奇跡の人 の商品レビュー
図書館で借りた本。交通事故で意識不明の脳死間際の状態で8年を寝たきりで過ごした相馬克己。母は懸命に付き添いながら克己が目覚めるのを待ち続け、看病日記を書き続けていた。克己はやがて目覚め、病院の人達から奇跡の人と呼ばれる。 だが克己は記憶を失っていた。リハビリ中に母は、すい臓がんで...
図書館で借りた本。交通事故で意識不明の脳死間際の状態で8年を寝たきりで過ごした相馬克己。母は懸命に付き添いながら克己が目覚めるのを待ち続け、看病日記を書き続けていた。克己はやがて目覚め、病院の人達から奇跡の人と呼ばれる。 だが克己は記憶を失っていた。リハビリ中に母は、すい臓がんで亡くなるが、克己が1人で生きていけるように準備もしていた。克己はやがて過去の自分を知りたくなり、自分の追跡を始めるのだが…という話だが、やっぱり知らなくて正解の過去だった訳で、後半はアホやなぁと胸糞悪くなる展開に。悪童で暴力的だった克己やその友人達。母が過去を消そうとした理由はよく分かる。
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31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながら命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれている。しかし彼は事故以前の記憶を全く失っていた。8年間のリハビリ生活を終えて退院し、亡き母の残した家にひとり帰った克己は、消えた過去を探す旅へと出る。そこで待ち受けて...
31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながら命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれている。しかし彼は事故以前の記憶を全く失っていた。8年間のリハビリ生活を終えて退院し、亡き母の残した家にひとり帰った克己は、消えた過去を探す旅へと出る。そこで待ち受けていたのは残酷な事実だったのだが……。
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真保さんの作品は初めて読むはずなのになぜか既視感があり、いつの作品なのか確認したら1997年。 かつて、山崎まさよし主演でドラマ化していたものだとわかり、繋がった。 多くの方が感想に書いている通り、物語後半の展開が残念だった。記憶を辿りたい孤独な主人公の想いに共感していたはずが、だんだんと「おいおい」という感情に変わっていってしまった。 結末もイマイチで、読後感も良くない。 ただし、20年越しに聴いてみたドラマ『奇跡の人』の主題歌『僕はここにいる』はやけに響いた。 この作品のためにつくられた曲だったのかな。歌詞が沁みる。
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医学、犯罪などもっとミステリーのトリックがあると思ったが、静かな淡々とした自分探しでイマイチだった。途中でギリシャ神話のオイディプス王を想像した。
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180704*読了 うーん。わたしはあまり好きになれない作品。 真保裕一さんなら、デパートへ行こうやアマルフィの方が好きです。 事故で意識不明の重体から奇跡的に助かって、普通に生活できるまでになった奇跡の人。でも、過去の記憶がない。 自分がそうだとしても絶対に過去のことは気になるだろう。 そして、東京に行き、真実を知る…。 事故以前の彼は驚く程に暴力的で感情的。それがどんどん現れてきてしまって、やっぱり自分は生まれ変わっていない、以前の自分が心にいると気づく。 彼の元カノはたとえ罪の意識があるとはいえ、今は家庭もあるんだし、もともと暴力的な人だったんだからこんな風に、彼を愛せるの?と疑問に思いました。母のように愛すって…。 自分には無理!!
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前半は面白いのですけどね。後半は。。。 どうも、この手の人物像は嫌いでして、一寸というか相当ペースダウンしてしまいました。ただし、これはあくまで個人的に好き嫌いの問題ですので、他の人がどう感じるかは別です。 素直に感想を書くとネタバレになってしまうので書きにくいのですが、もう...
