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プレーンソング の商品レビュー

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88件のお客様レビュー

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2017/09/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

筋らしい筋のない小説で、面白くないと感じる人も少なくないと思う。語り手と、登場人物との会話では競馬、猫、映画、そして海などの話題があるが、どれも小説全編を通して語られているものではないし、語られていることの内容そのものに多分それほどの意味もないのかもしれない。それは、会話の内容とか傾向とかは、作中でも示されていたように会話する両者の「好きな冗談の違い」程度のものであるから。 ほとんど、解説の受け売りになってしまうが、ドラマ性とか、物語っぽさのような要素を排除しているし、語り手にしても主体的に行動したり自らの意見や主張をしたりすることがない。例えば一つ前に読んだ「しゃべれどもしゃべれども」では、主人公は、あるいは他の登場人物は実に生き生きと動くし、悩み考えるし、そして悩んでいる内容や理由が、やはり描写されている。しかしこの小説はそうした内面の吐露といった箇所は全然見当たらない(そもそも作者が「説明」しすぎるということが、たいていの場合自分が好きではない小説の条件になってしまうのだけど)。 唯一だと思うが、ゆみ子という相手にだけは、自分から電話し、後半では自分の意見を話している。「つねに日本や世界の大状況が出来事の中心にあるように言われていて、どうしてもそこから何かを考えることしかできなかった」。そして、この物語はそうした「大状況」の対極にある、極小的というか偶発的というかそうした日常をあくまで描いている。そういうと、いかにも現代の内向き志向の若者たちの無為な日常、といった感じだが、一応この物語では主人公側とアキラ側の2つの世代が書かれている。そもそも、この作品は解説によれば、1986年が舞台というから、私が生まれてもいない。だからいまいちピンとこないのだけど、ともかく内向き無気力、お気楽な今時の若者ライフ、といっただけで読んではいけない小説と思う。 プロットがあるより、よほど印象に残りそうな本だった。 それにしてもワイシャツやネクタイを脱がずに寝てしまう島田のキャラは、単純に楽しかった。

Posted byブクログ

2018/02/18

雑誌のインタビュー記事でおすすめされていて読みたくなり購入。 一文一文が長い文章を読むのは苦手だが、保坂さんのことばは長くても友だちや家族の話を聞いてるみたいにすらすら入ってくる。 当たり前の日常の素晴らしさ、暇と言える時間がある幸せを感じた。

Posted byブクログ

2017/01/14

2017/1/9読了。 なんか、若者のふんわりした空気感が最初から最後まで流れていくような作品だったなぁと。 これといって心に響いた場面もなく、こんな作風なのかなぁ、とふんわりして読み終わった一冊。

Posted byブクログ

2016/12/26

あんまり仕事にやる気のない主人公のところに、いろんなニートたちが集まってきて同居する話。猫がかわいい。 仕事とか恋愛とかにとらわれず、ただ日常を生きるっていうのはずいぶんと楽なのかもしれないと感じる。生きるってけっこう曖昧だな…

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2016/08/09

平凡な出来事を普段は半分無意識に、半分意識的に「なかったこと」にしてしまっている、ということをハッと思い出させてくれる作品。周囲を見る目が変わる。今日はいつも気づかなかった猫の存在に気づくかもしれない。こういう身の回りの日常にスポットを当てた作品は好きだな。デビュー作なのに、ぎこ...

平凡な出来事を普段は半分無意識に、半分意識的に「なかったこと」にしてしまっている、ということをハッと思い出させてくれる作品。周囲を見る目が変わる。今日はいつも気づかなかった猫の存在に気づくかもしれない。こういう身の回りの日常にスポットを当てた作品は好きだな。デビュー作なのに、ぎこちなさみたいなものが全然なくて驚いた。

Posted byブクログ

2016/03/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女と暮らすはずだった2DKだったが、同棲前に別れてしまった。食い詰めた友人やその彼女などがなんとなしに居着き、不思議な共同生活をし始める。なんという事もなくぼんやりと進んでいく話。波乱やドラマもなく過ぎていくのでどうなるのやらと思っていたら本当になんてことなかった。しかしそれが妙に心地よかったりするのでありました。

Posted byブクログ

2015/05/04

日常をゆるりと描く作品。ドラマチックな展開や出来事はほぼ起きず、ただ主人公らが生きていく。けどそれが「人間が生きる」ということそのもの全てであって、ある種凄すぎる程のフィクション。ゴンタのビデオの撮り方や終盤の”信じてしまう人間だけが信じてしまう、それはもう事実性からどうこういう...

日常をゆるりと描く作品。ドラマチックな展開や出来事はほぼ起きず、ただ主人公らが生きていく。けどそれが「人間が生きる」ということそのもの全てであって、ある種凄すぎる程のフィクション。ゴンタのビデオの撮り方や終盤の”信じてしまう人間だけが信じてしまう、それはもう事実性からどうこういう話なのではなくて、話す側と聞く側の意志だけで意味とかあるいは意味に近い何かを与えていく話で、ぼくはそういう話がすごく好き”という所からも、作者が描こうとする「虚構の日常」へ向けた所信表明なんかも読める、完成され尽してるデビュー作。

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2015/04/10

20150410読了。 評判の良さにつられて手に取ってしまった本。 「評判」「高評価」など前評判が高いと期待値が高くなってしまう。なので、期待をしていたほど、という感じは否めない。 何もドラマチックなことは起きないただただ日常を描いている。淡々と描かれているそんな本が好きな人はは...

20150410読了。 評判の良さにつられて手に取ってしまった本。 「評判」「高評価」など前評判が高いと期待値が高くなってしまう。なので、期待をしていたほど、という感じは否めない。 何もドラマチックなことは起きないただただ日常を描いている。淡々と描かれているそんな本が好きな人ははまると思う。 前評判通り一文が長く最初は戸惑ったが、いつの間にかそれにも慣れていった。

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2015/01/06

振り向いた子猫はとびきり可愛い。うっかり動作を中断してしまったその瞬間の子猫のカラッポがそのまま顔と何よりも真ん丸の瞳にあらわれてしまい世界もつられてうっかり時間の流れるのを忘れてしまったようになる。

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2014/12/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2014年11月読了。 保坂さんの小説は何度でも読みたくなる。読みながら自身の心象風景がいくつも蘇ってくるそれが楽しくも恐ろしい。

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