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翻訳夜話 の商品レビュー

3.9

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2012/10/31

英語的センスが皆無で語学も興味がなくて、英語の文章もちょこっとくらいしか読んだことのないわたしには、翻訳の世界は奥深すぎる。村上春樹や柴田元幸の言っていることの意味はわかるのだけれど、感覚的には理解できない。でもそれが悔しいかといわれるとそんなこともない。これから海外の翻訳小説に...

英語的センスが皆無で語学も興味がなくて、英語の文章もちょこっとくらいしか読んだことのないわたしには、翻訳の世界は奥深すぎる。村上春樹や柴田元幸の言っていることの意味はわかるのだけれど、感覚的には理解できない。でもそれが悔しいかといわれるとそんなこともない。これから海外の翻訳小説に対する見方がちょっと変わりそう。 ちなみに、春樹さんと柴田さんが、カーヴァーとオースターの作品を訳したものがくっついてましたが、わたしは両方とも春樹さんのが読みやすいというか、先に進みたいなあとおもった。柴田さんの文章は構成元素がわたしと違う感じ。たぶん、触れた文章の量のちがいからきている気がするけど。それにしても、カーヴァーは相変わらずいまいちピンとこない感じ。

Posted byブクログ

2012/10/01

岸本佐知子さんの発言で、訳文の日本語を磨くための努力についての質問のなかで、 「たとえば、翻訳をやっていて何となくいつもイメージするのは、水瓶みたいなものがあって、その中に水が入ってて、それを外から棒切れでコーンと叩くと中で響くという、それが翻訳だというイメージがあって(笑)」 ...

岸本佐知子さんの発言で、訳文の日本語を磨くための努力についての質問のなかで、 「たとえば、翻訳をやっていて何となくいつもイメージするのは、水瓶みたいなものがあって、その中に水が入ってて、それを外から棒切れでコーンと叩くと中で響くという、それが翻訳だというイメージがあって(笑)」 という表現があり、とても印象的だった。ここでいう水は自分の持つことばや経験からくる感性をひっくるめたものに思う。この水を張っておく重要さに触れてらして強く頷いた。 正直翻訳のなかでも文芸出版翻訳で、学者と有名な作家のお二人による翻訳論が散りばめられているので、実際的に参考になるとは言いがたい。 けれどもハイライトである、「海彦山彦」の交換訳が原文付きで読めるセクションがとても面白かった。 個人的には柴田先生の力技でなく本当にきめ細やかな配慮のうえに成り立つ実直な訳文、プラス思い入れによるキャラクター描写のアクティブさが際立っており、それに改めて感動した。 今後の外文の読み方が変わりそうだなと思う。

Posted byブクログ

2012/09/18

 5年前くらいに買った本を再々読。そのときの翻訳学習の進捗状況によって、印象も、びびっとくる箇所も、ふむふむと唸る箇所も、首を傾げる箇所も、その都度変わっていくのが興味深い。  3回目とか言いながら、本書の(おそらく)最大の魅力である「競訳」部分を、一文一文原文に照らし合わせな...

 5年前くらいに買った本を再々読。そのときの翻訳学習の進捗状況によって、印象も、びびっとくる箇所も、ふむふむと唸る箇所も、首を傾げる箇所も、その都度変わっていくのが興味深い。  3回目とか言いながら、本書の(おそらく)最大の魅力である「競訳」部分を、一文一文原文に照らし合わせながらちゃんと読んだのは、実は初めて(笑)。  オースターはやはり、柴田訳のほうが断然好き。特にオーギー・レンの独白部分以降は、村上氏の言う「前のめり」感が抜群にキレまくっていて、他を寄せ付けない風格が漂っている。  一方、カーヴァー。率直に言って、これまでわたしは、村上氏の翻訳は英文が透けて見えるようであんまり好きじゃなかったのだけど、実はどうして、そういうことではなかったのだということが原文と照らし合わせてみて、初めて分かった。村上氏の日本語が、そもそも英語っぽかったのね(このあたりは対談中にも詳しく書かれている)。  でもやっぱり、村上ファンには申し訳ないけど、翻訳をしてるのは自分の創作活動のバランスを保つため、訳語選択で苦労したことなどない、と言い切られると、うんうん唸りながら一語の選択に頭を抱えるわたしレベルにとっては、羨ましいというより腹立たしい(苦笑)。  740円でこれだけの内容が詰まった本は大変にありがたい。何度も読み返したい本。

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2012/08/27

小説家の村上春樹氏が、大学教授の柴田元幸氏と翻訳のあれこれについて対談。「直訳がいいか」「意訳がいいか」など、語学や文学に造詣の深い二人の話はおもしろい! 

