菜の花の沖 新装版(一) の商品レビュー
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江戸時代中期に蝦夷地経営に係わり、ロシアとも関係のあった高田屋嘉兵衛を描いた小説。ちょっと大黒屋光太夫と混同してしまいますが別物。(井上靖のおろしや国酔夢譚も読みましたが)。第1巻は高田屋嘉兵衛が淡路で生まれ、生国を逃れて兵庫で樽廻船の乗員になるまで。 本著は著者自身が他のロシア関係著作で触れているのを読んだ事があり、いつか読もうと思っていました。やっと着手できました
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面白すぎる。彼の智的探究心に心が揺さぶられる。たまに彼の本を読みたくなるのよね。当時自暴自棄になっていなかったら、テレビやラヂヲの呼びかけに応じてキチンと彼にあっておくべきだった反省しても、彼は今天国の神の御許に召されている。しかし是の残していった足跡は凄く大きい様に思います。何...
面白すぎる。彼の智的探究心に心が揺さぶられる。たまに彼の本を読みたくなるのよね。当時自暴自棄になっていなかったら、テレビやラヂヲの呼びかけに応じてキチンと彼にあっておくべきだった反省しても、彼は今天国の神の御許に召されている。しかし是の残していった足跡は凄く大きい様に思います。何時読んでも感動しまくりです。
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高田屋嘉兵衛の物語。全6巻の1巻では幼少期から始まり、兵庫に出て初めて樽廻船に乗り結婚するまでで終わっている。 人物の評伝として読めば内容は薄い。が、司馬文学特有の?横道が多いというか、この1巻はそちらが重要である。時代背景、社会風土、廻船問屋、北前船などこの時代の説明が細かく...
高田屋嘉兵衛の物語。全6巻の1巻では幼少期から始まり、兵庫に出て初めて樽廻船に乗り結婚するまでで終わっている。 人物の評伝として読めば内容は薄い。が、司馬文学特有の?横道が多いというか、この1巻はそちらが重要である。時代背景、社会風土、廻船問屋、北前船などこの時代の説明が細かくなされる。 今の感覚で言えばものすごく小さな地域間でよそ者や旅という感覚がなされていたというこの時代のことをつかんでおくことがこの先を読む上で必要になっていくのであろう
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前回、同じ司馬遼太郎さんの城塞を読んだ後だけに明るい本を読みたいと思い高田屋嘉兵衛さんを主人公にしたこの本を読んだ。本の紹介で快男児という言葉に惹かれた。 一巻は苦しい淡路島時代から兵庫に出て行くまでの話。今後の展開が楽しみです。
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読んだきっかけ:古本屋で50円で買った。 かかった時間:6/13-6/15(3日くらい) あらすじ: 江戸後期、淡路島の貧家に生まれた高田屋嘉兵衛は、悲惨な境遇から海の男として身を起こし、ついには北辺の蝦夷・千島の海で活躍する偉大な商人に成長してゆく・・・・・・。沸騰する...
読んだきっかけ:古本屋で50円で買った。 かかった時間:6/13-6/15(3日くらい) あらすじ: 江戸後期、淡路島の貧家に生まれた高田屋嘉兵衛は、悲惨な境遇から海の男として身を起こし、ついには北辺の蝦夷・千島の海で活躍する偉大な商人に成長してゆく・・・・・・。沸騰する商品経済を内包しつつも頑なに国をとざし続ける日本と、南下する大国ロシアとのはざまで数奇な運命を行き抜いた怪男児の生涯を雄大な構想で描くl。全六冊(裏表紙より) 感想: 江戸後期の日本を舞台にした海洋冒険ロマン!です。これは面白い!
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全6巻の序章。嘉兵衛が淡路を出て兵庫の叔父の廻船問屋に入り、江戸へ樽廻船に乗り、船出の一歩を踏み出すところを描く。江戸時代の村の閉鎖性、同じ字でも集落が異なれば外の人として扱い、厳しいルールがあったことに、大変さを思う。そんな中、生まれた村では暮らしていけない嘉兵衛、そのため隣村...