前半は面白いのですけどね。後半は。。。 どうも、この手の人物像は嫌いでして、一寸というか相当ペースダウンしてしまいました。ただし、これはあくまで個人的に好き嫌いの問題ですので、他の人がどう感じるかは別です。 素直に感想を書くとネタバレになってしまうので書きにくいのですが、もう少し救いのあるエンディングにならなかったものかと思います。そういう終わり方も出来ると思うのですが。。。
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テレビドラマの「山崎まさよし」の印象が強烈に残ってしまっているが、元になった本作品は展開も背景もだいぶ異なるようだ。丁寧な 描写にもかかわらず展開が大きく広がっており、最終的な結論に愕然としてしまうのだ。このスケール感と採り上げられるネタが真保裕一の魅力となっていると思う。
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真保裕一さんを好きになったきっかけの一冊。 記憶を失くした青年は「今」だけを生きていた。 しかし、記憶を失った背景には驚くべき真実が隠されていた! 入院中に友人がお見舞いに持ってきてくれた本の中に本作がありました。 読み出したら止まらなくて。一気に読んでしまいました。 隣のベッド...
真保裕一さんを好きになったきっかけの一冊。 記憶を失くした青年は「今」だけを生きていた。 しかし、記憶を失った背景には驚くべき真実が隠されていた! 入院中に友人がお見舞いに持ってきてくれた本の中に本作がありました。 読み出したら止まらなくて。一気に読んでしまいました。 隣のベッドのおばちゃんにも貸してあげたけど、同じように「一気に読んでしまった!」と興奮気味に語っていました。 徹夜覚悟で是非読んでみてください!
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事故で記憶を失った克己は31歳になる。 もう8年も病院での生活を送り、母も亡くなった。 1人になり考えるのは、記憶のない昔の自分だった。 考えると昔の自分を知りたい衝動を押さえることは出来なかった。 ただ、思っていた以上に過去の自分を知る旅は辛く、哀しいものになった。 亡くなった...
事故で記憶を失った克己は31歳になる。 もう8年も病院での生活を送り、母も亡くなった。 1人になり考えるのは、記憶のない昔の自分だった。 考えると昔の自分を知りたい衝動を押さえることは出来なかった。 ただ、思っていた以上に過去の自分を知る旅は辛く、哀しいものになった。 亡くなった母の気持ち、昔の友人たち。 病院では奇跡の人と呼ばれた克己の気持ちを思えば、理解できる旅でもあった。 しかし、それを望まなかった人の気持ちもまた理解できる。 2017.4.27
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「奇跡の人」である主人公・克己にまったく同調することが出来なかった。 どんなに記憶をなくしても、人間としての本質は変わらないということなのだろうか。 失われた過去を知りたいという気持ちは理解できる。 自分がどんな人間だったのか。 自分はどんな生き方をしてきたのか。 わからないまま...
「奇跡の人」である主人公・克己にまったく同調することが出来なかった。 どんなに記憶をなくしても、人間としての本質は変わらないということなのだろうか。 失われた過去を知りたいという気持ちは理解できる。 自分がどんな人間だったのか。 自分はどんな生き方をしてきたのか。 わからないままでは落ち着かないだろうし、やはり知りたいという気持ちは誰にでも起きることだろう。 けれど過去を掘り起こし、過去の事実を知った後の克己にはひたすら嫌悪感しかない。 過去にあった出来事を知ることはできる。 でも、どんなに頑張ったとしても時間を遡ることはできないのだ。 他の人たちが過ごしてきた時間をなかったことになんてできない。 感情的で自己制御がまったくきかずに暴走する克己。 執着心だけは誰よりも強く、そして彼に見えているのは自分だけだ。 聡子を大切に思う気持ちなんて感じられない。 聡子の幸せなんてどうでもいいのだろう。 克己の欲求は馬鹿らしいほどに単純だ。 聡子をそばに置きたいからつきまとう。 自分が聡子を必要としているのだから、もしかしたら悪いことなのかもしれないし許されないことなのかもしれないけれど、聡子につきまとう。 だってどうしてもその思いを抑えることは出来ないから…。 中盤までの自立しようと頑張っている克己。 徐々に世間にも慣れ、前向きに頑張っていこうとしていた克己。 そのまま未来を見つめ歩いていく克己でいてほしかった。 人間の弱さをこれでもかと見せつけてくるような、後味の悪さが残った物語だった。
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