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2012/07/12

村上春樹さんと柴田元幸さんといえば ぼくにとっての翻訳2大スター。 しかもなんと、そのお二方が 対談した本があるということで、 迷わず即購入。 しかも、普段村上さんが 専門で訳しているカーヴァーと 柴田さんが専門で訳している オースターを交換して訳し合うという、 ファンヨダレ...

村上春樹さんと柴田元幸さんといえば ぼくにとっての翻訳2大スター。 しかもなんと、そのお二方が 対談した本があるということで、 迷わず即購入。 しかも、普段村上さんが 専門で訳しているカーヴァーと 柴田さんが専門で訳している オースターを交換して訳し合うという、 ファンヨダレもののスーパー特定付き。 たまらんですな〜 もうでウキウキウォッチングで 楽しく読ませて頂きました。 それにしても翻訳はほんと 面白いですね。 すこしの言葉の違いで 原文を活かしたり殺したり。 翻訳って単に テキストの言語を変換する だけじゃなくて、 書き手が生み出した世界観を 壊さないようにするのが 大切なんですね。 久しぶりにカーヴァーや オースターが読みたくなって しまいましたよ。ふふふ また落ち着いてゆっくり 読み返したい一冊。 読むのにかかった時間:2時間 こんな方にオススメ:翻訳好きの方は是非

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2012/06/30

何度めかの再読です。 前の感想を読み返してみたら、うんうん、そうなんだよ!なんて、自分に自分で頷いてしまうのが恥ずかしいんだけど、新たな感想の文を無理矢理にひねり出すのもなんか不自然でそれも恥ずかしいような気がするので、そのままにしておくことにしました。 あ、でも、言葉にはなら...

何度めかの再読です。 前の感想を読み返してみたら、うんうん、そうなんだよ!なんて、自分に自分で頷いてしまうのが恥ずかしいんだけど、新たな感想の文を無理矢理にひねり出すのもなんか不自然でそれも恥ずかしいような気がするので、そのままにしておくことにしました。 あ、でも、言葉にはならないけど、今までで一番春樹さんのお気持ちがストンと来たような気がする、とだけ。(*^_^*) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 再読です。 で、やっぱり面白い!(*^_^*) なぜ、村上春樹は現役の小説家でありながらこんなにたくさんの翻訳をしているのか? エッセイなどでよく小説に傾いた頭のバランスを取るため、と言っておられるのがこの対談ではより私たち読者にわかりやすく語っておられ、なるほどね~~と。 小説は自分の世界に深く深く入っていくものなので、ある意味危険な作業なのだけど、翻訳は常にテキストが外部にあるからこつこつとやってさえいれば論理的に問題が解決できる、とか、 また、その翻訳作業により、自分の文体の練習(好きな作家のものしか訳さないので)になるし、小説はどんどんシンプルな日本語で書きたいと思っているところに、華麗な文体のフィッツジェラルドなどを訳すとそこでカタルシスが得られる、とか、なるほどねぇ~~。(*^_^*) 春樹さんは好きな小説を読むだけなら、ただ英語で読めばいいわけで、イチイチ日本語に直さなくてもそのまま英語で理解しておられるのだろうから、その「横のものを縦にする」過程が大事なんですね、きっと。 柴田元幸先生との三度の対談(一度は東大の講義で、二度目は翻訳学校で、三度目はプロの翻訳家たちの前で)で、お二人ともホントのことしか言っておられないんだろうな、という誠実なお話がとても嬉しい。また、同じ短編をそれぞれが訳されていて、原文も載っているのでその違いをじっくりと楽しむことができた。 柴田先生が春樹さんの訳を、段々直訳になってきてますね、と指摘されているのも、春樹さんの目指しているものが伝わってくる気がしたし。 それにしても、御自分の小説を、自分の文体の癖が気にかかってしまってそこがイヤだったりする、みたいなお気持ちをお持ちなのに、翻訳されたものも、読者から見れば、まぎれもなく村上春樹の色がついているのはどうなのか・・。私たちには嬉しいことなんですけどね。(*^_^*)

Posted byブクログ

2012/05/26

すっごく面白かった!期待以上です。二人の競訳でカーヴァーとオースターが読めるなんてうはうは過ぎる。しかも探さなくても原作付。これは私も訳してみるしかない!と思わせますね。仕事とか生活とか抜きにして、もっと深い部分で翻訳に対して欲求を感じるようなお二人に僭越ながら、これだよこれ!と...