全6巻の序章。嘉兵衛が淡路を出て兵庫の叔父の廻船問屋に入り、江戸へ樽廻船に乗り、船出の一歩を踏み出すところを描く。江戸時代の村の閉鎖性、同じ字でも集落が異なれば外の人として扱い、厳しいルールがあったことに、大変さを思う。そんな中、生まれた村では暮らしていけない嘉兵衛、そのため隣村の親戚の所で働く。ここで、閉鎖性に苦しみながらも負けずに生きる姿が雄々しい。その嘉兵衛にとって、村を飛び出し兵庫へ行った後、海の男達の人を受け入れる度量や、お互いを信頼しあい、同じ人として遇してくれることにとても感銘をうけたことは想像に難くない。そしてその海の男達を惹きつける嘉兵衛の人柄が素晴らしい。天性のものか。あるいは、彼の海・船への好奇心が、周りの人々に教えよう、あるいは、面白いやつだと思わせたのか。これからの展開が楽しみである。
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嘉兵衛が故郷で体験した、若衆宿という組織は、現代の日本の企業や生活集団に残る閉鎖された側面に通じるものがあると思った。 海外進出やグローバル化などという言葉が巷に溢れかえるようになってしまっている現代に、嘉兵衛の命懸けで自分の故郷を飛び出し、自ら考えて道を切り開く姿勢は、新鮮に...
嘉兵衛が故郷で体験した、若衆宿という組織は、現代の日本の企業や生活集団に残る閉鎖された側面に通じるものがあると思った。 海外進出やグローバル化などという言葉が巷に溢れかえるようになってしまっている現代に、嘉兵衛の命懸けで自分の故郷を飛び出し、自ら考えて道を切り開く姿勢は、新鮮に感じた。 はやく続きが読みたい。
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函館旅行で屋敷跡などを見てきた高田屋嘉兵衛さんの物語。 この巻では、淡路島の貧しい農家に生まれた嘉兵衛さんが村独特の閉鎖的システムになじめず、そのうえ他の組のお嬢さまと(結果的に)仲良くなってしまったことから過酷ないじめにあって、命からがら兵庫に出て行くまで。 とにかく我慢と忍耐と努力で、お嬢さまと世帯を持ち、自分の人生を切り開いていく嘉兵衛さんは芯の強い人です。 江戸幕府の弊害と、日本には「いじめ」というものが昔から当たり前のように定着していたという司馬さんの説明がわかりやすくて、とてもお勉強になりました。
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全六巻。最終巻以外の五巻が壮大な序章といえるほど六巻の盛り上がりと感動がすごい。船頭という今まで考えたことのない視点で、江戸後期の複雑に醸成されてしまった鎖国日本と世界を紡いでいくストーリー。 この作品で改めて司馬遼太郎の偉大さを思い知らされたが、以下の3つの点で素晴らしい小説。 ・歴史事実・・・鎖国当時の日本の国家体制や造船・廻船業への規制などを細かく描写する一方で、ほぼ丸々一巻を使って当時のロシア情勢の背景まで深掘りして描き、読者に公平な情報量を提供しようとする姿勢に感服。 ・時代背景・・・ストーリーの節々で、そのときの登場人物の行動とそれに至った思考回路が、当時の時代背景を踏まえてどのようにその基準に沿った・外れたものであったかを、逐一説明しているところが、事実だけを書き述べる作家と一線を画している。 ・人間賛歌・・・身分を超えた商人と幕臣の信頼関係、そして最終巻で描かれる国を超えた嘉兵衛とリコルドの友情は、人と人の関係は時には利害を超え、言語すら二次的なものとなることを気づかされる。 今の日本の諸々の領土問題を当時から見透かしていたかのような言い回しが出ているが、嘉兵衛の説いた「他を譏(そし)らず、自誉(みずからほめ)ず、世界同様に治り候国は上国と心得候。」という哲学は、今のグローバル化した世界の中でも、持ち得る矜恃なのだろうか。
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函館に旅行に行くことにしたので、この機に読んでみようと手にしました。 主人公が世に出る前、ある意味この第一巻がこの小説の根幹と言えるでしょう。
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