1,800円以上の注文で送料無料

ガラスの麒麟 の商品レビュー

3.7

119件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/06/14

懐かしい小説。 この小説、10年以上前に一度読んだのだけど、病院に通ってた時期で、待合室のソファに座って読んだ記憶がある。 他の小説もたぶん読んでるはずなのに、強烈に覚えてるのはこれだけ、という不思議。 通り魔に殺された17歳の美少女を軸に、彼女を取り囲む人々の人間模様を描いた...

懐かしい小説。 この小説、10年以上前に一度読んだのだけど、病院に通ってた時期で、待合室のソファに座って読んだ記憶がある。 他の小説もたぶん読んでるはずなのに、強烈に覚えてるのはこれだけ、という不思議。 通り魔に殺された17歳の美少女を軸に、彼女を取り囲む人々の人間模様を描いた短編連作。 ミステリだけど、謎解きが主題とは思えない。 危うい少女性、抱えた傷や痛み、自分を傷つけた誰かへの復讐心。 殺された少女の心模様は、少女が書いた「ガラスの麒麟」という童話に表される。 少女性を扱った小説や映画はいくつか見ているけれど、ほぼ全てが危うく、すぐに壊れそうで、そして美しい。 自分が少女だった頃のことを振り返ってみると、自分の悩みや苦しみは特別なものだと思っていたような気がするし、救って欲しいのに何かを拒絶するような部分もあって、とてもちぐはぐだった。 上手く生きる方法なんて今でも分からないけれど、今よりももっと分からずにいた少女時代の苦しみを、読みながら思い出した。 ある意味主役とも言える、養護教諭の神野先生のミステリアスさや独特な哀しい感じが、物語に透明感を与えているように思う。 こんな保健室の先生がいたらきっとファンになって通っちゃうな。笑 病院の待合室のソファから見える景色まで思い出して、切ないような懐かしいような、そんな気分で読み終えた。

Posted byブクログ

2015/03/31

何もかもがガラスでできている透き通った世界。「ガラスの麒麟」という一篇の童話。これを書いたのは美しい女子高生。17歳で殺された・・・。 死に強い憧れを抱いていたように見えた彼女。事件後、周辺の人々におこる事件の謎を解きながら死の真相に近づいていくストーリー。保健室の神野先生が安楽...

何もかもがガラスでできている透き通った世界。「ガラスの麒麟」という一篇の童話。これを書いたのは美しい女子高生。17歳で殺された・・・。 死に強い憧れを抱いていたように見えた彼女。事件後、周辺の人々におこる事件の謎を解きながら死の真相に近づいていくストーリー。保健室の神野先生が安楽椅子探偵となり事件を解決する。怪我の完治した足を未だにかばう神野先生。探偵という役割だけでなくこの人の過去に何があったかにも気になりどんどん先に読み進められました。不安定で壊れやすいけどキラキラと輝くガラスのような心を持っていた時代を懐かしく感じました。

Posted byブクログ

2019/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

美少女・安藤麻衣子の死から事件の謎、少女たちの心情を描く連作短編。 日本推理作家協会賞受賞作。 加納さんの本は「ささらさや」シリーズとか優しい話を読んでたので、犯人の真っ黒な悪意や殺人が出てくるのにちょっと驚いた。けど物語の根底にはやっぱり優しさを感じる。 ラストの犯人像や麻衣子との関係が説明不足だった印象。

Posted byブクログ

2015/02/21

1人の女子高生が殺されたことから始まる、オムニバス、と言っていいのかな?短編連作。 初めて読んだ作家さんだったけど、女子高生、というかそういう不安定な年代の心理描写が絶妙。 ただ、お話としては、時々展開が急過ぎてついていけなくなることがあったのと、神野先生の推測がすごすぎるのとで...

1人の女子高生が殺されたことから始まる、オムニバス、と言っていいのかな?短編連作。 初めて読んだ作家さんだったけど、女子高生、というかそういう不安定な年代の心理描写が絶妙。 ただ、お話としては、時々展開が急過ぎてついていけなくなることがあったのと、神野先生の推測がすごすぎるのとで…微妙かな。 どちらかというと作品内の童話のほうが魅力的で、ぜひ絵本を出して欲しい、なんて思いました。

Posted byブクログ

2014/11/28

安藤麻衣子という少女の死からはじまるオムニバス小説。 彼女は何故殺されたのか、また、大人になる前の多感な少女たちの気持ちや、少女の優しさと傲慢さが細やかに描かれている。 過去の出来事に囚われていた人たちが、そこから歩みだす為に何をするのか、何ができるのか・・・。小さな謎を解いてい...

