エスキモーに氷を売る の商品レビュー
「エスキモーに氷を売る」というタイトルはあくまでも喩えであって、実際はNBAのニュージャージー・ネッツなどで、社長として経営改革を成し遂げた著者のマーケティング理論についての本。 タイトルに騙されたと思う読者もいたに違いない。しかし、タイトルの付け方からして、本書で主張しているマ...
「エスキモーに氷を売る」というタイトルはあくまでも喩えであって、実際はNBAのニュージャージー・ネッツなどで、社長として経営改革を成し遂げた著者のマーケティング理論についての本。 タイトルに騙されたと思う読者もいたに違いない。しかし、タイトルの付け方からして、本書で主張しているマーケティングの実践例ともいえる。 なにしろ、著者が言ってるのは、大事なのは商品がよいか悪いかではなく、いかに売るかということだからである。 人気も、戦績も、売上もNBA最低だったネッツという球団を、どのようにして経営が成り立つように改革したのかについて書いていて、結構面白いのだが、残念ながら表題に惹かれたほどの内容ではなかった。 著者の処方してきた起死回生の経営手法を、「ジャンプ・アップ・マーケティング」と名付けて、17章建てで解説している。 売り上げをジャンプアップさせるためのちょっとした工夫。それはセグメントの取り方や、顧客情報の活用、商品は同様でも価格の付け方や組み合わせなどで、買わずにはおれないという気にさせることなど。 10年以上前の本なので仕方ないのかもしれないが、どれも別に目新しいものではなかった。 しかし、マーケティングの手法については数章のみで、ほとんどは部内のマネジメントについて書かれており、こちらの方がためになった。 人への関心、顧客重視、現場重視、イノベーションの重要性などの実例は、マネジメント原則実践の成功事例として有益だった。 事業の改革はトップから。社長自らが現場に出て、実態をつぶさにつかみ、顧客の生の声を聞き、何が求められているのか感じ取る。 イノベーションを促進するために、現場に充満する「ダメになっていなければ直すな」の精神を、「ダメになっていなくても、今すぐ改善した方がよい」というものを探す。 失敗してもチャレンジ精神から改革を試みた結果なら、逆に金一封を出し、組織に改革の風土をつくるなど。 こんな改善を経てすこしずつ成功体験をつんでいくと、社員のモチベーション変化し、職場が生き生きとしてくる。そして、そのことが顧客に伝わり、相乗効果を生んでいく。 著者の実績は、ニュージャージー・ネッツにとどまらず、いくつかの球団経営を立て直し、本書を書いた時点では経営コンサルタントとなったらしい。 経営に携わる以前の彼の経歴は分からないが、本書を読むに、マーケティングであれ、マネジメントであれ、経営の原則的なものは変わらないんだということを再確認した。 本書の中では、球団経営者として内部の経営改革が主な内容で、チームの改革については一切なかったのがNBAファンとしては寂しかった。 ここら辺は、彼の息子が、NBAの人気チーム、マイアミ・ヒートの現ヘッド・コーチなので、最高の選手を揃え、未だ優勝していないマイアミの優勝に期待したいと思う。
Posted by
本書のキーワードになっている「ジャンプ・スタート」という言葉には「思い切った手段で活性化させる、活を入れる」といった意味。停滞気味のセールスやマーケティング、さらに商品や会社をジャンプ・スタートさせるにはどうしたらいいのか、というのが本書のテーマであり、著者ジョン・スポールストラ...
本書のキーワードになっている「ジャンプ・スタート」という言葉には「思い切った手段で活性化させる、活を入れる」といった意味。停滞気味のセールスやマーケティング、さらに商品や会社をジャンプ・スタートさせるにはどうしたらいいのか、というのが本書のテーマであり、著者ジョン・スポールストラは自らのマーケティング体験で実証した「ジャンプ・スタート・マーケティング」という実戦的なルールを読者に教えてくれる。 マーケティングの基本はきちんと押さえ。現状を冷静に分析した上で、与えられた条件をいかにうまく利用すれば最大限の効果が得られるかということに知恵を絞る。そのために、著者が重視するのはイノヴェーションであり、これはそれまでのやり方を覆すことで道を切り開いてきた著者の基本姿勢でもある。こうした革新的なマーケティングによって、著者はついに「誰も欲しがらない」商品を売り込むことに成功する。
Posted by
あんまり、覚えていませんが、 既にいる顧客を大事にする事が、 重要と言う点が一番印象に残っています。
Posted by
万年最下位でNBAのお荷物チームであるニュージャージー・ネッツを「ジャンプ・スタート・マーケティング」という手法を用いて、再生した。 (1)自分たちの商品の特性を正しく理解する(競合相手との相対的な比較) (2)自分たちの商品・サービスの最終利用者の情報をきちんと管理し、購入量を...
