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プレーンソング の商品レビュー

4

88件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2014/10/19

はじめは文体に戸惑うも、読み終わる頃にはすっかり保坂さんの文章が好きになっていた。登場人物たちの行動や言動について、主人公が細かく分析するのが面白かった。最後の方の会話の応酬は圧巻。

Posted byブクログ

2011/10/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いろいろな意味でリアリティがある小説はあるけれども、物事の感じ方や感情の変化,景色の移り変わり,あるいは何気ない日常といったものをこれほどリアルに描いている小説は今まで読んだことがない。 たとえば、日々の生活において何時何時~何時何時までを時間的に区切った時、終わりに近づくにつれて物事が必ず盛り上がっていくわけでもなくて、むしろ小さな浮き沈みの中で淡々と時間が過ぎていくのが自然だと思う。 同じように何か物事について考えている時も、はじめから考えがまとまって結論がパッと出ていることは稀で、考えがまとまるまでにいろいろな思考のプロセスを経るのが普通である。 上に挙げたような感じを上手く文字であらわして小説にしているところが保坂和志の最も特徴的なところで、その部分がこの小説の独特な雰囲気を作り上げているのでしょう。 『プレーンソング』はそういった彼の作品の中でも、彼の作風と小説の登場人物や描写されているものが一番マッチしている作品だと個人的には思います。 どこを切ってもリアルな日常が詰まっているので、どこから読んでもいいし、何回読んでも飽きない。 簡単に書けそうなんだけど、絶対に書けない小説です。

Posted byブクログ

2011/10/16

のらりくらりと生きる僕と、猫に情熱を注ぐよう仔。独特な雰囲気を持つアキラ。サラリーマンの島田。4人の奇妙な共同生活の中で、せわしない現代への疑問が投げかけられていると思う。時々電話をする相手「ゆみ子」を現実世界との架け橋にして。 解説がおすすめ。

Posted byブクログ

2011/10/12

ぐだぐだな小説。 皆さん言ってるように、あまりにも何も起こらないから、あらすじ書く人苦労しただろうなあ。 つまらない、と言い切っちゃう人と、のんびりしていて良い、と言う人で二極化しそうな作品だと思った。 読んでる間は、微妙な傾斜のついた坂を淡々と上っていくような感じ。 何かが起き...

ぐだぐだな小説。 皆さん言ってるように、あまりにも何も起こらないから、あらすじ書く人苦労しただろうなあ。 つまらない、と言い切っちゃう人と、のんびりしていて良い、と言う人で二極化しそうな作品だと思った。 読んでる間は、微妙な傾斜のついた坂を淡々と上っていくような感じ。 何かが起きそうで何も起こらない。そんな本。 面白いと言えば面白いけどつまらないと言えばつまらない。 なんも考えずに読むといいと思います。

Posted byブクログ

2011/08/28

多分前に読んだことあったのに、買っちゃった・読んじゃった・・・・ まぁどうせ図書館で借りて読んだのだろうし、好きだなと思うから良いけど。 忘れちゃったのも仕方ないなと思うくらい、何も起こらない。 だから「映画とりたい/とってるひとたちが転がり込んでくる話」といっても、 「ねこが...

多分前に読んだことあったのに、買っちゃった・読んじゃった・・・・ まぁどうせ図書館で借りて読んだのだろうし、好きだなと思うから良いけど。 忘れちゃったのも仕方ないなと思うくらい、何も起こらない。 だから「映画とりたい/とってるひとたちが転がり込んでくる話」といっても、 「ねこが出てくるはなし」といっても、そうだっけ?になってしまう。 でも好き。 まぁ強いて言えばゴンタの映画の撮り方(筋が覚えられない、筋なんてどうでもいい)と、 それに感動する主人公の説明台詞が、この小説自体の手法を語っていて、 なるほどということではある。 けれど、それを読んでも どうしてこの本の読書体験が気持ちのいいもの(←気持ちいい、という台詞も多く出てくる。そういえば) である理由を説明しきっている気はしない。 まぁたまにひとでも、一緒にいてなんとなく気持ちいいひと(べつに何もないけどね) というのがいて、気持ちいいなと思っているうちに 傍から見たら仲良いね、となったり一緒になったりしているものなのかしら。 そしてなぜそのひとが自分にとって気持ちいいのかは中々説明しきれないものかもしれない。 小説にしたってそれで良いじゃない、ということなのかという気もする。 ただ「気持ちいい」が、多くの人にとってそうである、となるにはやっぱり一般化し得る理由かあるはずで、 一般化し得るのであれば、それはつまり言葉でもある程度説明できるはずなのだけれど・・・

Posted byブクログ

2011/07/13

恋人と住む予定で2LDKの部屋を借りたら、ふられてしまった主人公。 年下の友人アキラが転がり込んでくる。 お気楽な生活をしているアキラ。定職はないが運はいいらしく、明るくて憎めないキャラ。 主人公も遅く出社すればいい仕事で、楽しみは主に競馬。 凝っている競馬仲間の話を楽しみに、...

