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堕落論 の商品レビュー

4

159件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    68

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    3

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2022/01/21

引用された形で何度か読んだ坂口安吾「堕落論」。そこかしこに馴染みがあり、懐かしい文体を読んでいる間ずっと同世代だった父のことが頭から離れなかった。戦時中のことをほとんど話さなかった父だけれど、折に触れて聞かされたのは「人間は失敗するが同じ失敗をするのは馬鹿だ」と「戦争をするのは馬...

引用された形で何度か読んだ坂口安吾「堕落論」。そこかしこに馴染みがあり、懐かしい文体を読んでいる間ずっと同世代だった父のことが頭から離れなかった。戦時中のことをほとんど話さなかった父だけれど、折に触れて聞かされたのは「人間は失敗するが同じ失敗をするのは馬鹿だ」と「戦争をするのは馬鹿だ」という事。 コロナや気候変動で世界全体が不安定な今こそ 私達ひとりひとりはいかに生きるべきか。改めて安吾(と父)に諭された。 八蔵読書会課題本

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2021/07/04

リアリズム。面白い。 初めて読んだ時は衝撃だった。堕ちることを人間の本質だと受容する。堕ちるという言葉すら不釣り合いなほど、それで普通だと言われている気にもなる。そういうもんだよ、と。自分もこれでいいと思いたい時に読みたくなる。

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2021/02/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦争があった時代、死との境界にいる方が人間は美しかったということにビックリした。私は戦争を当たり前に知らないし、知りたくもないけれど、やっぱり現代はこの堕落論の言う通りになってるんだろうな。

Posted byブクログ

2021/02/14

明朗に時々の世論や時勢を斬るのがなんとも痛快。 すごく前向きである。このご時世でも堕落の意識は必要なのでは。 どうでもいいが、ちょうど中上健次『岬』も同時期に読んでいたので、岬の主人公に堕落論を勧めてたいと思う次第である。

Posted byブクログ

2020/09/22

堕落とは、怠惰に非! 何らかのシステムに帰属して安堵しがちな人間こそ、社会通念に叩かれながらも追い求める道をいけと言われた気がした。 近代文学に明るいとは言えない私の中でも、 この本は別格。

Posted byブクログ

2020/07/26

最後の方は歴史に疎い私にとって読みにくく、内容は全然頭に入っていないのですが、前半の評論は楽しませていただきました。『日本文化私観』は一部を高校の時に読みましたが、こうやって全体を読むとまた新しく学ぶことがあって良いですね。戦争という大きな局面を乗り越えながら、時代の移り変わりを...

最後の方は歴史に疎い私にとって読みにくく、内容は全然頭に入っていないのですが、前半の評論は楽しませていただきました。『日本文化私観』は一部を高校の時に読みましたが、こうやって全体を読むとまた新しく学ぶことがあって良いですね。戦争という大きな局面を乗り越えながら、時代の移り変わりを冷静に捉えた評論が多くとても感心しました。彼の世界観が如実に表れた評論集だと思います。

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2020/05/31

安吾先生、難しすぎます。 「飛騨・高山の抹殺」、「道鏡童子」は意味が分からな過ぎて読む気が起こらなかった。 おもしろいなと思ったのは次の部分。 「芸道というものは、その道に殉ずるバカにならないと、大成しないものである」 「平家物語なんてものが第一級の文学だなんて、バカ...

安吾先生、難しすぎます。 「飛騨・高山の抹殺」、「道鏡童子」は意味が分からな過ぎて読む気が起こらなかった。 おもしろいなと思ったのは次の部分。 「芸道というものは、その道に殉ずるバカにならないと、大成しないものである」 「平家物語なんてものが第一級の文学だなんて、バカも休み休み言いたまえ。あんなものに心の動かぬ我々が罰が当たっているのだとは阿呆らしい」 そんなこと言っちゃっていいのでしょうか。 坂口安吾大先生がおっしゃるのだから、まあいいのだろう。

Posted byブクログ

2020/03/28

「人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ」 政治、歴史、宗教、戦争、人格者… 文学の極北から人間の真相を暴き、行動を分解する。 安吾の立つ座標は限り無く寒い。それが俺の人生だ。精一杯生きる感動だ。 薄っぺらな批評など、そ知らぬ孤高。

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2021/06/26

「堕落論」 人は生まれながらにして弱いので、まずはその弱さを自覚する所から始めなければいけない。そこからどう対策を練るのかが大事だ、と坂口安吾氏は主張しているように感じた。自分も含めて多くの人は法律やモラルに囚われ、何故その法律やモラルが存在するのか、と言う本質的な問いについて考...

「堕落論」 人は生まれながらにして弱いので、まずはその弱さを自覚する所から始めなければいけない。そこからどう対策を練るのかが大事だ、と坂口安吾氏は主張しているように感じた。自分も含めて多くの人は法律やモラルに囚われ、何故その法律やモラルが存在するのか、と言う本質的な問いについて考える余裕もなく大人になってしまう気がする。例えば”喧嘩”などがあると思うが、それ自体は”堕落”でそれが人間本来の姿。そこに足を踏み入れて初めて自分の本質的な欲求や弱さを知る。そこからより良い道に帰るにはどうしたら良いのかを考える事が大事だと。まさにその通りだと思うし、大人になり世の中の”常識”に縛られてしまう前に幼い子供たちはたくさん悪い事をしてその時にどんな気持ちになるのかを純粋な心で感じる事が大事だと思う。

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2019/10/02

堕落論だけ無料の電子書籍で読んだことがありますが、紙で欲しかったのと、ほかの評論も読んでみたかったので手に取りました。 同じことを何度も言うからか話がややこしく感じ、読むのに時間はかかりましたが、坂口安吾の考え方自体はとても面白いので好きです。 この中ではとくに「戦争論」が興味...

堕落論だけ無料の電子書籍で読んだことがありますが、紙で欲しかったのと、ほかの評論も読んでみたかったので手に取りました。 同じことを何度も言うからか話がややこしく感じ、読むのに時間はかかりましたが、坂口安吾の考え方自体はとても面白いので好きです。 この中ではとくに「戦争論」が興味深かったです。 結論については賛同しかねますが…戦争がもたらした恩恵を考えることと戦争を推し進めることとはイコールではないという考えは、とても腑に落ちました。 何にでもあてはまることですし、感覚で考えていることを言語化してくれるので、やっぱり安吾は面白いなと感じます。 考えさせない、考えられない方が政府からしたら操りやすいから、禁止や邪魔をして、そう仕向ける。 だからこそ反発が生じて、人々は自由を求める。 でも、その自由には責任が伴う。 自由を守るためには、一見非道徳的と思われる表現をするのためには、それ相応に自分やその表現のジャンルを律しなければいけない。 自由だけを訴えてもダメ。それに伴う責任を果たしてこそ、真に自由を手に入れることができる。 肝に銘じておくと同時に、幅広い人たちに知ってほしい真理だなぁとも思いました。

Posted byブクログ