった。 不倫は文化!って感じでした←
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高校生の時に初めて読んでから、何度も読み返してる一冊。初めて読んだとき、明確なオチというか結論が出てなくてびっくりした。だけど「色々な人々の長い人生のほんの一場面を切り取った」小説だからなんだな、と今ならこの構成に納得。人生にはオチも結論もなく、いろいろな感情が混ざり合ってただただ続いてくんだもんね。 高校生の時から「水沼夫妻みたいにはなりたくない!」って気持ちは変わらない。「私たち幸せでしょ?」って全身でアピールみたいなのが薄ら寒い。水沼も気持ち悪くて無理。でもそういう人っている。あと桜子。女をこじらせちゃったわね。痛すぎる!そして慎一・・・「陶子といる時の自分は本当の自分だ」って、バカでしょ。現実逃避止めて!・・・というか、この本に出てくる男の人ってみんなバカだった気が。マシなのは獣医の先生と草子の彼氏くらいですな。 大人になると「みんな一番愛した人とは別の人といるみたい」という道子の言葉がすごく感慨深い。ただ、一緒にいない人だから「一番好きだった」と思うんじゃないのかと思う。「一番好きな人」と一緒にいたら、きっとまた別の人を「一番好きだった」って思うんじゃないでしょうか。 若いころは、マリエ先輩に憧れてて、彼女みたいになりたいってずっと思ってたな。登場人物はみんな「すこし不幸せ」な感じだけど、マリエ先輩だけは満ち足りている気がする。
Posted by
再読。登場人物に共感するでもなく、とっくに過ぎた年代のストーリーだけど、時々読み返したくなる。 スノッブなエピソードも、イライラしつつけっこう好き。2013/10/18
Posted by
登場人物が多く、中盤になるまで、誰が誰だか、ごっちゃになってしまい読みづらかった。 また、短い間隔で場面展開するので、これも慣れるまでは疲れました。 江國さんの本は好きな物が多いのですが、これは少し苦手かな。 読み終わりもあまりスッキリせず、ただただ疲れた。
Posted by
ぐるぐる同じ場所をまわっていて、出口がまったくない。男はいやらしいし、女は馬鹿で、でもこれこの心情とかたぶんけっこうリアルで、なんだかもう一生結婚なんかできないかもしれない。
Posted by
陶子の図々しい鈍さ、れい子のプライドの高さ、エミ子の不器用さ、衿の真っ直ぐな幼さ、それらがないまぜになって、一人の中にあるんじゃないかな。誰しも。
Posted by
(2000.06.25読了)(2000.06.21拝借) (「BOOK」データベースより) この物語の主人公は9人の女性たち。花屋のオーナー、雑誌編集者、モデル、主婦、アルバイト、会社員。その9人がそれぞれに恋したりされたり、結婚したり離婚したり、浮気したりされたり、妊娠した...
(2000.06.25読了)(2000.06.21拝借) (「BOOK」データベースより) この物語の主人公は9人の女性たち。花屋のオーナー、雑誌編集者、モデル、主婦、アルバイト、会社員。その9人がそれぞれに恋したりされたり、結婚したり離婚したり、浮気したりされたり、妊娠したりしなかったり。それはもう、誰にも止められない物語。頬をなでる春の風のように、そっと始まる新しい何か。日常というフィールドに優しく拡がる研ぎ澄まされた恋愛エネルギー小説。 ☆江國香織さんの本(既読) 「流しのしたの骨」江國香織著、マガジンハウス、1996.07.25 「落下する夕方」江國香織著、角川書店、1996.10.30 「絵本を抱えて部屋のすみへ」江國香織著、白泉社、1997.06.30 「いくつもの週末」江國香織著、世界文化社、1997.10.20 「ぼくの小鳥ちゃん」江國香織著、あかね書房、1997.11.20 「すいかの匂い」江國香織著、新潮社、1998.01.30 「神様のボート」江國香織著、新潮社、1999.07.15 「冷静と情熱のあいだ Rosso」江國香織著、角川書店、1999.09.30
Posted by
相変わらず不倫の話。 花屋のエミ子とキャリアウーマンのれいこ、 専業主婦の陶子。 花屋で花を買いたくなる。
Posted by
この本、一番好きかも。今までの中で。 でも、題名と中身がどうしてもつながらなくて、よくわかりません。 登場人物が多いのが読みづらかったです。 けど、その分いろんな恋愛の形とか、結婚の形とかがあってよかったと思います。 女性は強い。
Posted by