恋人と住む予定で2LDKの部屋を借りたら、ふられてしまった主人公。 年下の友人アキラが転がり込んでくる。 お気楽な生活をしているアキラ。定職はないが運はいいらしく、明るくて憎めないキャラ。 主人公も遅く出社すればいい仕事で、楽しみは主に競馬。 凝っている競馬仲間の話を楽しみに、別に儲けもせず大損もせずに日曜日をだらだら過ごすのだ。 競馬の話しかしないつきあいの友人はすべて競馬界の陰謀で、出来レースになっていると疑い、秘密の法則性を研究しているのがおかしい。 さらに、アキラは恋人のよう子も連れてきて、「泊まるの?」とか言いつつ、1、2日後にはまた着替えを持ってきたりして何となく住み着いてしまう。 恋人といっても知り合ったばかりなのだそうだが。 これがアキラにはもったいないような綺麗な子で、しかも料理をまめにするので、生活費は大してかからない。 何となく食べさせてやることに。 友人の島田も同居することに。こちらは会社員だが、小説を書こうとしている。 何ていうことのない日常だが、たまには遊園地に行ったら休みだったり、その後アキラにねだられて海へ行ったり。 白と茶色の縞のとても可愛い子猫。 アパートの1階に住むのが初めてで、部屋の前にちょこんと座っているのを見かけ、その後どうしたかとずっと気になっている主人公。 そりゃあ可愛かったんでしょうね!つまり子猫の魔力にハートわしづかみ状態♪なんだけど~淡々とした筆致で描いているのが読んでいてすっごく楽しい。 茶色の縞って~つまり茶トラなのだが友人のゆみ子に聞くまで、その言い方も知らなかったという。 餌をおいておくと夜の間になくなっている。昼間は置いておいても食べないので、姿を見ることは出来ない。 よう子は餌を食べに来る猫の姿を見たいと、何日も窓辺に座っている。 そして、茶トラを探しながら、近所の猫に餌を配って回るようになる… 猫初心者?ぶりが微笑ましい。 初出は群像90年5月、単行本は9月発行。

Posted byブクログ

2011/02/10

おもしろかった。 言いたいことを書いても、そのあと流れに委ねるみたいなところがたいへん好くて、でも決して終わらせず、めぐらせた考えや周辺の人などのエネルギーの気配を頭上に漂わせながら続いていく感じがとても好き。それは持続とか継続とかとはちょっと違う言いかたになり、終わるものは終わ...

おもしろかった。 言いたいことを書いても、そのあと流れに委ねるみたいなところがたいへん好くて、でも決して終わらせず、めぐらせた考えや周辺の人などのエネルギーの気配を頭上に漂わせながら続いていく感じがとても好き。それは持続とか継続とかとはちょっと違う言いかたになり、終わるものは終わりながら曖昧な部分だけが薄い影になって続いていく感じの良さで、僕はこういうのに弱い。 人に向けられた、その目の動かしかた(洞察力とその外し方)が、気をそらすようでいてちっともそうじゃないところが、あざとくも感じられるが可愛げがあって好き。男性の良さをひしひしと感じる。

Posted byブクログ

2011/01/13

2011 1/13読了。セブンネットショッピングで購入。 幼馴染がブログで紹介していた本。彼女は、@poplaciaさんのブログエントリ(http://d.hatena.ne.jp/Asay/20060425/1145974460)を見たのをきっかけに読んだ、とのこと。 その2人...

2011 1/13読了。セブンネットショッピングで購入。 幼馴染がブログで紹介していた本。彼女は、@poplaciaさんのブログエントリ(http://d.hatena.ne.jp/Asay/20060425/1145974460)を見たのをきっかけに読んだ、とのこと。 その2人ともが言っているし解説でも書かれているとおり、「話らしい話のない話」。そうあるように書かれた話。 @poplaciaさんは"とても好きだ"と言い、幼馴染は"山とオチが感じられないと、主人公に「ひとりで気持ちよくなってずるいよ」と思ってしまう"と言い、@sakstyleや@trickenさんも交えてやり取りをしていた・・・というのは読み終わってから昔のことを調べていて思い出した話。 "もう少し大人になったら好きになれるかも"と彼女が言っていたのも今思い出した。 自分の感想はどうかと言えば、「話らしい話のない話」を、主人公の思弁的に進めるんじゃなくて作中に出てくる登場人物(ゴンタ)が取る映像のように、情景描写で進めてもいいんだ、というのがなんか面白かった。 本当、映画でよくありそうで、それも最初から最後まで見通すような映画じゃなくて、夕方にBSとかで再放送しているのを母親がつけっぱなしにしたまま居眠りしているのを、通りすがりに見るとなく見たときなんかちょっといいなと思って、でも最後までは見ない、みたいな感じ。 割と好き。他にも保坂和志の本を読むかも。

Posted byブクログ

2011/04/09

青春の残りを惜しんで過ごすような浮遊感。 捉えどころがなくて、行く先もはっきりしていない・・・そんな四人の若者。 保坂和志のデビュー作。

Posted byブクログ

2010/10/10

内容(「BOOK」データベースより) うっかり動作を中断してしまったその瞬間の子猫の頭のカラッポがそのまま顔と何よりも真ん丸の瞳にあらわれてしまい、世界もつられてうっかり時間の流れるのを忘れてしまったようになる…。猫と競馬と、四人の若者のゆっくりと過ぎる奇妙な共同生活。冬の終わり...

内容(「BOOK」データベースより) うっかり動作を中断してしまったその瞬間の子猫の頭のカラッポがそのまま顔と何よりも真ん丸の瞳にあらわれてしまい、世界もつられてうっかり時間の流れるのを忘れてしまったようになる…。猫と競馬と、四人の若者のゆっくりと過ぎる奇妙な共同生活。冬の終わりから初夏、そして真夏の、海へ行く日まで。 ******************************

Posted byブクログ