ポビーとディンガン の商品レビュー
妹にしか見えない友達に苛立っていた少年。 寝ついてしまった妹のために、一生懸命、探し回ることに。 切なく、心が洗われるような物語です。 オーストラリアのオパール鉱山の町に住むウィリアムソン一家。 8歳の妹ケリーアンは、目に見えない友達ポビーとディンガンを大事にしていて、いつも一...
妹にしか見えない友達に苛立っていた少年。 寝ついてしまった妹のために、一生懸命、探し回ることに。 切なく、心が洗われるような物語です。 オーストラリアのオパール鉱山の町に住むウィリアムソン一家。 8歳の妹ケリーアンは、目に見えない友達ポビーとディンガンを大事にしていて、いつも一緒。 母親は、ポビーとディンガンのために、食事まで作っていました。 ご近所の住人の中にも、ポビーとディンガンの分までキャンディをくれる人がいます。 少年アシュモルは、そんな様子に呆れ、時には頭に来ていました。 父親は、大きくて高価なオパールを掘り当てるのが夢。 でも、2年たっても、いまだに見つかってはいないのです。 ポビーとディンガンのことは本気にはしていないけれど、適当に調子を合わせていました。 ある日、父親は母親と喧嘩になり、急にポビーとディンガンの世話をし始めます。 ポビーとディンガンを採掘場に連れて行くと言って車に乗り、帰りに忘れてきてしまいます。 そうやって、他に友達のいないケリーアンに卒業させようとしたのですが… 必死になるケリーアンと一緒に仕方なく鉱山に探しに戻った父親は、隣人の採掘場に入り込み、「穴荒らし」として逮捕されてしまう。 ポビーとディンガンを見つけられなかったケリーアンは、何も食べなくなった。 病気になってしまったケリーアンを元気にするために、アシュモルは必死に考えます。 町中にポスターを貼り、妹のためにポビーとディンガンを探してくれと頼んで歩くのです。 アシュモルは何も信じないと妹に思われたままなのは、いやだったのでした。 最初は無反応だった人も、いつしか皆で探してくれるように… みんなが探していると知ったケリーアンは喜びますが。 見つけた人には賞金をあげると書いたため、おかしな作り話を持ち込んでくる人が、10人も続きました。 ケリーアンに、もう一度坑道を探してくれと頼まれたアシュモルは… そして、父の裁判の日。 町の人口の半分ほどは、ポビーとディンガンの捜索に加わっていたのです。 最初から出来すぎではない普通の男の子が、一生懸命になる様子に、こちらの気持ちも寄り添っていきます。 リアルな町の雰囲気や、登場人物の名前が独特で、現実味と不思議さが半ばします。 目には見えないものの存在… 町の人々は、ポビーとディンガンの気配を、確かに感じ取っていたのでした。 哀しいけれど、いとおしくて、忘れられない… 著者は1972年生まれ。 オックスフォード大学院在学中に執筆した本書でデビュー。 恋人の思い出話がきっかけになったそうです。 2000年の作品。 21世紀の「星の王子さま」という評もあるそうです。共通点て…? 印象に残る作品ではあります。
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きっかけは、某兎さんの曲名から。 購入を決めたのは、大好きな酒井さんが表紙を描いていたから。 けれど一生、手放したくない一冊です。 目に見えない友達を大切にする少女、ケリーアンと 彼女を見守る兄・アシュモルのお話。 「だいじなものは、目にみえないんだよ」 と言ったのは、星の王...
きっかけは、某兎さんの曲名から。 購入を決めたのは、大好きな酒井さんが表紙を描いていたから。 けれど一生、手放したくない一冊です。 目に見えない友達を大切にする少女、ケリーアンと 彼女を見守る兄・アシュモルのお話。 「だいじなものは、目にみえないんだよ」 と言ったのは、星の王子様でしたっけ… きっと整合性を求めたり、現実至上主義の方には受け入れられない物語です。 ですが私は、この物語にでてくる限りなく純粋な愛の形を とても愛しく思います。 海外小説によくある「翻訳しました!」感が強いので ★は4つとさせていただきますが、 内容的には十分5つです。
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辻村深月さんの『子どもたちは夜と遊ぶ』の中で 章のタイトルにもなり、セリフの中にも度々登場して ぜひ読まなくちゃ!と気になっていたこの本。 絶版になっているらしく、運よく手に入れたら なんと表紙絵が酒井駒子さんで、まるで幸せの二重奏です♪ オパールで一山当てることを夢見る父、...