すっごく面白かった!期待以上です。二人の競訳でカーヴァーとオースターが読めるなんてうはうは過ぎる。しかも探さなくても原作付。これは私も訳してみるしかない!と思わせますね。仕事とか生活とか抜きにして、もっと深い部分で翻訳に対して欲求を感じるようなお二人に僭越ながら、これだよこれ!と思ってしまいました。もっと理解したくて、理解して欲しくて、伝えたくて、もどかしくて、もがくような思いでいま英語と向き合っています。はい。

Posted byブクログ

2012/04/30

村上春樹が、東京大学の柴田先生と、その生徒とフォーラムを開いた記録と、中堅の翻訳者とのフォーラムの記録が載っています。 また、そのなかで、カーヴァーとオースターの小作品について村上と柴田が競訳しているのですが、その違いが面白いです。 ★★★ 英語はワンセンテンスが長か...

村上春樹が、東京大学の柴田先生と、その生徒とフォーラムを開いた記録と、中堅の翻訳者とのフォーラムの記録が載っています。 また、そのなかで、カーヴァーとオースターの小作品について村上と柴田が競訳しているのですが、その違いが面白いです。 ★★★ 英語はワンセンテンスが長かったり、段落も日本語と比較すると大きいがそれをどう訳すかとか、どこまで意訳するか、文章のリズムについてとかいろいろと考えさせられます。 あと、誤訳について指摘されると傷つくか傷つかないか。 村上はこんなことを言っています。    うん。僕は間違いを指摘されてもとくに傷つかないですね。というのは、それはあくまで技術的な問題だから。技術的な問題というのは、まちがいを認めて、それを直して、もう一度同じ間違いをしなければ、それでいいわけです。すごく単純ですよね。    翻訳者にとっていちばんだいじなのは偏見のある愛情 なるほど。

Posted byブクログ

2012/03/24

何故か村上春樹とは縁がなかった。この本も柴田元彦氏が目当てだった。で、今さらながら村上春樹も良いなと思った。そろそろ世界の名作から抜け出し、自分だけの作家を見付けたいと思っていた大学1回生の頃、『風の歌を聴け』が出た。私には都会的過ぎる様な気がし、同時期にデビューした椎名誠を選ん...

何故か村上春樹とは縁がなかった。この本も柴田元彦氏が目当てだった。で、今さらながら村上春樹も良いなと思った。そろそろ世界の名作から抜け出し、自分だけの作家を見付けたいと思っていた大学1回生の頃、『風の歌を聴け』が出た。私には都会的過ぎる様な気がし、同時期にデビューした椎名誠を選んだ。後悔はしていないが、機会を逸する内に氏はどんどん有名になってしまい、益々読めなくなった。この対談集を読みながら翻訳というテーマよりも『春樹は読まない!』という呪縛から解放された様な気がする。先ずは『風の歌~』から探してみるか。 翻訳夜話 >> 柴田元幸氏の話を読みたくて、手に取ったのだが、村上春樹氏の話もなかなか含蓄がある。何故か氏の作品とは今まで殆ど縁がなかったが、読んでみたくなる。ただ、作品数が多く分厚いのが多いので、嵌まったら厄介だなあ。^^; 2012年03月10日

Posted byブクログ

2012/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

翻訳は愛情があること。面白いことが大事だということが分った。 村上春樹の英語訳をした2人の性格の違う訳者についての見解でよくわかった。 厳密に訳そうとしても、大雑把に訳そうとしても、面白くできるかどうかが鍵なのだ。 しかも、中身に愛情があること。 柴田氏の説によれば、翻訳に3種類ある。原文のトーンに近い日本語のトーン。原文のトーンとは違うが日本語として一貫したトーン。 日本語としてトーンもリズムもないような訳文とのこと。

Posted byブクログ