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ガラスの麒麟 の商品レビュー

3.7

119件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2022/12/23

「ななつのこ」の作者が書いた日本推理作家協会賞受賞作となれば、否が応でも期待は高まります。 しかし結論から言えば、本当にこの作品が受賞したの?という疑問しかわきませんでした。内容からして少なくとも、日本推理作家協会賞ではない気がするし。六つの物語も連作という武器を効果的に活かした...

「ななつのこ」の作者が書いた日本推理作家協会賞受賞作となれば、否が応でも期待は高まります。 しかし結論から言えば、本当にこの作品が受賞したの?という疑問しかわきませんでした。内容からして少なくとも、日本推理作家協会賞ではない気がするし。六つの物語も連作という武器を効果的に活かしたとも言えず、昔の受賞作は良かった、と思わず年寄りの様に嘆息してしまいました。

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2022/02/17
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通り魔に襲われて、十七歳という若さで亡くなってしまった女子高生の安藤麻衣子。 その安藤麻衣子が通っていた学校や、周辺で起こる謎めいた出来事を物語とした、連作短編集。 女子高生たちの、脆くて儚くて危なっかしいような感情を、繊細に表現しているそんな内容となっています。 中高生の頃って、保健室って、特別な空間だったりしますよね。 学校の中にあるんだけど、教室ではないし、保健の先生も、教師とはちょっと違うし。 で、窮屈な空間から開放される、特別な場所。みたいな。 だから、保健室の先生にはつい悩みを打ち明けたり、プライベートな話をしてしまう。っていう感覚、なんとなく分かるなー。 この中で一番好きなのは「ダックスフントの憂鬱」 物語全体を通しての、静かーで、暗ーい雰囲気から一転して、なんだか微笑ましい内容に心がほっこりしました。

Posted byブクログ

2021/09/25
  • ネタバレ

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新刊の棚でこの本の新装版を見掛けたが、私が買ったのは中古本屋で昔の版。2000年6月15日第1刷発行だわ。相変わらず作者のお財布には全く役に立ててなくて恐縮だ。 女子高生・安藤麻衣子が通り魔に殺害された事件を発端とする連作短編集。登場人物はあれこれ変わるが、高校の養護教諭・神野菜生子を探偵役にして話は進む。 「ガラスの麒麟」 直子の奇矯な行動の謎が知れたと思ったところでもうひと捻りあり。 「三月の兎」&「ダックスフントの憂鬱」 謎解きは意外と単純。いずれもやるせなさや悪意に満ちた話でありながら、最後にほろっとさせられたり微笑ましくなったり。 「鏡の国のペンギン」 作中のセリフに『よくもまあ、トイレの落書き一つからそんなことを思いつきますね』とあるようにやや強引な推理だが、合わせ鏡のペンギンの話に何となく納得。後で思えば神野先生の心情も映されていたことが分かる。 「暗闇の鴉」 出せる筈もない手紙を巡るトリックだが、これを通じて麻衣子の性格の一端が覗ける仕掛け。 連作とは言え一つひとつの話に味があって単品としてきちんと完結した話になっており、またそれぞれにこの年頃の女性が通り過ぎなければならない過程と痛みのようなものが表現されていて、話が進むに連れ美人で人気者だった麻衣子の心の襞が浮かび上がって来る巧みな作りが楽しめる。 そんな話に最後の書き下ろしが加わることで大きなひとつの話になるのだけれど、ここまでに明らかになった麻衣子の繊細さ、率直さ、気まぐれ、突っ張り、甘えなどを綯い交ぜにしてうまく組み立て決着がつけられたようには思うが、直感的にまとめられた感も否めず、犯人の動機や行動については凄く引っ掛かりを残したのだった。

Posted byブクログ

2021/08/28

連作短編集。美しく賢く才能豊かな女子高生が通り魔に殺される。生前の彼女が書いた童話、透明なガラスのきりん。何考えているかわからない宇宙人、だけど傷つきやすい少女たち、包み込む保健室の先生。 すこしづつ入れ替わる登場人物、毎回ちょっとした謎が解けて、最後に全体がつながる。必然だっ...

連作短編集。美しく賢く才能豊かな女子高生が通り魔に殺される。生前の彼女が書いた童話、透明なガラスのきりん。何考えているかわからない宇宙人、だけど傷つきやすい少女たち、包み込む保健室の先生。 すこしづつ入れ替わる登場人物、毎回ちょっとした謎が解けて、最後に全体がつながる。必然だったのかもしれないけれど、あまりに惜しい死。

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2021/08/15

ガラスとか危うさとか、あの年代ならではの感覚とか、とてもよく描かれている。神野先生を中心としたオムニバス形式、ミステリーとしてもうまい。

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2021/01/23
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お勧め度:☆6個(満点10個)日本推理作家協会賞とはあるが、ミステリーとして読むにはちょっと難がある作品。最初の章「ガラスの麒麟」で女子高生が殺されるという通り魔殺人事件が起こるが、その物語が起因となり連作短編が綴られている。探偵役の保健室の神野先生と、殺された「安藤麻衣子」、同級生の「野間直子」が微妙に絡み合い最終章で真相があかされるという展開。女子高生の心の闇を覗かせてくれる、ミステリとメルヘンの融合した小説とでも言うのかもしれない。ちょっと私には感覚的に理解しがたいものだったけど・・・面白く読めた。

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2020/08/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019/9/4 Amazonより講談社文庫フェア【300円均一】にてDL購入。 2020/8/19〜8/21 冊子体を購入済であったが、行方不明であったので、kindle版がセールであった機会に購入(発見し読んだのは冊子体。恐らく20年物の積読本)。日本推理作家協会賞受賞作。 2年ぶりの加納作品。 不安定な女子高生たちを描く連作短編集。養護教諭である神野菜生子が安楽椅子探偵的にサブを勤めていると思いきや、最後には主役に。連作短編集の見本ともいうべき作品。なんで20年も寝かせていたのかなぁ。

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2020/04/09

通り魔に殺された女子高生。 そこから続いていく連鎖。 ミステリではあるけど、ミステリ感よりも緻密に描写された人間の精神や思考の方が目立つ。特に、側からみればなんでも面白い/楽しいことがいっぱいな女子高生や若い女性の心情。多感で繊細な面も(男の俺にはわからないかもしれないが)、自己...

通り魔に殺された女子高生。 そこから続いていく連鎖。 ミステリではあるけど、ミステリ感よりも緻密に描写された人間の精神や思考の方が目立つ。特に、側からみればなんでも面白い/楽しいことがいっぱいな女子高生や若い女性の心情。多感で繊細な面も(男の俺にはわからないかもしれないが)、自己肯定という面に関しても、美しい描写がされている。 人が殺され犯人がいて、という内容ではあるが、どこか温かい作品。 細いけど、しなやかで強かな絹の糸が様々な方向に枝分かれしているようなイメージ。

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2019/08/13

ひとりの綺麗な女の子が殺された事件が中心で、さまざまな登場人物の物語とその事件または少女がどこかで繋がっている短編集。ミステリー要素は少ないが日常に溶け込んだ人との繋がりをリアルに感じられる。

Posted byブクログ

2018/12/20

読んでいくとはっとしたり、えっと思ったり、意外な展開に驚く。 ガラスの麒麟という題がぴったりの繊細な物語でした。

Posted byブクログ