万年最下位でNBAのお荷物チームであるニュージャージー・ネッツを「ジャンプ・スタート・マーケティング」という手法を用いて、再生した。 (1)自分たちの商品の特性を正しく理解する(競合相手との相対的な比較) (2)自分たちの商品・サービスの最終利用者の情報をきちんと管理し、購入量を増やすようなパッケージ(カンフル策)を提供する⇒顧客が買いたい商品だけを売る、顧客が買いたがるより少しだけ多く売る (3)これまでの習慣にとらわれない大胆であるが、お金のかからない取り組みを実施する (4)日々わずかながらでも改善させてゆく。人は大幅な変化を嫌うので、変化を小分けにして実施する。それによる失敗は問わない(逆にボーナスを支給する) (5)単純な思いつきでもいいので、とにかく実践し変化させる (6)商品自体をイノベーションするには莫大な投資がかかるが、それをどう売りだすかマーケティングに注力すべき (7)実際のユーザーの視点に立てるように、販売・消費の現場に足を向ける (8)ユーザーを絞り込む(自社の商品に興味を持っている層にだけアプローチする)⇒マーケティング投資を効率的に行う(かけたコストと収益の比率を把握する) (9)マーケット・リサーチは、商品・サービスを継続的に利用している層から意見を取る⇒目的は相手を説得するため、商品・サービスの開発のため (10)クライアントからの継続発注を確実にするために、その上役に担当者がどんなにすばらしい仕事をしたかを知らしめる(クライアントをヒーローにする⇒ここでは年次報告書の作成)
Posted by
ジャンプ・スタート・マーケティング。目新しいことは書いていなかったように思うのだけれど、誰も見向きもしないものを売りたい!というその気持ちの芽を摘まないでいてくれるだけで嬉しかった。私がやりたいことはまさにコレなので、参考にしてがんばっていこうと思う。
Posted by
良書。実際のビジネスのコンテクストでは当たり前すぎて見落とされがちな点や、誤った思い込みをしっかりハイライトしている。トライアルvs.コンサンプション、利益率vs.利益額など。 現在の顧客の名前を知る 現在の顧客に1)もっと買ってもらう、2)もっとはやく買ってもらう 少額だが、...
良書。実際のビジネスのコンテクストでは当たり前すぎて見落とされがちな点や、誤った思い込みをしっかりハイライトしている。トライアルvs.コンサンプション、利益率vs.利益額など。 現在の顧客の名前を知る 現在の顧客に1)もっと買ってもらう、2)もっとはやく買ってもらう 少額だが、非常に目につくお金をクレージーなアイデアに使う 失敗したアイデアに報酬を払うことでイノベーションが重要である・起こる風土を作る 自社の商品が、われわれを救うことはない 成功が見込めそうなマーケティングの分野を限定する 成功が見込める限定された分野での戦略を作りだす 商品に対する新規の注文をとる 顧客が買いたがる商品だけを売る 顧客が買いたがるより少しだけ多く売る ROIを知る・ターゲットを定めているか、十分に絞り込んでいるか 自分の仕事の重点を新進のスーパースターに置き、ヤル気が乏しい人たちはほうっておくかクビにする あなたの新進のスーパースターを成功させるようなシステムと手順を作りだす 買わずにいられない商品を作る(利益”率”にこだわることなく、利益”額”を最大化する) 価格を下げる – もともと価値の認められている商品に有効、価格弾力性、売上・利益最大化 価格を高める - 他の価値を借りてくる 値段を下げて、価値を高める 経営が厳しくなったらセールススタッフ(変動費)を増やせ
Posted by
魅力のない商品をどうやって売り込むかを、NBAチームのマネジメントの経験から振り返ってまとめた本。筆者はこれを「ジャンプ・スタート・マーケティング」という言葉で示している。 自社(カテゴリ)の利益構造を捉え、自社のブランドの強みを活用できる市場を見つけ、効果的・効率的にアプロー...
魅力のない商品をどうやって売り込むかを、NBAチームのマネジメントの経験から振り返ってまとめた本。筆者はこれを「ジャンプ・スタート・マーケティング」という言葉で示している。 自社(カテゴリ)の利益構造を捉え、自社のブランドの強みを活用できる市場を見つけ、効果的・効率的にアプローチする。これを、トップダウンで実践することで活路を見出すことを訴えている。 根本にあるのは、常識に捉われずイノベーションをどう起こすかという思想。 ただし、タイトルに対する回答は無し。
Posted by
製品に対するを視点を変えてみることにより、顧客への提供価値が変わる・・・というマーケティングの話。長期収載品を担当しているMR向きかも、とも思ったが、医薬マーケはそんなに単純ではない。笑
Posted by
不可能に思える事を、アイデアとマーケティング力で可能にしていくビジネス指導書。ターゲットとなる顧客の定義を見直す、事業領域を絞る、欲しがるものを売るなど、基本的な手法もアイデア一つで高い効果を上げることができる。事業が厳しいときに励みになります。おすすめ!
Posted by
・自社商品がわれわれを救うことはない。 ・成功が見込めそうなマーケティングの分野を限定する。 ・成功が見込める限定された分野での戦略を創り出す。 ・商品に対する新規の注文を取る。 ・顧客が買いたがる商品だけを売るように努める。 ・顧客が買いたがるより少しだけ多く売るように努めよ。
Posted by