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堕落論 の商品レビュー

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159件のお客様レビュー

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 無頼派と呼ばれる坂…

 無頼派と呼ばれる坂口安吾の代表作「堕落論」を含む短編集。「日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって始めて人間が誕生したのだ」と安吾は説く。生き方として「堕落せよ」と言う、しかし最後には「懸命に生きろ」というメッセージが浮かび上がる。意外に読みやすい。

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堕落することがいかに…

堕落することがいかに素晴らしいか。男は読め!!

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堕落することの素晴ら…

堕落することの素晴らしさを教えられます!さぁみんな堕落しよう。この本を読もう!

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はっきりモノをいう安…

はっきりモノをいう安吾節が心地いい。さすが無頼派。

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偽善的な道徳は体制に…

偽善的な道徳は体制に都合が良いだけ。我欲を肯定し、堕落しよう。

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2024/02/25

正直自分のいいまでの知識と、著者の知識の前提が違いすぎて面を食らったが、色々な視点を知ることができた。 ちょこちょこ調べながら読むことで、全く知らなかった世界を知ることができた。 いけないことにつながったからといって、その行動を禁止するのではなく、いけないことにつながらない工夫を...

正直自分のいいまでの知識と、著者の知識の前提が違いすぎて面を食らったが、色々な視点を知ることができた。 ちょこちょこ調べながら読むことで、全く知らなかった世界を知ることができた。 いけないことにつながったからといって、その行動を禁止するのではなく、いけないことにつながらない工夫をして建て直すことが大事

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2023/11/23

坂口安吾の歴史家をボロクソに言う当たりめっちゃ好き。あと太宰治の女は微妙だった、だから死んだとか容赦ない毒舌と分析に目からウロコだったし、わらった。戦争はどんなことがあっても良くない。でも繰り返す。その愚かさを人間は生き、人間は堕ちると表現するその語彙にいやはや恐れ入ったとなった...

坂口安吾の歴史家をボロクソに言う当たりめっちゃ好き。あと太宰治の女は微妙だった、だから死んだとか容赦ない毒舌と分析に目からウロコだったし、わらった。戦争はどんなことがあっても良くない。でも繰り返す。その愚かさを人間は生き、人間は堕ちると表現するその語彙にいやはや恐れ入ったとなった。読んでいて胸が熱くなるのは戦後間もなく書かれたその熱量がそのまま伝わるからかな。でもよくこれ発行出来たと言うほど政治と天皇制を批判しててスカッとした。今の時代にも坂口安吾が必要だよ。

Posted byブクログ

2023/04/22

 堕落論について卒業論文を書いた。  戦前、戦時中の日本にとっての天皇制や武士道の精神は日本の体裁上必要なものであり、それらを高貴なものとしてその姿勢を守り続けていくことで支配のバランスを保っていたともいえる。ある意味日本で大事にされてきた決まり事を守って、自分たちはしっかりやれ...

 堕落論について卒業論文を書いた。  戦前、戦時中の日本にとっての天皇制や武士道の精神は日本の体裁上必要なものであり、それらを高貴なものとしてその姿勢を守り続けていくことで支配のバランスを保っていたともいえる。ある意味日本で大事にされてきた決まり事を守って、自分たちはしっかりやれている。と、既存の物に頼りきりで堕落するのではなく、そのバランスを崩し「自分自身の武士道、自分自身の天皇をあみだすために」は、自分自身を再発見する必要がある。  戦後の混乱している社会の中に身を置いて自分自身を見つめ直すこと。それこそが安吾の唱える「堕落」なのだと考えた。

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2023/04/08

-あの偉大な破壊の下では、運命はあったが、堕落はなかった。無心であったが、充満していた。 -人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。 否定する。幻想を夢みる。それは現実逃避ではなく、そうして自分という1人の人間の、いまこの生活を見つめるた...

-あの偉大な破壊の下では、運命はあったが、堕落はなかった。無心であったが、充満していた。 -人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。 否定する。幻想を夢みる。それは現実逃避ではなく、そうして自分という1人の人間の、いまこの生活を見つめるための文学的な生き方

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2023/03/25

生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか(堕落論・p.84) だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう(p.85) 堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない(p.86) 堕落自体は悪いことにきまって...

生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか(堕落論・p.84) だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう(p.85) 堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない(p.86) 堕落自体は悪いことにきまっているが、モトデをかけずにホンモノをつかみだすことはできない。表面の綺麗ごとで真実の代償を求めることは無理であり、(・・・)先ず地獄の門をくぐって天国へよじ登らねばならない(続堕落論・p.96-97) 文学は常に制度への、又、政治への反逆であり、人間の制度に対する復讐であり、しかして、その反逆と復讐によって政治に協力しているのだ。反逆自体が協力なのだ。愛情なのだ。これは文学の宿命であり、文学と政治との絶対不変の関係なのである。(p.100) --感想-- 建前や欺瞞を捨て、真の人間性に孤独に向き合うことから、人間性や社会の真理が開ける。またそうしないのであれば大戦を導いた日本的風潮の繰り返しに過ぎず、また同じことを繰り返すだろう。というような、人間はどのようなものであるかを問い、また特に日本人はどういうものであるかを問い、その上で規範や憧憬は欺瞞と政治的大義に満ちたものであるからそこから道を外し、一見堕落に見える本性へと立ち戻ることから最出発しようという、励みに満ちた現代評論。 人間は強いし、底力は底知れない、堕落に見えても心配せず堕ちてみよう。その先にこそ真に人間の力強さなるものがある。っていう感じの激励に聞こえる。 戦後直後の1946年の社会に向けて書かれたものであるが、当時を振り返る現代の我々に新しい角度からの視野を与えてくれる優れた評論だと思う。どこか響くのは、何か真理の言葉を含んでいるのだろう。

Posted byブクログ