辻村深月さんの『子どもたちは夜と遊ぶ』の中で 章のタイトルにもなり、セリフの中にも度々登場して ぜひ読まなくちゃ!と気になっていたこの本。 絶版になっているらしく、運よく手に入れたら なんと表紙絵が酒井駒子さんで、まるで幸せの二重奏です♪ オパールで一山当てることを夢見る父、 快適だったイギリスでの暮らしに戻りたい母、 空想の友達「ポビーとディンガン」としか遊ばない妹ケリーアンと共に オーストラリアのオパール鉱山で暮らす少年、アシュモル。 ケリーアンの心から空想の友達を一掃できると軽く考えて 採掘場へとポビーとディンガンを「連れ出し」、 「連れて帰る」のをうっかり忘れた父のせいで 何も喉を通らなくなり、どんどんやつれていくケリーアン。 架空の友達をまるっきり信じず、苦々しく思っていたアシュモルが 妹のために、町中の人に「ポビーとディンガン」捜しを頼み込み 自らも真夜中の坑道を捜しまわって見つけたものは。。。 見えないものを信じたり 見えないものに支えられたり、癒されたりする人を 責めたり貶めたりする権利は誰にもないのだと 思い出させてくれる物語です。
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ぼくは思いついた。認めるのはしゃくだけれど、ケリーアンを元気にするにはポビーとディンガンを見つけるしかない。そして、ぼくは行動を起こした。「妹が病気のため、日々弱っています。どうか手を貸してくれませんか!」はじめはみんなバカにしていたけど、そのうち、町のひとたちがほんとうに、本気...
ぼくは思いついた。認めるのはしゃくだけれど、ケリーアンを元気にするにはポビーとディンガンを見つけるしかない。そして、ぼくは行動を起こした。「妹が病気のため、日々弱っています。どうか手を貸してくれませんか!」はじめはみんなバカにしていたけど、そのうち、町のひとたちがほんとうに、本気でポビーとディンガンをさがしてくれた。幼い妹の架空の友だちを必死にさがしつづける一人の少年。求めたさきに見つけたものは、悲しい死だった。せつなくて、あたたかくて、いとおしい。やさしい涙をさそう世界一かわいくて、けなげな兄と妹の物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 授業で映画をみたんだが、それは最後結構あいまいに終わっててケリーアンは助かるんだろうと思ったら先生がサラッと爆弾落として行って…… 原作読もうと思ったわけでした。 はーなんか切ない… 語り口がすごく軽快で、物語もポンポンとリズムよく進むから読みやすいし、すぐ読めちゃう。 ちょいちょい、アシュモルのおちょけっていうか、おふざけに笑う。 坑道で二人を見つけるところで読んでる私もポビーとディンガンを見つけた! って気持ちになるのがすごい…… 酒井駒子さんの表紙もぴったりだなぁ
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空想の友だち、ポビーとディンガンを真剣に信じている女の子と、その家族の話。 行方不明になったポビーとディンガンを心配するあまり、病気になってしまった妹ケリーアンを治すため、兄のアシュモルは、見えない2人を捜し出そうとする。 町中の人を巻き込んでケリーアンのために奔走する少年は...
空想の友だち、ポビーとディンガンを真剣に信じている女の子と、その家族の話。 行方不明になったポビーとディンガンを心配するあまり、病気になってしまった妹ケリーアンを治すため、兄のアシュモルは、見えない2人を捜し出そうとする。 町中の人を巻き込んでケリーアンのために奔走する少年は健気でかわいらしくも思えるが、最後は切なさにぐっと胸を押される。 映画にもなっているらしいので、そっちもぜひ観てみたい。
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「ポビーとディンガン」は、少女ケリーアンの行方不明になってしまった「見えない友達」ポビーとディンガンを探すため、主人公アシュモルが町の中であちらこちらに奮闘する物語だ。 物語は兄であるアシュモルの口語調で書かれている。 アシュモルは節々でポビーとディンガンを存在しないものとしてい...
「ポビーとディンガン」は、少女ケリーアンの行方不明になってしまった「見えない友達」ポビーとディンガンを探すため、主人公アシュモルが町の中であちらこちらに奮闘する物語だ。 物語は兄であるアシュモルの口語調で書かれている。 アシュモルは節々でポビーとディンガンを存在しないものとしている。 「ポビーとディンガンが存在している」と言い張るケリーアンの言葉に、うんざりしたアシュモルの口調がところどころで混じる。 しかし、ケリーアンにはポビーとディンガンが見え、不満を口にしつつもアシュモルは「いる」と言い張る妹のために奮闘する。 ポビーとディンガンは「いる」のだ。 考えてみれば、自分という存在もずいぶん曖昧なものだ。 先日、友人と「自分の顔は絶対に見ることができない」なんて会話をした。 存在を証明することの、なんとささいでつまらないことか。 子供だから純粋とか、大人だから現実を見るとか。 それは、すべて大人の言い分であり、言い訳だ。 大人になったことは何の理由にもならない。 花にあいさつをする意味を考えるような。 そんな見えない行動の意味を考えながら、最後のページを閉じた。
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表紙に一目惚れ。 内容は好きなジャンルじゃなかった。 私は「ただしいこと」しか好きじゃないから、愛さえあれば「イイ話」とは思わない。
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あるバンドの曲がきっかけで出会った一冊. 購入してから何度も読んでいますが, その度にこころがほわんとあたたかくなります...
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自分にしか見えない? でも自分には見えるから きっとそれが本当の真実 そう信じて良いんだって思えた 大好きなおはなし
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うまく感想がまとめられないけれど、感動というよりは長い間自分の記憶に残って、ふとした瞬間に思い出すだろうな、というような物語。子どもの頃に読んで、ずっと心に残っている本みたいな感じ。
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