安藤麻衣子という少女の死からはじまるオムニバス小説。 彼女は何故殺されたのか、また、大人になる前の多感な少女たちの気持ちや、少女の優しさと傲慢さが細やかに描かれている。 過去の出来事に囚われていた人たちが、そこから歩みだす為に何をするのか、何ができるのか・・・。小さな謎を解いていく過程も面白い。

Posted byブクログ

2014/11/28

鴉の仕業といい、あまりにも偶然が重なるのが気になる。男性の描き方がぎこちない。そのせいで女子校を舞台のひとつにしたのか。後味がすっきりしないミステリーであった。読んで損にはならないとは思う。

Posted byブクログ

2014/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どうとらえるかによって評価が変わってくる作品。一般として読んだのならばそれほどの悪印象は無い。 出てくるキャラクターも若い女性の固有の特徴を捉えていて、読んでいて飽きを来させない。 ただ、ミステリーとして読んだ場合は、やはり疑問を生じざるを得ない。 猫が傷つけられていた事件も、そんなこと本当にあるんかいな。としか言いようがない。そこに至った過程もあいまいだし。 そもそも、ナイフなんて砂に揉まれていればすぐに鈍るはず。 とか考えてはいけないんだ。と思いつつも考えてしまうとグルグル回ってしまう。 大体、犯人が……、ねえ。それは微妙だと思うじゃない。登場する人物たちが唐突過ぎるし、何のために存在していたのか不思議じゃない。 などと考えてしまうと、こんな評価になってしまう。最後まで読まさせられてしまったので、思春期の女性を描いた短編集と考えるならばもっと評価が変わってくるとは思うけど。

Posted byブクログ

2014/09/05

2014.9.5ー64 17才の少女の通り魔殺人から始まる連作 ガラスの麒麟 三月の兎 ダックスフントの憂鬱 鏡の国のペンギン 暗闇の鴉 お終いのネメゲトサウルス

Posted byブクログ

2014/08/30

■人の心の闇を描いた作品  今日ご紹介するのは加納朋子さんの「ガラスの麒麟」という一冊。一人の美しい女子高生が、学校帰りに通り魔に刺殺されるところから物語が始まる。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。通り魔に襲われ...

■人の心の闇を描いた作品  今日ご紹介するのは加納朋子さんの「ガラスの麒麟」という一冊。一人の美しい女子高生が、学校帰りに通り魔に刺殺されるところから物語が始まる。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。通り魔に襲われた十七歳の女子高生安藤麻衣子。美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される六つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを温かな視線で描く、感動の連作ミステリ。日本推理作家協会賞受賞作。 【目次】(「BOOK」データベースより) ガラスの麒麟/三月の兎/ダックスフントの憂鬱/鏡の国のペンギン/暗闇の鴉/お終いのネメゲトサウルス  この物語はいくつかの短編が集まって一つの話を作る連作短編という構成となっており、ひとつひとつの短編にはそれぞれ異なる主人公が描かれている。どの短編でも主人公の心の中にある悲しさや、いら立ちや、優しさなどが描かれていて、殺された少女の本当の姿も少しずつあぶりだされてくる。  この物語のカギを握るのが、殺された生徒が通う女子高にある養護室の若い女性教師。悲しい過去の出来事のために精神的な負担で片足が満足に動かない彼女は、不思議な勘の鋭さでひとつひとつの事件を解決していく。  そして、最終話になって今までの出来事がひとつにつながり、思いがけない結末を迎えることになる。「ガラスの麒麟」は何を表しているのかも、最終話になってようやくその内容が明らかになる。  殺人事件という痛ましい出来事が冒頭で起こりながらも、それにまつわる人物の物語を読み進めるうちに、少女たちの心の奥にある暗さや悲しさや、そして純粋さが伝わってくる物語だった。 ■心を疲れを取るサプリメントのような一冊  著者の加納知子さんは「ささらさや」や「七つの子」など、数多くの連作短編を書かれている。そのどれもが読後に心の中に温かいものを育んでくれて、心の中にある日々の澱(おり)を溶かしてくれる。  私はときどき本を読み終わったときに「心に効くサプリメント」という言葉を思い浮かべる。私にとっての読書は、疲れた心と体を解きほぐしてくれる妙薬で、じわじわと効いてくるサプリメントのような効果がある。  いろいろなサプリメント(体と心に効く一冊)があるが、加納朋子さんの書かれる物語は、間違いなく心に清涼感を覚えさせてくれる物語だと思う。  心と体が疲れたなと感じたら、加納朋子さんの書かれた物語を読むのはお勧めだ。

Posted byブクログ

2014/08/10

「キムタクやゴローくん」が女子高生の話題に出ていました。 SMAPの偉大さを、 こんなところでも知る。

Posted byブクログ