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斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 の商品レビュー

4.1

94件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    27

  3. 3つ

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2011/09/05

痛い。 人と繋がりたいけど恐く、恐いけど繋がりたい。 信じたいけど信じれず信じられないけど信じたい。 不信の中で徹底した自己否定自己破壊ニヒリズム。 罪のアントニムは罰なのか? その罰を自らに科し命を絶った太宰。 『無垢の信頼心は罪なりや』 その通りです。

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2011/08/16

太宰治をようやく読み終えた。 読んだのは、「斜陽」「桜桃」「人間失格」の3作。 これまで太宰治といえば、教科書で「走れメロス」を読んだくらい。 でも、ドラマで「太宰治物語」を見て興味は持っていた。 ほとんど自叙伝的作品ということで、読めば読むほど、「天性のジゴロ」というか、...

太宰治をようやく読み終えた。 読んだのは、「斜陽」「桜桃」「人間失格」の3作。 これまで太宰治といえば、教科書で「走れメロス」を読んだくらい。 でも、ドラマで「太宰治物語」を見て興味は持っていた。 ほとんど自叙伝的作品ということで、読めば読むほど、「天性のジゴロ」というか、「罪な男」というか、「女の敵」だと思うのに、相手の女性は彼のために命を落としてもなお、決して不幸ではなかったのだろうなという思いがわく。 何度も何度も相手を取り換えては心中未遂を繰り返し、その都度、相手の女性は死んでしまう。 一種の殺人ではないか。 なのに彼は、多少の心の痛みを残しつつも、何一つ悪びれることなく、性懲りもなくまた次の女性と関係を結ぶのだ。 薬にも頼るようになった彼は、いろいろな依存症だったのだろう。 美智子という妻も子どももありながら、昭和23年6月13日、ようやく(というべきか)思いを遂げて、山崎富栄とともに入水自殺を果たす。 享年39歳。 ちなみに作家の太田治子さんは、太宰治の愛人の一人だった太田静子さんの娘。 治子さんの「治」は、太宰の名「治」をとったのだという。 太宰治を父にもつってどういう感じなんだろう?

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2011/04/14

「斜陽」は太宰作品の中で最も好きな作品!! 弟の手紙がなんともいえません・・・ 私はカトリックの学校に通っていて「駆け込み訴え」は、 「そういう考えもできるのかぁ」と新しい考えができて楽しかったです。 今度から宗教の授業のたびに思い出しそう・・・

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2010/11/15

 有名なものばかりなのでお得感あるかと。特に駈込み訴えが……もう、もう、もう、もう、どうしようかと思った……!!!!!! すごいです、この短編。衝撃的で一気に読了しました。二人称で書かれた小説なのですが、ある男が、ある男を密告するんですが、その男の独白が猛烈な勢いで綴ってあります...

 有名なものばかりなのでお得感あるかと。特に駈込み訴えが……もう、もう、もう、もう、どうしようかと思った……!!!!!! すごいです、この短編。衝撃的で一気に読了しました。二人称で書かれた小説なのですが、ある男が、ある男を密告するんですが、その男の独白が猛烈な勢いで綴ってあります。そこからほとばしる愛と憎しみが、そして語る男の心の揺れ動きがすごくて、息を飲んだ。愛しすぎていたからこその裏切り。男の吐く息までもが伝わってきて、もう、圧倒されました。これはぜひ読むべき。全力でおすすめします。読め。いや、読んでください。

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2011/04/09

「桜桃」は太宰の絶筆。貧しい作家を描き、これもまた太宰の人生と重なるところがある。没落貴族を描く「斜陽」。映画の方は、佐藤江梨子がまったりとした雰囲気を醸し出していた。

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2010/10/26

太宰治 という人物に対して、いたく共感する 人間のなかの「死にたい」「生きていたくない」という感情を高ぶらせる一冊であり、この作品に感謝すると同時に 手にとった自分を後悔する一冊

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2010/08/29

太宰治を今まで読んだことが無かったので購入してみました。 私には太宰の良さが理解できませんでした。

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2010/08/16

「葉桜と魔笛」を読む。大衆受けの良いドラマという感じ。貞操観念や父性など、世相を反映していたのだろうか。 「待ち待ちて ことし咲きけり 桃の花 白と聞きつつ 花は紅なり」(本文)

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2010/06/25

だったらしい、太宰治(実娘の太田治子氏いわく)。 『人間失格』、『斜陽』……学生時代に、手に取ったけど、どこがいいのかまったくわからず、面白いとも思えず挫折した(実家に行けば、両方とも文庫本があると思う)。「恥の多い人生を送って来ました」と言われてもねえ、ってかんじだったもんね...

だったらしい、太宰治(実娘の太田治子氏いわく)。 『人間失格』、『斜陽』……学生時代に、手に取ったけど、どこがいいのかまったくわからず、面白いとも思えず挫折した(実家に行けば、両方とも文庫本があると思う)。「恥の多い人生を送って来ました」と言われてもねえ、ってかんじだったもんね、あの頃のワタシ。『走れメロス』は、学校で読まされた気がするけど、「ローマ時代の謂われのパクリ」と勝手に解釈したことしか覚えていない。 今回は、森見登美彦の『新釈 走れメロス他四篇』を読みたいがために、まず本家に弟子入りした次第。かなり動機が不純。あ、あとは、上記の太田治子のインタビューを聞いて、関心を持ち直した、というか。 で。 いまの時代の若者に支持されているらしい、太宰。なるほど、生きることへの執着のなさ、人生の意味が見いだせないことへの絶望に近い日常的な失望感と虚無。「もう死んでしまいたい」。分からなくもない。それをここまで書けるのもすごいと思う。 けどさあ、「なに眠いこと言ってんだ」ってかんじ。 最近気づいたのだけど、男性作家の文芸作品、もっと狭めていうとエンターテインメントものには、面白いものが多い。だけど、ほとんどがそれどまり。ムラカミくんしかり、ケンザブロウ先生しかり。外国の作家も似たり寄ったりではないかと思う(ドストエフスキーは別格)。 生きることについては、女のほうがよく知っていて、それをうまく表現できるのも女である。と、ものすごい差別的な考えを持ってしまった(ことに、いま気づいた)けど、アトウッドを、須賀敦子を、吉野せいを、読め。そうすれば、わかる。 これが今年の読書から得た最大の収穫かも。 いや、けれど。こんな偏見と差別でくくってしまって、いいのか…たぶん、だめ。なので、来年は、これを覆すような作家と出会いたい。男女も時代も国籍も関係ないって思えるような、作品に。

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2010/06/18

破壊力抜群。心が弱い時に読むと、一緒に「にんげん、しっかく…」とつぶやき、ちょっと死にたくなってしまうかもしれない作品。知り合いも、実際「うまくいってない時に太宰を読んで後悔した…けど、ハマって続けざまに読んでしまった…」などと言っていた。 自分も太宰にハマったけど、なんか怖いの...

破壊力抜群。心が弱い時に読むと、一緒に「にんげん、しっかく…」とつぶやき、ちょっと死にたくなってしまうかもしれない作品。知り合いも、実際「うまくいってない時に太宰を読んで後悔した…けど、ハマって続けざまに読んでしまった…」などと言っていた。 自分も太宰にハマったけど、なんか怖いので「グッドバイ」は今だに避けている。ホラー…?

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