夏のレプリカ の商品レビュー
『幻想の死と使途』と同時期に起こった萌絵の友人、簑沢杜萌の話であり、簑沢家で起こった誘拐事件と誘拐された先、別荘での殺人事件の話でした。 杜萌が家に帰ると政治家である父と後妻である母と実の姉は誘拐された後。義理の兄は行方不明。杜萌自身も誘拐犯の仲間に監視されることに。 そして全員...
『幻想の死と使途』と同時期に起こった萌絵の友人、簑沢杜萌の話であり、簑沢家で起こった誘拐事件と誘拐された先、別荘での殺人事件の話でした。 杜萌が家に帰ると政治家である父と後妻である母と実の姉は誘拐された後。義理の兄は行方不明。杜萌自身も誘拐犯の仲間に監視されることに。 そして全員が別荘に集まった時、仲間割れと思われる銃声が響き、誘拐犯の遺体が二体。いったい誰が殺したのか。 途中からイリュージョニストの事件を解決した萌絵と犀川先生が加わり、事件の詳細が徐々に明らかになります。 兄はどこへ行ったのか。あの夏の出来事は。誘拐犯を殺したのは誰か。 わからないままで終わった方が、萌絵にとってはよかったのかもしれない事件。 でも犯人は、正直そりゃないよと言いたくなりました。記憶違いとそんなつながり出てないよ、と。
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前作「幻惑の死と使途」と対になり、偶数章のみで構成。さらに、全て「偶」から始まるタイトル。 第2章 :偶発の不意 第4章 :偶感の問 第6章 :偶後の思惟 第8章 :偶詠の悔い 第10章:偶然の差異 第12章:偶合の恣意 第14章:偶人の舞 第16章:偶成の無為 第1...
前作「幻惑の死と使途」と対になり、偶数章のみで構成。さらに、全て「偶」から始まるタイトル。 第2章 :偶発の不意 第4章 :偶感の問 第6章 :偶後の思惟 第8章 :偶詠の悔い 第10章:偶然の差異 第12章:偶合の恣意 第14章:偶人の舞 第16章:偶成の無為 第18章:偶像のせい ================= 「幻惑の死と使途」と同時並行で読んだ。文中でいうところの、西之園萌絵状態である。 両者は事件として、ミステリィとして、しっかり区別されて展開されているのだけど、登場人物がクロスオーバーする点はスムーズに、且つ、整合性美しく書かれていて、矛盾は一切なし。森博嗣の頭の中はどうなっているのだろう?と改めてこの人の着想はすごいなと実感。 本作では、今まで幾つもの事件に巻き込まれ、時に生命さえも狙われることがあっても、大きく動揺することのなかった萌絵がぽろぽろと涙を流す、非常に辛い展開が待っていた。私史上初めて、森博嗣のミステリィで心がぎゅっとなった。 それにしても…犀川先生は謎解くの早すぎます。
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3 幻惑の死と使途と同時期に起きた誘拐事件の話。萌と同級生で親友の簑沢杜萌を中心に話が進む。犀川が事件にほとんど関与せずあまり出てこなくなり萌の全て分かってるアドバイザーな感じ。ところどころに含蓄のある言葉がある。自分は怯えて何もできず作業してるだけなのに子供には新しいことに挑戦...
3 幻惑の死と使途と同時期に起きた誘拐事件の話。萌と同級生で親友の簑沢杜萌を中心に話が進む。犀川が事件にほとんど関与せずあまり出てこなくなり萌の全て分かってるアドバイザーな感じ。ところどころに含蓄のある言葉がある。自分は怯えて何もできず作業してるだけなのに子供には新しいことに挑戦させようとする。忙しくしてる方がなんとなく安心。 なかなか面白い。
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意外な犯人だったことについては面白かったです。しかし、もう少しそうなってしまった経緯等もっと説明がほしいなと思うところがありました。(わざとうやむやにしているのだと思うのですが)萌絵にとっても忘れなれない事件になったのではないかと思うので今後の作品にどう影響してくるのかが楽しみ(...
意外な犯人だったことについては面白かったです。しかし、もう少しそうなってしまった経緯等もっと説明がほしいなと思うところがありました。(わざとうやむやにしているのだと思うのですが)萌絵にとっても忘れなれない事件になったのではないかと思うので今後の作品にどう影響してくるのかが楽しみ(?)です。
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「幻惑の・・・」は奇数の章だったが、こちらは偶数の章である。同じタイミングで別の事件が起きていた。その中心になっていたのが、萌絵の友人の杜萌。正直言うと、前回の作品よりも、こっちのほうが好きかもしれない。しかし、ちょっと安易な感じがしてしまう。犯人にしろ、トリックにしろ何かレトロな感じがしたのは気のせいだろうか。時間的な流れは、両方の本を読むと面白いとは思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
都内の大学院生の主人公が夏休みを利用して帰省し、誘拐事件が発生した。誘拐されたのは主人公の家族。後に殺人事件となるが、殺害されるのは誘拐された人物ではなく、誘拐者が殺害される。S&Mシリーズを7作読了したが、一番異端な作品だと感じる。前作「幻惑と死と使途」と同時期に発生した事件で、密接に関係していると思われるかもしれないが、そうでもない。ただ単に、同じ軸で進んでいるという表現を使いたかったのだろう。伏線を気にされる方は順番に読むのが望ましいが、単品で読んでも違和感なく読むことが可能。さて、トリックを解くカギとなるのは「主観性と客観性」、「乗り物」だろうか。私の中では大きなカタルシスを味わえた作品だったので、満点を付けることにした。
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S&Mシリーズ第8弾。前刊とほぼ同時期に別場所で起こった事件の話。なので、萌絵と犀川は終盤にさしかかるまで登場せず。犯人と犯人と目された人とのなれそめを含めた関係性描写がもっと欲しかったのと犀川があっさりと真相に気付いたところのロジックを深掘りしてほしかった。
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『幻惑の死と使途』と対になっていて、偶数章のみで構成されている。S&Mシリーズの中で一番犀川先生の出番が少ないんじゃないだろうか?(まだ、全部読んでないけど)今回の事件そのものは、何となく想像がついたので、あまり興味が持てなかった。最後、萌絵があの人に会ったことだけが意外...
『幻惑の死と使途』と対になっていて、偶数章のみで構成されている。S&Mシリーズの中で一番犀川先生の出番が少ないんじゃないだろうか?(まだ、全部読んでないけど)今回の事件そのものは、何となく想像がついたので、あまり興味が持てなかった。最後、萌絵があの人に会ったことだけが意外だったかな。犀川先生が言った通りこの事件をきっかけに萌絵は少し大人になったのかな?2人の出番は少なかったけど、儀同家に変化が見られたことが次回以降のポイントなのかな?初対面の杜萌に好きな形は何かと訊ねる犀川先生の変人っぷりが好きすぎた。
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同時進行で2つの事件を扱う試みが印象的です。こちらの作品は派手さはないものの、とても切ない。トリックがシンプルなので、期待を裏切って欲しかったという気持ちがあります。ちょっと冗長な感じがしました。
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シリーズのこれまでの中では一番王道のミステリーっぽい。 杜萌というなかなか魅力的なキャラクターが良い。 トリックとしてはわりと単純だったけど、物語として読んでいて楽しめた。
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